祝・9mm Parabellum Bulletトリビュート盤発売。参加18組&楽曲を語らせて!

三橋 温子

三橋 温子

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バンドキャリア16年、ついに待望のトリビュートアルバムが9月9日(水)に発売される。9mm Parabellum Bullet『CHAOSMOLOGY』(カオスモロジー)だ。

昨日7月16日(木)に生配信されたLINE LIVE内で参加アーティスト全18組と参加楽曲が発表され、興奮冷めやらぬまま筆をとっている。9mmファンはもちろん、参加アーティストをきっかけにこのアルバムを手にとってくれるかたも増えたら…という思いを込めて、参加18組と楽曲について本人たちのコメントを交えながらご紹介したい。

※9月9日更新
『CHAOSMOLOGY』発売!
TOWER RECORDS 公式サイトへ


「歌盤」「インスト盤」の2枚組!

特筆すべきは、ボーカル入りの歌盤(Disc1)とインストゥルメンタル盤(Disc2)の2枚組であること。ボーカルのいるアルカラやRyu Matsuyamaがインスト盤に参加しているなど、各アーティストがどのような解釈とアレンジで臨むのかが未知数なだけに、なお期待が高まる。


【Disc1】

  • a flood of circle 『Black Market Blues』
  • THE BACK HORN 『キャンドルの灯を』
  • cinema staff 『Talking Machine』
  • ストレイテナー 『カモメ』
  • チャラン・ポ・ランタン 『ハートに火をつけて』
  • BiSH 『Discommunication』
  • FLOWER FLOWER 『名もなきヒーロー』
  • BLUE ENCOUNT 『Supernova』
  • UNISON SQUARE GARDEN 『Vampiregirl』


【Disc2】(instrumental)

  • アルカラ 『Living Dying Message』
  • キツネツキ feat.タブゾンビ(SOIL&“PIMP”SESSIONS)&栗原健 『黒い森の旅人』
  • SPECIAL OTHERS 『Wanderland』
  • DEPAPEPE 『スタンドバイミー』
  • →Pia-no-jaC← 『ハートに火をつけて』
  • fox capture plan 『ガラスの街のアリス』
  • mudy on the 昨晩 『Punishment』
  • LITE 『次の駅まで』
  • Ryu Matsuyama 『The World』


ちなみに、同時発売されるシングル『白夜の日々』とW予約すると、8月17日(月)の『CHAOSMOLOGY』WEB試聴会(メンバーも出演予定)にもれなく参加できる。対象店舗は楽天ブックス(オンライン)またはタワーレコード10店舗、予約対象期間は8月5日(水)まで。

▼ 楽天ブックス
【早期同時購入特典】「CHAOSMOLOGY」+「白夜の日々」 (WEB試聴会 参加用シリアルコード) [ 9mm Parabellum Bullet ]

▼ タワーレコード
渋谷店 / 新宿店 / 横浜ビブレ店 / 札幌ピヴォ店 / 仙台パルコ店 / 名古屋パルコ / 名古屋近鉄パッセ店 / 梅田NU茶屋町店 / 梅田大阪マルビル店 / 福岡パルコ店

※9月9日更新
『CHAOSMOLOGY』発売!
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【Disc1】世代・ジャンルを超えたアーティスト9組

a flood of circle
『Black Market Blues』

ライブで間違いなく盛りあがるキラーチューンを演奏するのは、2006年結成のa flood of circle。ガレージやブルースを思わせる骨太ロック、そしてVo./Gt.佐々木亮介のあの痺れる歌声がどう反映されるのか、とても楽しみだ。

9mmのVo./Gt.菅原卓郎は、「彼らにはいろんなアレンジの曲があるけど、流れる血は全部ロックンロール。今回も間違いなくカッコいいアレンジをしてくれるはず」と期待のコメントを寄せた。

THE BACK HORN
『キャンドルの灯を』

1998年結成のTHE BACK HORNは、菅原が「意外な選曲」と語ったアルバム曲『キャンドルの火を』。9mmとバクホンは過去の共演で何度も互いの曲をカバーしているが、菅原は「一度もやっていない曲を選んでくれて嬉しかった」とコメントしている。

銀河遊牧民(バクホンファンの通称)のわたしとしては、妖艶なギターリフやジャズリズムのドラムはこんな感じになるのかなとか、ベースは突飛なアレンジを入れてくるんだろうなとか、メロとサビは歌い方をグッと変えてくるに違いないとか、勝手に妄想してワクワクしている。

cinema staff
『Talking Machine』

これはアツイ。結成翌年にリリースされた1stミニアルバム収録曲を、9mmをリスペクトする2003年結成のcinema staffが演奏する。彼らについて菅原は、「兄ちゃんの言うことをあえて聞かない弟みたいな、兄弟感あるよね」と親しみを込めて語っていた。

cinema staffは9mmとの対バンライブで同曲をカバーしている。今回はさらに、兄に憧れながらも反発する弟のような挑戦的なアレンジにアップデートされるのだろうか。個人的にもこの曲は9mmとの出会いの曲。期待感が募る。

ストレイテナー
『カモメ』

この選曲も秀逸。2011年のアルバム曲で、のちにストリングスを入れてシングルカットもされた、愛に向かっていく女性の覚悟を描いたミドルナンバーだ。1998年結成のストレイテナーは、9mmが「先輩であり盟友」と語る存在。テナーのトリビュートアルバムにも『Melodic Storm』で参加している。

菅原は「ホリエ(アツシ)さんが歌う女性目線の歌詞は、泣けるしセクシー」、Ba.中村和彦は「レコーディングの仕方が実験的でかなり攻めていた」とコメント。テナーと親和性が高いように感じる曲だけに、「攻めた」仕上がりが非常に楽しみである。

チャラン・ポ・ランタン
『ハートに火をつけて』

2009年結成の姉妹ユニット、チャラン・ポ・ランタン。まさか、スカリズムが心を掻き立てる代表曲『ハートに火をつけて』を選曲するとは! と思ったら、YouTubeにカバーがアップされていた。

小春のアコーディオンが民謡風に響き、ももの歌声がキュートかつ力強くのせられていて、ものすごくいいではないか。今回も演奏は二人だけで、しかも一発撮りだったという。原曲とはガラッと雰囲気の違うカバーを通じて楽曲の多面性を楽しめるのも、トリビュートアルバムの魅力だ。

BiSH
『Discommunication』

2015年に活動開始した「楽器を持たないパンクバンド」BiSHが歌う、メジャーデビュー後初のシングル曲『Discommunication』。アイナ・ジ・エンドのハスキーボイスのファンなので、もっとも楽しみにしている曲のひとつ。できればライブや映像でも観たい。

BiSH主催ライブ・MONSTER biSHにキツネツキ(菅原とGt.滝善充のバンド)が出演したり、MONSTER baSHでの菅原のセッションにセントチヒロ・チッチとアユニ・Dが参加したりと、意外にもよく共演している2組だ。

FLOWER FLOWER
『名もなきヒーロー』

疾走感あふれる10thシングルを演奏するのは、シンガーソングライターのyuiを中心に2013年に結成されたロックバンド、FLOWER FLOWER。この2組も昨年に札幌で、ラジオ番組でのスタジオライブとZepp Sapporoでのライブにて共演している。

yuiの透明感のあるパワフルな歌声は、この曲をどう歌いあげるのだろうか。ちなみに彼女、4児の母であるらしい。無垢さと強さを兼ね備えるママロッカー、なんてカッコいいんだ。

BLUE ENCOUNT
『Supernova』

滝がアイアン・メイデンを意識したという、メタル要素を含んだ2008年リリースの1stシングル曲。演奏するのは、今やロックフェスには欠かせない人気バンドへとのぼりつめた2004年結成のBLUE ENCOUNT。

カバー曲について菅原と中村は「カッコいい、ブルエンのルーツが感じられる」と絶賛。年下であるVo./Gt.田邊駿一については、「後輩Windを吹かせてくる(菅原)」「初めて会ったときは土下座された(中村)」と笑いながら語っていた。

UNISON SQUARE GARDEN
『Vampiregirl』

9mmと同じ2004年結成で、メンバーの世代も近いUNISON SQUARE GARDEN。選曲は、9mmらしい特徴的なリフが耳から離れない2008年のアルバム曲『Vampiregirl』。

「音楽性が攻めている(中村)」「田淵(智也/Ba.)くんのしたり顔が目に浮かぶ(菅原)」と言わしめた彼らのカバーとはいかに? Vo./Gt.斎藤宏介のキャッチーなハイトーンボイスが「You’re Vampiregirl」と伸びやかに歌うのを早く聴いてみたい。


【Disc2】個性豊かなアレンジに期待のアーティスト9組

アルカラ
『Living Dying Message』

一見ふざけた曲も多い2002年結成のアルカラだが、メンバーの歌唱・演奏技術はめちゃくちゃ高い。2006年の3rdミニアルバム以降、Vo./Gt.稲村太佑のヴァイオリンを入れたインスト曲を継続して収録しており、『箱』『サスペンス激情』など、まるで1本の映画か劇を観ているようなドラマティックな曲が多数ある。

超高速で刻むリズムや突然の転調、そこに稲村の美しいヴァイオリンがどう重なってくるのか。インスト曲ではもっとも楽しみな曲のひとつ。

キツネツキ feat.タブゾンビ(SOIL&“PIMP”SESSIONS)&栗原健
『黒い森の旅人』

キツネツキのメンバーである菅原と滝がギターを、People In The Boxの福井健太がベースを、heaven in her armsの渡部宏生がドラムを担当。そこにタブゾンビのトランペットと栗原健のサックスが入ってくるなんて、想像するだけで豪華すぎる。

森に迷い込んだようなミステリアスな原曲を、今回はダブ風のアレンジに仕上げたという。レコーディングを担当したエンジニアが「タブゾンビ」と「ダブ」を混同し、途中から「ダブさん」と呼び違えていたというエピソードも(笑)。

SPECIAL OTHERS
『Wanderland』

1995年結成、日本を代表するインストバンドのSPECIAL OTHERS。演奏するのは『Supernova』との両A面シングルとして2008年にリリースされた『Wonderland』だ。

この曲がどんなふうにインストアレンジされるのか想像がつかないが、菅原いわく本人たちは「そのまま演奏してもスペアザになるから、大きく変えるよりいい」と言っていたという。なんとカッコいいセリフ!

DEPAPEPE
『スタンドバイミー』

DEPAPEPEは2002年結成のインストユニット。アコースティックギターで奏でられる心地よい楽曲が人気だ。2016年のアルバム曲『スタンドバイミー』は、切なく美しいメロディが胸を打つ名曲。DEPAPEPEのイメージにも重なる部分がある。

この2組はセッションで何度か共演経験があるという。菅原は「歪んでいないDEPAPEPEを9mmの中に入れ込んでいくのが目標」と密かな野望を口にしていた。

→Pia-no-jaC←
『ハートに火をつけて』

二度目の登場となる『ハートに火をつけて』。インストバージョンは2005年結成のインストユニット、→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)が演奏する。

歌盤のチャラン・ポ・ランタンによるカバーも二人だけの演奏だが、→Pia-no-jaC←によるカバーもHAYATOのピアノとHIROのカホンのみ。これはたまたまらしいが、楽器や解釈の異なる2曲を聴きくらべるのも楽しそうだ。

fox capture plan
『ガラスの街のアリス』

月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』の劇伴を担当し話題となった、2011年結成のfox capture plan。ピアノ・ベース・ドラムのスリーピースで、「現代版ジャズロック」を掲げているだけあって楽曲はキャッチーかつ美しい。インストやピアノバンドに馴染みがなくても心を惹かれることうけあいだ。

選曲は2017年のアルバム曲『ガラスの街のアリス』。疾走感のあるイントロから始まるロックナンバーは、どんな「現代版ジャズロック」へと変化を遂げるのだろうか。

mudy on the 昨晩
『Punishment』

インストゥルメンタルといえば、野外でビール片手に音色にゆったりと身を任せるようなイメージがあるかもしれないが、2006年結成のmudy on the 昨晩はひと味違う。曲調もライブパフォーマンスも激しめのロックバンドだ。

9mm初のフルアルバムのラストを飾った『Punishment』は、最初から最後まで激しく駆け抜けるナンバー。間奏の高速ギターも目玉。中村が「インストアレンジのほうが向いている曲」と語っていたとおり、mudy on the 昨晩の世界観とマッチしていて魅力的な選曲だ。

LITE
『次の駅まで』

2003年結成のLITEもロックをルーツにもつインストバンド。結成して間もなく音源がヨーロッパで発売され、ワールドツアーも行なうなど、世界を舞台に活動している。「(カバーを)やってほしいと思っていた(中村)」「全員リモートで生配信をしていて『鉄人か!』と思った(菅原)」と、9mmメンバーも一目置く様子がうかがえる。

『次の駅まで』は2008年のアルバム曲。菅原がフィットしそうな曲をいくつか提案し、その中から選ばれた曲だという。ツインギター・ベース・ドラムという同じ楽器編成ながら「こんなに違う音楽になるんだと思った」と菅原はコメントしている。

Ryu Matsuyama
『The World』

ラストにご紹介するのは2012年結成のピアノスリーピースバンド、Ryu Matsuyama。最初シンガーソングライターだと思っていたが、Vo./P.を担当するイタリア育ちのRyuのフルネームをバンド名にしたのだという。

普段のRyu MatsuyamaはRyuの柔らかな歌声が楽曲を彩っているが、今回のインストバージョンは9mmメンバーいわく「ポテンシャルを引き出しちゃった感がある」とのこと。2007年リリースのメロウで美しいナンバー『The World』は、彼らのポテンシャルをどのように世の中に知らしめてくれるのだろうか。

youtube動画

(文・三橋温子)


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