【COCOBAT / Shibuya Cyclone】ココバット、渋谷サイクロンで今年初の有観客ライブを実施

五辺 宏明

五辺 宏明

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2021年3月13日、渋谷Cycloneで開催された『keep on rollin’』というイベントに、COCOBATが出演。彼等にとって今年の1月に発令された二度目の緊急事態宣言以降、初となる有観客ライブであった。

COCOBATサウンドの要となるザクザクしたギターを奏でるSEIKIこと松澤世紀は、渋谷Cyclone店長という顔を持つ。イベント当日、自身のライブと店舗運営で多忙を極める松澤店長に、少しだけ話を聞くことができた。コロナ禍におけるCycloneの現状や、推薦バンドについて語っていただいたので、そちらもご覧いただきたい。

cover photo by YOU MASUDA


ラウドミュージック・シーンの重鎮、COCOBAT

1991年に結成されたCOCOBATのライブを初めて観たのは、同年11月。若手スラッシュメタルバンドが多数出演した『METALIZATION ’91 NEO MILITIA』というイベントのトリ前に登場したCOCOBATは、メタルでもハードコアでもなく、当時海外で流行り始めたミクスチャーロックとも異なる独自のサウンドを、爆音で鳴り響かせていた。

翌年(1992年)、インディーズレーベルから1stアルバム『COCOBAT CRUNCH』を発表。英『KERRANG!』誌から「PANTERAへの日本からの返答」と絶賛された本作は、洋楽リスナーからも注目を集めた。METALLICAやMISFITS、GASTUNK等のアートワークを手掛けたPusheadによるデビルマンのジャケットも話題に。

1993年、2ndアルバム『STRUGGLE OF APHRODITE』でメジャーデビューを果たしたCOCOBATの人気はうなぎ登りで、ライブも軒並みソールドアウト。国内のシーンを牽引する存在となる。

幾度かのメンバーチェンジを経ながら1995年に3rdアルバム『POSI-TRACTION』、1996年には名盤の誉れ高い4thアルバム『RETURN OF GRASSHOPPER』をリリース。

90年代パンク/ハードコア・シーンを語る上で欠かすことのできないロックフェス『AIR JAM』にも出演(’97、’98、2000)。Hi-STANDARDやBRAHMAN等と共に一大ムーブメントを巻き起こした。

ミニアルバム『TSUKIOOKAMI』(1998年)のタイトル曲は、総合格闘技団体「修斗」のカリスマ、佐藤ルミナのテーマ曲に起用され、同作のトップを飾る「Bobo」の再録版を収録した『I versus I』(1999年)は、COCOBAT史上最大のヒットを記録。

その後も『GHOST TREE GIANT』(2001年)、『FIRE ANT MOVING CO.』(2004年)、『SEARCHING FOR CHANGE』(2009年)を発表。2020年10月には、全アルバムがサブスク解禁された。

現在のメンバーは、HIDEKI(vo)、SEIKI(g)、TAKE-SHIT(b)、KIMU(ds)。

世代を超えたメタル/ハードコアバンドが集結
shibuya cyclone presents keep on rollin’

関東地方に春の嵐が吹き荒れた3月13日。激しい雷雨の影響により交通機関にも乱れが生じたようだが、開場の1時間ほど前には雨も弱まり、一度も傘をさすことなく渋谷に到着。幸先の良さを感じながらCycloneへ。

スタッフから手渡された質問票に氏名と連絡先を記入しているところに、COCOBATのSEIKIが出現。Cycloneの店長でもあるSEIKIは、出演者でありながら開演に向けて奔走していた。

受付で検温と手指の消毒を済ませてから入場し、ドリンクチケットと交換したビールを流し込んだだけで、幸せな気分に。昨年、一度目の緊急事態宣言が発令された頃は、「もう二度とライブを観ることができないのでは?」と思っていた。この日の出演バンドはEND ALL、COCOBAT、IN FOR THE KILL、JURASSIC JADE。世代を超えたメタル/ハードコア系のバンドが集結した。

photo by YOU MASUDA

声を上げることができない観客達を見事にコントロールして盛り上げたトップのEND ALLに続いて、COCOBATのSEIKI、TAKE-SHIT、KIMUが登場。

1曲目は3人の楽器隊によるインストの新曲。ヴォーカル無し、かつ約15分の長尺曲にもかかわらず、緊張感は途切れず。聴衆は皆、固唾を呑んでステージを見つめていた。

思えば、現時点での最新作となる『SEARCHING FOR CHANGE』のラストを飾るタイトル曲も10分超えのインストだった。いつの日か、2009年以来となる彼等のフルアルバムが制作された暁には、まだタイトルの無いこの新曲が収録されることを切に願う。

続いた2曲目もインストの新曲。こちらは疾走感あふれるファストチューンで、こんなご時世でなければステージダイブやモッシュが巻き起こったであろう。

photo by YOU MASUDA

そして遂に現れたHIDEKIの両脇には松葉杖が…。だが、ステージ中央に歩み寄り、片方の松葉杖をマイクに持ち替えたHIDEKIの第一声は、負傷していることを感じさせない。長きにわたってCOCOBATのフロントに立つ彼の力強いヴォーカルに耳を奪われた。

ラストは『GHOST TREE GIANT』に収録された人気曲「Spaghetti」。歓声が飛び交うわけでもないのに、観客達の興奮が伝わってくる。続けざまに2曲歌い、「ありがとうございました」と言って一礼したHIDEKIに温かい拍手が送られた。

COCOBAT
2021年3月13日 @渋谷Cyclone

1. new (long inst)
2. new (inst)
3. Discipline
4. Spaghetti

photo by YOU MASUDA

松澤世紀(COCOBAT / 渋谷Cyclone店長)
インタビュー

photo by  Hiroaki Gobe

——コロナ以降、スケジュールを組むのも大変ですよね。

松澤: はい。休業要請が出たら、ウチは振替で対応してます。20時までだとイベントがやりにくいから平日はあまりやらずに、土日祝日に集中して。

——厳しいですね…。

松澤: 何らかの形で対策しないと。お上のお達しに沿いながら、みんなが満足いくようなことをやろうと思って。キャパ50%以内でガイドラインを守りながら、やれるイベントをやってます。

——ブッキングするのは当然ながら集客を見込める人気バンドばかりではありませんよね? キャリアの浅いバンドも出演するでしょうし。

松澤: そうですね。でも、若いバンドも普通にやるし、お客さんも来てくれるので。

——今日もEND ALLが会場を盛り上げていましたけど、若い世代のバンドやお客さんが集まってくるのは良いですね。お勧めのバンドをいくつか教えていただけますか?

松澤: たくさんいますよ。歌ものロックだとCENTRAL DOGMA。若いんだけど歌詞がカッコよくて。最近はあまりライブをやってないんですけど。

ラウド/メタルコアだとPALEDUSK。20代前半だけど海外のバンドと対等にやっていて。激しいバンドだと一番凄い。オリジナリティーもあるし、めちゃくちゃカッコいいですよ。

あと、オルタナティブなロックだと、吉田一郎不可触世界バンド編成(仮)。マジで素晴らしい演奏と楽曲。ZAZEN BOYSでベースを弾いてたイチローソロのバンド編成なんだけど。この前、Cycloneで初ライブをやって。the band apartとツーマンで。

——Cycloneには、そういったチャート入りするようなバンドも出演しますよね。

松澤: 無名なバンドも出るし、有名なバンドも出るような感じの、丁度よい存在でありたい。

——最後にバンドマンとして一言いただけますか?

松澤: もっとライブをやりたいなぁ、って感じです(笑)。

photo by YOU MASUDA

(ライブ撮影・増田勇一)
(取材/文/撮影・五辺宏明)