【PUSH!! by TuneCore Japan #3】mekakushe(シンガー) / Kingo(ラッパー)|2023年12月の最旬インディペンデントアーティスト

望月 柚花

望月 柚花

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大手レーベルや事務所に所属せずに音楽活動をおこなう「インディペンデント(独立)アーティスト」を対象に、楽曲配信や活動サポートなどのサービスを提供しているTuneCore Japan。

ジャンル問わずさまざまなアーティストのパートナーとして伴走するTuneCore Japanが、いま最もプッシュしたいのはどのインディペンデントアーティストなのか。

この連載では、TuneCore Japanが選ぶ最旬アーティスト数組の中から、ヂラフライターがグッとくるアーティストを毎回2組ずつ厳選してご紹介。

第3回は、花王『ロリエ』Web CMへの楽曲起用実績もある新世代シンガーソングライター【mekakushe】、フジロック出演やテレビアニメ劇中歌への参加など活躍の場を広げるバイリンガルラッパー【Kingo】にフィーチャーする。


mekakushe

何もない日々に目を凝らして

人は「切実さを感じる何か」に惹かれる傾向がある気がしている。

勝敗の世界で生きるスポーツ選手や、想いを持って歌うアーティスト、誰かや何かのために奮闘する漫画や映画の中の登場人物たち。きっと挙げたらキリがないだろう。

そして一般市民である私たちもまた、毎日を切実に生きている。たぶん気づいていないだけで。

mekakushe(メカクシー)は、歌唱だけでなく、作詞から作曲、ピアノ演奏まで楽曲制作のほとんどを自らの手で作り上げる新世代のシンガーソングライター。

楽曲「泣いてしまう」は、3rd EP『はためき』に収録されている1曲だ。いくつもの音が美しく重なって、そこにどこか懐かしさを感じる歌声が乗る。楽曲全体の構成美はもちろん、生きることへの懸命さがあふれる歌詞にぐっと胸を掴まれる。

同じように続く日々の中に何かを見出そうと目を凝らして、自分がここにいる意味と、この世界に放り込まれた理由を探している。永遠に思える一瞬を分かち合える存在を探している。

シンプルな歌詞がここまで沁みいるのは、きっとこの曲の中にも「切実さ」があるからだ。

『泣いてしまう』
mekakushe
youtube動画
手を繋ぐだけで救われることがある

水とかタンパク質とか、だいたい同じ素材でできているはずなのに、人間はそれぞれが違いすぎて何も分かり合えない。苦しさも悲しみも、誰かや何かを好きだという気持ちも、きっと死ぬまで誰とも共有できない。

でも、差し伸べられた手のあたたかさや、繋いだ手のぬくもりに救われることは間違いなくある。

mekakusheの音楽に多くの人が心を掴まれるのは、そこに込められているのが激励ではなく、背中を押してくれる言葉でもなく、ただあたたかい生きている人のぬくもりだからだ。

あなたが幸せでも不幸せでも、隣にいる。ただそれだけがこんなにも心強いものだということを、私は彼女の音楽聴いて初めて知った。

INFORMATION
PROFILE

mekakushe

作詞、作曲、歌唱、ピアノ演奏を自ら手がけアーティストやクリエイターから絶大な人気を誇る次世代シンガーソングライター・mekakushe。

3歳からクラシックピアノをはじめ、次第にポップスに傾倒。 自主制作楽曲が花王ロリエCMに起用、Spotify公式プレイリスト〈キラキラポップジャパン〉のトップアーティストを飾り累計300万回再生を達成するなど、これからの活躍が期待される新進気鋭のアーティスト。音源ではエレクトロニカを基盤に、ライブではクラシカルなソロやバンドセットなど、その音楽性は拡張し続けている。

RELEASE

2023年11月、バンダイナムコミュージックライブ内にプライベートレーベル「akogare records」を設立。
11月27日に同レーベルから5ヶ月連続リリースの第1弾『片想いマグネット』、12月20日に第2弾『恋の未明』を配信。

『片想いマグネット』
配信 / ダウンロード

『恋の未明』
配信 / ダウンロード

音楽配信サービスでmekakusheを聴く

Kingo

鮮やかな色で描き上げる

グラフィティ(Graffiti)とは、高架下の壁など公共の場にゲリラ的に描かれる絵のことで、ストリートアートとも呼ばれる。

ほとんどのグラフィティは所有者に許可を得ていないため違法ではあるのだが、鮮やかなスプレーでのびのびと描かれた「それ」を見ると、不思議とぐっと熱いものが込み上げる。

Kingo(キンゴ)は日本生まれでありつつ、カンボジアやアメリカなどの国際的なバックボーンを持ち、日英2言語を操るバイリンガルラッパーだ。

Kingoのラップには都会的でクールな要素が溢れているだけではなく、しなやかな強さと意志の強さ、伸びやかな軽快さがある。

それは、真夜中にひっそりと何もない壁に向かい、鮮やかな色を沢山使って描き上げるグラフィティに似ている気がする。

楽曲『Don’t Mean Much』は、R&B、ファンク、エレクトロニックなど、様々なジャンルを取り入れたミクスチャーな音楽性で注目を集めるシンガー・DinoJr.とのダブルネームシングル。

冷静さの中にある熱があふれ出すような印象を受けるが、それでいて泥臭くなく、洗練された軽やかさがある。

『Don’t Mean Much』
Kingo, DinoJr.
youtube動画
自由に、軽やかに、どこまでも

洗練されたものは、誰でも簡単に生み出せるものではない。バランスをとること、コントロールすること、客観的に見ること、そういう数々の冷静な能力が欠かせない。

Kingoの作る音楽の世界は、洗練さとのびやかさが共存している。客観視してコントロールしているのに、自由でのびのびとしている。そこに巧みさと抗えない魅力を感じた。

誰かが勝手に引いた境界線も、軽やかに超えていく。
どこにいても鮮やかに自分の色で何かを描き、新しいものを生み出せる。

ずっと「どこにも居場所がない」と思っていた。でも、彼の音楽を聴いていたらあることに気づいた。「どこにも居場所がない」は、裏を返すと「どこへ行ってもいい」ということとまるきり同じなのだった。さらに言えば、「どこへでも行ける」ということとも同じなのだった。

人を熱く、もっと自由にさせる。
Kingoの音楽にはそんな力が潜んでいると感じた。

INFORMATION
PROFILE

Kingo

Kingo(キンゴ)は東京を中心に活動するラッパー、Hip-Hop/Soulアーティスト。英語でのラップに加えて、日本語での歌唱やトラックのプロデュースなども行う24歳。日本生まれでありながら、戦後のカンボジアとアメリカ合衆国を転々とした経験から国際的なストーリーを有している。また、ケンドリック・ラマーやファンカデリックなど様々なジャンルのアーティストに影響を受けた類まれなる表現を持つ。

活動を開始してすぐ、バンドスタイルで行った路上ライブのTwitter動画が10万回再生を超えるなど大きな反響を得る。そうしたライブパフォーマンスが評価され、3,800組が参加したオーディションを勝ち抜いて、「FUJI ROCK FESTIVAL 2023」にROOKIE A GO-GOステージにて初出演を果たした。

このほか、イラストレーターのJUN INAGAWAが原案を手がけたテレビアニメ『魔法少女マジカルデストロイヤーズ』にて、劇中の挿入歌にラッパーとして参加するなど、幅広い活躍を見せている。

2023年12月に自身初のEP『Bandages』をリリースした。

音楽配信サービスでKingoを聴く

(文・望月柚花)


TuneCore Japan

自分で作った楽曲を、利用者であれば、『誰でも』世界中(185ヶ国以上)で55以上の配信ストア・プラットフォームへ配信できる、米音楽配信ディストリビューションサービス『TuneCore』の日本版。2012年10月より、日本でのサービスを開始しており、アーティストへの還元総額は393億円を突破。「あなたの音楽でセカイを紡ぐ」のビジョンのもとアーティストをサポートし、音楽の素晴らしさを世界中に広めるため、積極的にサービスを展開しています。