【太田ひな】日常に存在する美しいざわめきを拾い集めるシンガーソングライター

望月 柚花

望月 柚花

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太田ひなの音楽は行間に似ている。行間。意味を持たせるための空白。あるいは余白。

彼女の音楽はやわらかくときに力強く美しいが、それだけではない。言葉ではうまく説明できないざわめき、何故かわからないけれど直視してはいけないような得体の知れない不穏さが根底にあるのだ。それでいてじめじめと暗いわけではなく、さらりとした不思議な魅力になっている。

今回は太田ひなのこれまでのリリース作品から選んだ2曲を、彼女からのコメントと共に紹介していく。


バイオグラフィー

太田ひな(おおたひな)は1996年生まれの女性シンガーソングライター。

2015年よりライブ活動をスタートさせ、現在も都内近郊のライブハウスなどで活動している。以前からのスタイルであるピアノ弾き語りのソロ編成は勿論、ドラムやベース、ラップトップなどからなるバンド編成など、様々な編成でライブを行なう。

2019年1月にAureoleの森大地をプロデューサーに迎えたファーストフルアルバム『Between The Sheets』、同年12月にEP『Alphaville』をリリース。

白昼夢と蜃気楼、得体の知れない胸騒ぎ
『ロマンス』
youtube動画

覗いた先の風景が模様になる万華鏡がある。いつも見ている平凡な風景が勝手に綺麗な模様になって、身近なもののはずなのに全く違う世界のように見える。どちらが現実で、自分はどちらを見て生きていたいのか。そういうことを考えたり、何かを思い出したりしているうちに全ては流れるように過ぎ去っていってしまう。

『elephant in the room』
youtube動画

日常と非日常に境界線はない。まだ幼い頃、夜中に目が覚めてしまってなんとなくテレビをつけたことがあった。当時のテレビは番組が放送していない真夜中に砂嵐みたいなものが映るようになっていて、最初にそれを見た時はとても驚いたのと同時にうっすら背筋がさむくなったことを覚えている。いつも見ているにぎやかなテレビと同じものとは思えなかった。この楽曲を聴いて感じるのは、あの時の恐怖や不安と同じものだと思う。

MESSAGE

『ロマンス』と『elephant in the room』、どちらも私のターニングポイントとなった曲です。

この2曲を作る前は、意味や物語を優先して歌詞をのせることが多かったのですが、『ロマンス』と『elephant in the room』はメロディラインとそれに合った音のはまり方を意識して作りました。どちらも先に英語の歌詞をのせて、響きを決めてから、日本語の歌詞をのせています。少し大袈裟な言い方ですが、この2曲は歌詞が聞き取れなくてもいいから、心地良い響きが鳴っていることを大事にしています。

今は歌詞がちゃんと曲の前に出つつも、メロディラインと響きのバランスも損なわないような、ちょうど良いバランスを探っているところです。

太田ひな

(文・望月柚花)


PROFILE

太田 ひな(Hina Ohta)

1996年生まれの女性シンガーソングライター。幼少期よりピアノに触れ、15歳の時に作曲を開始。2015年にライブをスタートし、現在も都内近郊のライブハウスを中心に活動している。ライブではドラム、ベース、ラップトップなどを入れたバンド編成、ピアノ弾き語りのソロ編成、ソロ~少人数のラップトップミュージック編成など、様々な編成で行なっている。2019年1月に初のフルアルバム『Between The Sheets』をリリースし、12月にはEP『Alphaville』をリリース。

活動開始

2015年

主な活動拠点

東京都

HP / SNS

公式サイト
公式Twitter @hina_ron
公式Instagram hina_ron

RELEASE
1st Album
『Between The Sheets』

TOWER RECORDS 公式サイトへ