そこには壮大なロマンがある。新感覚音楽制作番組・THREE THE HARDWAREについて

望月 柚花

望月 柚花

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リサイクルショップに行くと、何に使うわけでもないしそもそも使える技量もないのにジャンク品を見てときめいてしまう。そんな経験がある人は少なくないと思う。

THREE THE HARDWARE(すりーざはーどうぇあ)は、アーティスト・tofubeats氏が代表を務めるマネジメント会社「HIHATT」が送る、「予算をサイコロで決め、購入した中古機材だけで曲を作ることはできるのか?」をテーマに掲げた音楽制作番組だ。

現在セカンドシーズンまでtofubeats氏の公式YouTubeチャンネルにて公開中のこの番組は、普段見ることのできないミュージシャンの楽曲制作過程を動画で見ることができ、笑いどころも盛沢山。自分で音楽を作る人は勿論、DTMの知識がない人でも楽しめる内容になっている。

この記事ではTTHWの基本ルール、ファーストシーズンの登場人物プロフィール、そして記念すべき初回の様子を紹介する。


THREE THE HARDWAREのルール

① 挑戦者がサイコロを振り、出た目の数×1万円で予算が決定。

② 挑戦者は決まった予算の中から指定の店舗にてギターやベース、キーボードやシンセサイザー、レコーダーやケーブル、ACアダプター、チューナーなど、楽曲を制作するために必要な機材をすべて購入し、それらを使用して3時間以内にスタジオで楽曲を制作する。(※スピーカーとスピーカーに繋ぐケーブル1本は番組から支給)

③ 古い機材の使い方などをネットで調べることは許可されている。

以上がTTHWのルールだ。

TTHW・ファーストシーズン登場人物紹介(以下敬称略)

パソコン音楽クラブ(ぱそこんおんがくくらぶ)・西山

90年代のハードウェア音源モジュールで楽曲を制作する、パソコン音楽クラブ(愛称:パ音)のメンバー。パソコン音楽クラブはアナログ機材の持ち味をいかしつつ、現代の音楽として洗練された楽曲を発表している。

2019年にはアニメ『ポケットモンスター』のエンディング曲『ポケモンしりとり(ピカチュウ→ミュウVer.)』の作詞作曲と編曲を手がける。


in the blue shirt(いんざぶるーしゃつ)・有村

兵庫県出身のトラックメーカー。クラブを中心に活動する傍ら、CM音楽などの楽曲提供を行っている。

ボーカルのカットアップを用いたスタイリッシュな楽曲を制作しているが、Twitterなどで垣間見える人柄は非常にユーモラスでその対比がより魅力的。初回のTTHWで楽曲制作に苦戦するパソコン音楽クラブ・西山を煽りまくる。


tofubeats (とーふびーつ)

1990年兵庫県神戸市出身・在住のトラックメーカー、DJ、音楽プロデューサー。森高千里、KREVA、藤井隆など様々なアーティストとのコラボレーションや楽曲提供を行うなど若くして多くの実績を築く。トラックメーカーとしての活動を行うほか自らもボーカルを取り、多くの楽曲を制作している。

2012年にリリースされたtofubeatsの代表曲『水星』は、女性アーティスト・DAOKOをはじめとした多くの作り手にリミックスされており、その魅力は今尚多くのアーティスト、そしてリスナーを惹きつけてやまない。

THREE THE HARDWARE 0-1
「人ごとやからバリ楽しい」

2019年、都内某所にて集まったtofubeats、パソコン音楽クラブ・西山、in the blue shirt・有村。ルール説明と最初の挑戦者の発表があり、それを聞いたin the blue shirt・有村が「今日関係ない。俺関係ないんや。バリ楽しなってきた~」と満面の笑みで言う姿が印象的だった。

パソコン音楽クラブ・西山は犠牲にされてしまうのか、それとも後に挑戦者となるin the blue shirt・有村への高いハードルになるのか、それが初回のいちばんの見どころだ。

THREE THE HARDWARE 0-2
「Lighting Guide System」

兵庫県の某中古ショップ前にて、いよいよサイコロが振られる。予算は出た目の数×1万円で、最高額は6万円。緊張が走る中、西山が出した目は1。「うそやん…」と呟く彼をよそに、ここで予算が1万円に決められてしまう。

予算を手に入店した西山が購入を決めたのは、MTRやギターなど合わせて計6点の機材。ほぼ全てがジャンク品で「曲を作ることができるのか」よりも「正常に動作するのか」の方が気になってしまうが、この次の回でそれが明らかになる。

THREE THE HARDWARE 0-3
「アイツまだなんもしてない」

購入した機材を持ちスタジオに到着。機材の動作チェックをしたところ、なんと全てのジャンク品機材が生きていた。
(余談だがMTRに前の持ち主のオリジナル曲が入っていることも判明する。)

だが機材が動きはしたものの、音を録音する方法が分からず西山は苦戦してしまう。果たして曲はできるのか、そして西山は有村、tofubeatsの煽りに打ち勝てるのか…。

初回・西山編の苦労の跡と感動のフィナーレはtofubeats公式YouTubeチャンネルにてその目で見届けてほしい。


ちなみに、今回紹介した西山編に続くin the blue shirt・有村編も非常に面白い内容なので、気になった人にはぜひ続編も見ていただきたい。

(文・望月柚花)