「古参になるなら今のうち」という言葉が一定の力を持つように、いずれ出会いを迎えて“推し”となるアーティストには、いつだってもっと早く出会いたかったと思うもの。
ヂラフライターがグッとくるアーティストを発掘する『ヂラフのFIND OUT!』も、開始から3年が経過。ヂラフマガジンが掲げる「あたらしい音楽、発掘」のもと、自分なりの音楽を追求するアーティストたちを多く取り上げてきた。
今回は、これまで紹介してきた中からアーカイブ第2弾として、FIND OUTアーティスト計15組をあらためてお届けする。
中には、読者に向けてメッセージを寄せてくださっているアーティストもいる豪華仕様。どのアーティストも見逃さないように要チェックだ。
YELLOW SHOES MAN
(イエローシューズマン)
「作品を作ること」を徹底して追求するクリエイティブなスリーピースバンド。「どこまでも喜びを感じながら軽やかな気分で歩いていける黄色い靴」をアイコンとし、音楽を含めた映像作品を作り続けている。常にバンドの新しいカタチを模索し続け、進化し続けるその姿を見逃してはいけない。
『美しい映画』
(選・倉田航仁郎)
PRAY FOR ME
(プレイフォーミー)
愛媛県松山市を拠点とするメロコアスリーピースバンド。2013年から活動を続け、現場至上主義とする彼らは、まさに「音楽をやらずには生きていけない」類のアーティスト。世間が落ち着きを取り戻し現場が盛り上がってきた昨今、彼らは迷わずに自らの道を突き進んでいくだろう。
『Homies』
(選・曽我美なつめ)
一寸先闇バンド
(いっすんさきやみばんど)
シンガーソングライターおーたけ@じぇーむずが率いる4人組バンド。ジャンルに囚われない自由度の高いサウンドでありながら、ブレることのない歌詞の世界観と、感情的に訴えかけてくるおーたけ@じぇーむずの声によって、独自の音を奏でている。彼らの紡ぐ闇は寂しいものではなく、どこまでも温かく自分を肯定してくれるものだ。
『ルーズ』
(選・三橋温子)
大谷修登
(おおやしゅうと)
「茨城は水戸 歌うたい」。自らをそう名乗るシンガーソングライター・大谷修登。ハスキーさに大人になりきれない少年のような無垢さが混じった唯一無二の歌声だが、歌い出せば暑苦しいくらいの力強いエネルギーが伝わってくる。稀代の雨男を自称する彼だが、そんな雨すらも味方につけてしまうような魅力を持つ。
『旅鴉』
(選・池田小百合)
ハローモンテスキュー
愛知を拠点に活動しているロックバンド。圧倒的な存在感を放つはたけ(Vo./Gt.)の歌声、思わず口ずさみたくなるセンチメンタルな歌詞、小気味よいポップ・サウンドが特徴だ。ネガティブな感情を歌ったフレーズも、はたけの明るく弾ける歌声の軌道に乗せるだけで、不思議とポジティブに昇華してしまう。
『昨日のことのように覚えている』
(選・潮見そら)
HollowBug
(ホロウバグ)
2017年に東京で結成されたフォーピースバンド。柳澤(Vo./Gt.)の紡ぐオーセンティックな言葉に絶対的な信頼を置き、楽器隊がその軸を支える形でバランス良く成り立っている。哲学的なメッセージを内包し、本当に伝えたいことだけを表現した音楽は、あなたの心にも深く突き刺さるだろう。2023年6月3日のライブをもって活動休止。
『千年後の未来も』
(選・潮見そら)
Argonote
(アルゴノート)
若さからくる躍動感と、老成した落ち着きが同居した不思議な魅力を持つフォーピースバンド。不思議なバランス感覚を持つ彼らの音楽には、メンバー一人一人がスタジオで詰めこんだこだわりや美意識がしっかりと表れている。熱いのに冷たい、安定しているのに切実。どの側面も嘘ではないと思わされる彼らの個性が発揮された音楽は、聴く人を圧倒する力を持つ。
『シナバモロトモ』
(選・望月柚花)
EMIRI
(エミリ)
2019年結成のオルタナティヴ・ロックバンド。シューゲイザーを基調としたジャンルレスな音楽に、飾らない言葉をのせて歌い上げる。残念ながらバンドは2022年10月19日を以って解散してしまったが、彼らの紡いだ音楽は今もなおこの世界で美しく輝き続けている。
『Voyager』
(選・三橋温子)
QOOPIE
(クーピー)
愛知県名古屋市栄の路上を中心に活動するインストジャムバンド。メンバーそれぞれの楽器の技術や表現力の高さを最大限発揮し、楽器のみでリスナーに独自の世界観を届け続けている。一度聴いてしまえば、楽器だけで世界を表現するその奥深さに魅了されることだろう。
『Cycle』
(選・竹内将真)
ハラサンゼン
青森県八戸市をメインに活動しているトラックメイカー兼ラッパー・ハラサンゼン。自由に音楽をやり続けていたらここまで来てしまったと語る彼が作り出す音楽は、何もかも全てを取っ払ったオリジナリティに溢れている。「お客さんというより友達がいっぱい増えればいいなと思っています」と語る彼の純粋さにこそ、人は強く惹かれるのだ。
『みんなへ』
(選・名城政也)
MILKDOT
(ミルクドット)
初めて音を聴いたその時から、筆者の心を掴み続けている新世代のアーティスト・MILKDOT。気怠さや儚さを独特な歌声に載せて、一度聴いたら忘れられないような中毒性の高い楽曲をいくつも送り出している。自分の「格好いい」に忠実なその瑞々しい感性で、次はどのような景色を見せてくれるのだろうか。
『スケープゴート』
(選・宮本デン)
yodomi
(ヨドミ)
2019年に高校の軽音楽部で結成された、グランジ系のどでかい音を放つスリーピースバンド。現在は「第一次制作期間」に入りライブ活動を縮小しているが、新しいyodomiになるための曲作りに専念しているという。「第一次制作期間」後のyodomiがどんな姿を見せてくれるのか、今から楽しみである。
『USUNORO DRAMATIC』
(選・三橋温子)
渡辺雅弘
(わたなべまさひろ)
がんと戦いながら音楽活動を続けたシンガーソングライター。入退院を繰り返しながらもライブへ出演し、曲を作り続け、2023年4月25日に旅立った。「もっともっと、観にきてくれた人が一生忘れられないようなステージをやりたい」と情熱を絶やさなかった彼の音楽は、今も、どんなときでも、人の心を揺さぶり続ける。
『イロウタ』
(選・五辺宏明)
ALPACAS
(アルパカス)
ライブハウスで轟音を響かせる、高知を拠点としたスリーピースバンド。叙情的な旋律を奏でつつも、ふいに楽曲の中で鳴り渡る独特の緊迫感に満ちたメロディは“ALPACAS節”とでも言うべきか。高知から全国へと躍進を始めた彼らの音楽が、1人でも多くの人間の元へ届くことを願っている。
『アリノスサビ』
(選・曽我美なつめ)
Hue’s
(ヒューズ)
2016年にライブハウスで知り合った仲間で結成されたロックバンド。「自然」をインスピレーションの源泉とし、抽象的なイメージをメンバー間で共有しながら音楽を紡ぎ出している。「自然」そして「日常」という普遍的なテーマから繰り出される楽曲は、聴いた人の心に強いノスタルジーを喚び起こすだろう。
『Luka』
(選・竹内将真)
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(文・宮本デン)