【uyuni 独占インタビュー】 繊細かつしなやかな感性で音楽を作る、彼女の見ている世界とは

望月 柚花

望月 柚花

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「おんがくを生産しています」
ツイッターの自己紹介文には、短くさらりとそう書かれていた。

uyuniは自身で楽曲を制作し歌うことはもちろん、ヒップホップクルー「+Vacation」の一員としても活動している若き女性アーティストだ。

初めてuyuniの歌を聴いたのは、ラッパー・SALUの楽曲『RAP GAME』のリミックスだった。その後すぐにオリジナル楽曲『Blueberry Gum』を聴き、可愛いと格好いいのバランスが絶妙で魅力的な人だなと思った。今回は、そんな彼女に話を伺った。


『RAP GAME (Remix)』

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『Blueberry Gum』

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アーティスト、そしてひとりの人間としてのバックボーン
――今回はインタビューをお受けいただきありがとうございます。それでは早速ですが、uyuniさんの簡単な自己紹介をお願いします!

uyuni: uyuni(ウユニ)と申します。福岡県出身で、現在は東京の音大に通っています。 

――きれいで印象に残るアーティスト名だなとずっと思っていたのですが、uyuniさんのお名前の由来があったら教えてください。

uyuni: はい。透き通っていて芯のある声に憧れていて、昔から行きたいと思っていたボリビアにあるウユニ塩湖から名前を取りました。すごくきれいな湖なので一度見てみたいと思っています。 

――好きな食べ物、好きな漫画や本、好きな映画はなんですか?

uyuni: 好きな食べ物はうどんです! あまり周りからは理解してもらえないですが、うどんにポン酢をかけて食べるのが大好きです! 笑

漫画は漫画家の岡崎京子さんが好きで、特に好きな作品は『チワワちゃん』ですね。この作品は映画にもなっていて、きれいごとばかりではない、入り組んだ感情が描写されてる感じがすごく好きでひきこまれました。

――どんな人やものに影響を受けてきましたか?

uyuni: シンガーソングライターのYUIさんの影響で歌いたいと思うようになりました。中学生の頃、友達と観に行った映画『パラダイス・キス』で主題歌を担当していたのがYUIさんで、その時初めて歌声というものに本気で感動したんです。

歌声でこんなにも衝撃を与えられる人がいるのだということが忘れられず、自分もそんな人になりたいと思い、それからたくさん歌うようになりました。多分、このことがなければ、わたしは今歌っているかわかりません。

――uyuniさんは、いつから、どんなきっかけで音楽を作ることに興味を持ち、楽曲制作を始めたのですか?

uyuni: そうですね、中学生の頃にはピアノでメロディを弾いていました。当時は歌詞とかは特になかったのですが、クラスメイトがそれを聴いて「これを聴きながら死にたい」と言ってくれて、なんだか嬉しくなってもっとたくさん作るようになりました。

高校に入ってからは、バンドを組んだのをきっかけに歌詞も書くようになりましたね。バンドでは作曲を担当していましたが、メンバーに雑に扱われてた感じで正直あまりいい思い出はありませんが…。でも、「明日のライブで新曲やりたいから作って!」なんて無茶を言われて作っていたので、作曲スピードが上がったのは今としては良かったと思っています。

uyuniとしての活動は1年くらい前からで、周りでSNSに楽曲を投稿している人がいて、それを見て「少しでも自分の楽曲を聴いてもらえる機会ができるなら」と思い始めました。 

――なるほど。ちなみに、楽曲を制作する上でご自身のパーソナルな部分は反映されることはありますか?

uyuni: はい。わたしは会話が苦手で自分の感情が十分に表現できないことが多いので、その分楽曲へ感情が反映されることが多いです。

でも、自分の作品であまり汚い言葉は使いたくはないので、そういった場合は別の言い方などを使って表現していますね。 

楽曲制作について
――音楽を作ったことがない人間にはすごく難しそうに感じているのですが、楽曲制作はどのように進むのかをぜひ教えてください。

uyuni: テーマ(土台)を固めた上で、トラックを作ります。トラックの制作途中で使いたいメロやリリックが浮かんだらiPhoneのボイスメモなどで残しておき、トラックが完成したら録音しつつ全体のバランスを取っていきます。

日常の中でも気に入ったメロやリリックを思いついたらボイスメモに録音しているので、それをもとに楽曲を制作していくこともあります。 

楽曲制作で常に意識しているのは自分の世界観ですね。表現したい言葉があるけれどそのままだとダサいなと思ったら、その言葉の類語を調べたりしています。

――ソロ名義ではない場合の楽曲制作についても気になります! uyuniさんがクルーの一員として活躍されている+Vacation での楽曲制作はどのように進んでいますか?

uyuni: 曲作りは、各々が「こういった作品を作りたいのですが、一緒に作りたい人いますか?」と呼びかけています。全員制作意欲が強いので、クルー内では絶え間なく曲が制作されているといった感じですね。

アイディアなどはその楽曲に参加している人同士でグループチャットを作り、互いに案を出し合って意見交換をしています。 メンバーが7人もいると、色々な曲が作れて楽しいですよ!

新曲『forever young』に込める想いと、彼女だけの人生観
――8月にリリースされた新曲『forever young』へ込めた想いを教えてください。

uyuni: 『forever young』は、大好きな岡崎京子さんの作品『チワワちゃん』を元に制作しました。 1バース目ではチワワちゃん、2バース目では主人公のミキという女の子の目線を描いています。「青春を永遠に、いつまでも若く生きていよう」という意味を込めました。 

わたしは現在20歳なのですが、誕生日の3日前から「20歳になったら死んでしまう」と言って大泣きするくらいに誕生日が来るのが嫌でした。ずっと遊んでいたいしずっと好きな人といたいしずっとこの時間が続けばいいのに、と思うことが自分の日常の中でもたくさんあって、その想いも込めて楽曲を制作しました。 

――最後に、これからの音楽活動と、どう生きてどんな人生にしたいか、uyuniさんの人生観を教えてください。

uyuni: 人に迷惑をかけないように、自分の好きなことをたくさんしたいです! その時の感情を音楽で表現していきたいと思っていて、久しぶりに聴いた時に当時の情景が思い出されるような、そんなタイムカプセルみたいな作品をたくさん残していきたいです。

いつも初心を忘れずに音楽を作っているのですが、それもしっかり続けつつ、これからも自分の世界観が詰まった作品をたくさん作っていきたいです。まだまだ色々なアーティストさんから学ぶことも多いので、もっと成長していけたらと思っています!

わたしがいなくなってもわたしの作った音楽だけは自分の為に、もっと言えば誰かの為にも生きていたら最高なので、そんな活動をしていきたいです。 


『forever young』
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uyuniの楽曲を聴くと、世界をとらえる瑞々しい感性がきらめいてとても眩しい。8月にリリースされた『forever young』のMVでは、そんな彼女の世界観をしっかりと表している。

語りすぎていないのに心に刺さるリリックと耳に残るメロディーを聴いて、気づいたら何故か少しだけ昔のことを思い出していた。幼いころのアルバムを開いてしまった気持ちだった。

思い出はいつだって輝いているのに、どうしようもなくせつない。

そういった、おそらく誰もが持つ普遍的な感情に優しく寄り添い、時としてそれを強く揺さぶる。そんな音楽は、きっとuyuniにしか作ることはできないのだと感じた。

(取材/文・望月柚花)


PROFILE

uyuni(うゆに)

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