【渡辺雅弘(Girasoul)】がんと闘うシンガーソングライター
2023年の注目アーティストを選ぶヂラフマガジンの企画記事で私が選んだのは、シンガーソングライターの渡辺雅弘(わたなべまさひろ)。2022年1月、渡辺は「肺がん(肺腺癌)ALK陽性型ステージⅣb、余命5年」と診断されたことを公表(当時37歳...
2023年の注目アーティストを選ぶヂラフマガジンの企画記事で私が選んだのは、シンガーソングライターの渡辺雅弘(わたなべまさひろ)。2022年1月、渡辺は「肺がん(肺腺癌)ALK陽性型ステージⅣb、余命5年」と診断されたことを公表(当時37歳...
一度体感すれば、鼓膜と肌がその衝撃を記憶してしまうような轟音。2019年に高校の軽音楽部で結成されたyodomi(よどみ)は、グランジ系のどでかい音を放つスリーピースバンドである。ライブバンドでありながら、3月10日(金)の自主企画ライブ『...
「親の影響で音楽は色々聴いてきましたが、初めて楽器を手にしたのは中学3年生のときに買った楽器屋で一番安いレスポールでした。当時はアンプの存在も知らないまま、ただ練習していたんですよ」同じような経験をした人間なら「あるある!」と共感してしまい...
今の時代、音楽そのものだけではなく、アーティストの人生や価値観、その人自身の魅力が評価されることが増えているのではないだろうか。とくに、着飾らずにありのままの姿を見せてくれるアーティストは、共感や人気を得やすい。そこで今回は、まさに素のまま...
「楽器のみで世界観が表現できる」インストバンドの魅力はまさにこれだと私は思っている。ロックやポップスとの大きな違いは歌詞があるかどうかだ。歌詞がないからこそ表現できる世界もあるのだと、インストを聴くと思い知らされる。今回はそんなインストバン...
二度と戻れないあの日への憧憬。大切なものを手放してしまった自分への失望。遠い異国の惨状を知りつつなにもできない無力感。抱えきれない感情は、生きていれば自ずと増えていく。それをいなして、音という不思議なものに昇華してくれるのが、音楽であるとわ...
2022年5月30日、ライブハウス・渋谷ミルキーウェイ『Happiness to you vol.12』に出演していた彼らを見た時、落ち着いた余裕のあるパフォーマンスと、彼ら自身の音楽への確固たる美意識を強く感じ、本当に初めてのライブなのだ...
愛とは何か、生きるとは何か。見ず知らずの誰かがそのようなことを急に語り出そうものなら、気恥ずかしくて耳を塞ぎたくなってしまう。しかし、音楽というフィルターを通してなら、愛や生命について自ら熟考してみたり、誰かと語り合いたいと思う時がある。或...
「ハローモンテスキュー」。かの偉大な啓蒙思想家が時空を超えて思わず振り向いてしまいそうな、そんな愛らしいバンド名に心惹かれる。モンテスキューとはフランスの啓蒙思想家であり、三権分立論を唱え、民主主義の基本原理を打ちたてた人物。学生時代、教科...
北関東の音楽シーンの中でとびっきりの原石を見つけた。「茨城は水戸 歌うたい」。自らをそう名乗るシンガーソングライター大谷修登(おおやしゅうと)。彼を一言で紹介すると「土砂降りの雨」の中にいるような人だ。彼のライブを初めて見たのは今年5月。水...
一度聞くと忘れがたい日本語バンド名は数多あるが、なかでも潔くて奇妙なのがこの「一寸先闇バンド」。シンガーソングライターのおーたけ@じぇーむずが自身のワンマンライブ『一寸先、闇』で集めたバンドメンバーに惚れ込み、そのまま2019年に正式に結成...
様々なデジタルテクノロジーが発達した現代、音楽というカルチャーはどこまでもライトに、ポップに、シャープに、そしてスタイリッシュに。世の中を席巻する、そんな圧倒的多数のミュージック。それらも確かに魅力的だけれど、私の中にはいつだって、どこかで...
「バンドはこうじゃなきゃいけない」という固定観念を取り払い、ボーカル、ギター、ベース、DJという自由度の高い編成で構成されたスリーピースバンド。レコーディングでは別のミュージシャンが演奏したり、編曲をバンド外のクリエイターに依頼したりと、い...
いい音楽は誰よりも早く知りたい。そして我が物顔でひとりじめしたい。でも、「この感激をみんなと共有できたらいいのに」とか「いつか大きなハコで演奏する姿が観たい」とかいろんな欲に負けて、結局は声を大にしておすすめしてしまうのが音楽好きの性だ。ヂ...
文章を書いていて最近、日本語はとても面白いインタレスティングな言語だと思う事が時折ある。私達が常日頃使う口語や書き言葉の中で、その実感を得られる機会は確かに少ない。けれど昔から名作として語り継がれてきた作品や、川柳、都都逸なんかの言葉遊びの...
心がさみしいとき、人はやさしい光で包んでくれるような音楽を求めてしまう。それはネオンサインのような人工的なまぶしさではなく、湖に浮かぶ夕日のような、ナチュラルなやさしさを放つ音楽。FiSHBORNは、そんな音楽を届けてくれる。言葉の力を大い...
古今東西、人間という生き物は所謂ギャップに弱い。可愛く見えて強い女の子だとか、クールに見えて実はちょっと抜けている人だとか。音楽でもそれは同じで、垢抜けない人が奏でるスタイリッシュなサウンドだとか、明るい曲調の中で歌われる悲しい歌詞だとか。...
「忘れる」のは「捨てる」ことだと思っていた。でもどうやらそれは違うらしい。ささいなことがきっかけになってあの日の風景を思い出す。忘れたからといって捨てたわけではないのだ。pluck.の音楽はどこか懐かしくあたたかく、聴くたびに記憶の引き出し...
〈あの頃の青を探して〉という、筆者の好きなキャッチコピーがある。青春18きっぷのポスターの中にあるステキなコピーのひとつで、ある本を読んでこのコピーと出会った。ポスターの美しいビジュアルはもちろんだが、それ以上にこの言葉が心の奥にじっと残っ...
私たちはなぜ新しさばかり求めるのだろう。変化の激しい世の中では、誰しもスマートフォンのような画期的で新しい製品の発売を期待していて、新しいサービスも期待する。新しいお店も、新しい服も、新しい音楽もどんどん期待してしまう。新しさが無いと枯渇す...