ギターを始めたいと考えたとき、「そもそもギターは難しそう」「買って弾けなかったらもったいない」と迷ってしまうことがあるのではないだろうか。確かにギター初心者の90％は1年以内に挫折するという。もちろん教則本にあるような基礎固めは重要だが、カンタンなギターリフでも「演奏できた！」と成功体験を重ねることが継続には大切だと考える。
筆者は小さな成功体験を重ねてアコースティックギターの基本的な演奏をマスターした。しかし、エレキギターの経験は学園祭に出た即席バンドの経験しかなく、ソロや速いリフは得意ではない。
今回の記事では「ギター初心者だけど、カッコよくてカンタンに弾けるリフはないの？」という方に、筆者が実際に演奏して弾けたリフをカンタンな順にご紹介。買ったその日から弾ける楽曲も！ イントロ部にあるリフに限定したので、まずは気軽にギター片手に読みながら弾いてみてほしい。
※耳コピできる方以外は、譜面を入手することをオススメする。
ギターを買ったその日にチューニングさえできれば弾ける！
「ユーリカ」
きのこ帝国
楽曲紹介
きのこ帝国が2013年にリリースしたインディーズ1st フルアルバム『eureka』に収録のタイトル曲「ユーリカ」を紹介する。
佐藤千亜妃（Vo./Gt.）いわく“salyu×ポーティスヘッドのイメージで作った”というこの楽曲のイントロは、轟音のシューゲイザーサウンドに警告音のような単音リフが重なっている。そこにリズム感とコード感を打ち出したベースが楽曲の重厚感を醸し出しており、緊迫感があるシンプルなリフを引き立てている。筆者イチオシの最高にカッコよく、最高にカンタンなギターリフだ。
演奏パート
このリフは本当に誰にでも弾けると断言できるので、最初に弾いてみよう！
「ユーリカ」はツインギターの楽曲。まずはMVを参照してほしい。0:12から始まる佐藤パートの警告音のようなリフを聴くと、同じ音を同じリズムで繰り返しているだけだとわかるだろう。佐藤も“コード進行がガラッと変わる展開でもギターリフは変わらないのが肝”と話している。
まだコードを覚えていなくても、譜面が読めなくても問題ない。まずは左手で弦を抑え、右手でピッキングができれば弾ける。MVでは1弦で弾いているようだが、他の弦でもG#が鳴ればよいので、G#の音は耳で理解しておこう。ピックがうまく使えないのなら指で弾いてもよい。MVを参考に同じリズムでまずは8回同じ音を鳴らしてみよう！
単音でスタッカートができるようになれば弾ける！
「NUM-AMI-DABUTZ」
NUMBER GIRL
楽曲紹介
ナンバーガールが2002年にリリースした3rdかつラストアルバム『NUM-HEAVYMETALLIC』収録の「NUM-AMI-DABUTZ」を紹介する。
この楽曲のイントロにある田渕ひさ子（Gt.）パートは、スタッカートを効かせたシンプルなリフだ。しかし彼らにしかできないセンスを感じられ、個人的には00年代のカッコいいリフ代表である。
演奏パート
こちらもツインギターの楽曲であるが、MVで0:15から始まるひさ子パートを参考にしてほしい。スタッカートが効いている演奏なので、音を鳴らしたらすぐに指板から指を離し、次の指に切り替えるようにして弾いてみよう。
また0:29までの向井秀徳（Vo./Gt.）が演奏するパートで使用されているのは、2つのコードだけである。コード弾きができるようになれば、ぜひともチャレンジしてもらいたい。
単音弾きができるようになれば弾ける！
「強く儚いものたち」
Cocco
楽曲紹介
Cocco（こっこ）が1997年にリリースした2ndシングルで、ブレイクのきっかけにもなった「強く儚いものたち」。イントロ部分の軽やかなボサノバ調のリズムに乗る、伸びやかで切ないリフは、つい口ずさみたくなる。
演奏パート
こちらもツインギターの演奏で、まずはバッキングのリフが始まる。そしてMVで0:11から始まる限りなくギターソロに近いリフを聴いてほしい。
これも実はカンタン。耳コピできる人はそのまま聴いた音で、譜面があればその通りに弾いてほしい。音を鳴らすことはカンタンだがリフ自体に深みがある。上達したタイミングで何度か弾いてみてほしい。
ピッキングアルペジオができれば弾ける！
「深夜高速」
Flower Companyz
楽曲紹介
次に、フラワーカンパニーズが2004年にリリースした16thシングル曲「深夜高速」を紹介する。
「深夜高速」だけを演奏するトリビュートアルバム『深夜高速 -生きててよかったの集い-』が制作されているほどに、さまざまなアーティストによって歌い継がれている名曲。ライブではイントロのリフが鳴り響くと会場の空気が一変する。胸に迫りくる初期衝動を感じさせる名リフだ。
演奏パート
このイントロも音源ではツインギターの演奏で、バッキングとメインのリフに分かれた構成になっている。メインのギターリフは、アルペジオがピックで弾けるようになり、運指がスムーズになってきたころにはカンタンに弾けるだろう。
楽曲全体としては間奏にエモーショナルなギターソロもありカンタンとはいかないが、イントロのリフをスムーズに弾けるようになれば、1曲を通して弾くことを目標にしてもよいだろう。
ハンマリングがスムーズになれば弾ける！
「Discommunication」
9mm Parabellum Bullet
楽曲紹介
最後に、9mm Parabellum Bulletが2007年にリリースしたメジャーデビューディスク『Discommunication e.p.』に収録の表題曲「Discommunication」を紹介する。
一聴した瞬間「カッコいい！」と思わずにいられないギターリフ。筆者はこのリフがきっかけで9mmに注目し始めた。デビュー前から圧倒的な演奏力と独自のセンスを持っていたことがわかる。
演奏パート
こちらもツインギターの演奏だが、MVでは0:14から開始する滝善充（Gt.）パートのギターリフを聴いてほしい。難易度の比較的高い楽曲が多い9mmの中で、このリフはハンマリングがスムーズにできるようになればカンタンに弾けるためオススメだ。
1曲を通して演奏する際はドロップDという変速チューニングなので、スコアなどを参考にして弾いてほしい。
（文・池田小百合）
