美しい冬の日、それぞれの夜に寄り添うクリスマスソング

望月 柚花

望月 柚花

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大人になっても、サンタクロースからのプレゼントがなくても、その日が仕事だとしても、なぜかクリスマスは「特別」な気がしてうきうきしてしまう…。

いつもより豪華なご飯を作ったり、好きな人とイルミネーションを見に行ったり、クリスマスマーケットを覗いたり、普段は買わないホールケーキを買ったり。10人いれば10通りの「特別」があると思います。

今回はそんな「特別」に寄り添うクリスマスソングを、シーン別にお送りします。


大切な人と二人で聴きたいクリスマスソング

『Someday (feat. デヴェンドラ・バンハート)』 小瀬村晶

時計の秒針の音から始まる、穏やかで優しく、少しだけ切ない楽曲です。くぐもったボーカルとそれに合わせたピアノの伴奏が美しく、その後に重なるバイオリンの音にもフィルターがかけられたようなあたたかみを感じます。

大切な人とゆったりお酒を飲みながら思い出話をするのにぴったりな曲。お互いがまだ相手を知らないころ、どんなことをして、どんな景色を見て、なにを感じていたのか、普段話さないことを話してみてもいいかもしれません。

『Wonderful & Beautiful』 レミオロメン

レミオロメンは『粉雪』が代表的な楽曲かもしれませんが、個人的に推したいのはこちら。雪のように透明できらきらと輝くメロディー、それと同時にうかぶ郷愁のような感情。誰かのことを大切に思って、その人と手を繋いで歩いていくことを丁寧に歌い上げています。クリスマスに夜景やイルミネーションを見に行く時に聴きたい曲。

パーティーのBGMとしてのクリスマスソング

『Tunnel Light』 Predawn

アコースティックギターの音色と素朴な歌声が魅力的なこの曲は、お家で聴くのがおすすめ。せっかくのクリスマス!と気合を入れた豪勢なパーティーもいいけれど、親しい人達だけをお家に招いて肩肘張らないクリスマスパーティーをひらくのはいかがでしょうか。

ちょっとだけ特別な美味しいご飯を作ってお酒を持ち寄り、楽しくおしゃべりする。そんなゆったりとしたあたたかいクリスマスパーティーのBGMにぴったりの曲です。

『1999』 羊文学

軽やかなメロディーとエモーショナルな歌声。思い出の中のあたたかで切ないクリスマスの記憶が呼び起こされるような不思議な曲です。クリスマスディナーを食べ終えたら、コーヒーやブランデー入りの紅茶などのあたたかい飲み物を用意しておしゃべりを楽しんで。親しい間柄の人達でも、今まで聞いたことのない人生のエピソードがあるかも。

冬の日のきらめきを閉じ込めたような美しい映像のMVは、パソコンやタブレットで映せばパーティーをより華やかに彩ってくれることでしょう。

『snow』 Serph

雪の降る都会の街中を歩いているような情景が浮かぶインストゥルメンタル。『snow』というタイトルなのに、何故だかあたたかみを感じる楽曲です。パーティーでの会話を邪魔せず、くつろげる雰囲気にしたいならこの曲がおすすめ。

クリスマスの醍醐味はやっぱりプレゼント。予算を決めてささやかなクリスマスプレゼントを贈りあう「プレゼント交換」をパーティーに組み込んでみても楽しいかもしれません。

一人のクリスマスだからこそ特別に

『Souls (feat. Jamie Blake)』 the HIATUS

Aメロでの歌の掛け合いが耳に心地よく、使われている音色も冬の夜のように澄んだ美しい楽曲です。一人で過ごすクリスマスをさみしいものと決めつけては勿体ない! 一人でいることのできる大切な時間だからこそ、テレビを消してスマホもオフにしてみませんか? 美味しいご飯を食べたり、あたたかい飲み物を飲んだり、ゆっくりとお風呂に入るのもいいかもしれません。

美しい曲を聴いて、自分が何に幸せを感じるか、何を大切にしたくて何が許せなくて、どういう時間を過ごしたいか、普段じっくり考えられないことを考えて自分と向き合ってみましょう。この時にネガティブなことを考えてしまうのはNGです。せっかくのクリスマス、不安は手放して自分のためだけに時間を使ってみるのはいかがでしょうか。

『衣替え feat. BONNIE PINK』 tofubeats

可愛らしくあたたかみのある音づかいが印象的な、トラックの上でBONNIE PINKがのびやかに歌う曲です。一人のクリスマスをお家でゆったり過ごすのも良いですが、とびきりのお洒落をして出かけるのも素敵。誰のためでもなく自分のためにメイクをして、服を選んで、お気に入りの靴を玄関に揃える。いつもとは違うヘアアレンジをしても気分が変わるのでおすすめです。

服を丁寧に美しく畳む様子が印象的なMVも必見。ものを大切にすることは、自分のことを大切にすることなのかもしれません。

『夜を使いはたして feat. PUNPEE』 STUTS

夜明けまでどこまでも足取り軽く歩いて行けそうな気になってしまう、そんなかろやかな歌。忙しくてクリスマスどころじゃない!という方には、夜、移動中の電車やタクシーの中でこの曲を聴くのがおすすめです。どうしてかわからないけれど、気合いをいれているわけではないのに「また頑張ろう」と明るい気持ちになれます。

この曲のMVは、PUNPEEが過去と未来にタイムスリップして東京の夜を過ごす様子がコミカルに描かれ、現在の「この時間」の大切さを表現しています。過去も未来も大切だけれど、私たちが生きているのは今ここ。今ここにある夜を、素敵にしませんか。


大人だとか子供だとか関係なく、誰にだってクリスマスは平等に訪れます。あなたの「特別」になることができそうな音楽はありましたか?

大切な人と過ごしたり、友達と集まってわいわいしたり、もちろんひとりでも! せっかくだから素敵な音楽をかけてとびきりのクリスマスにしてしまいましょう。

(文・望月柚花)