布袋寅泰、LACCO TOWER、back number、BUCK-TICK、BOØWY、Ivy to Fraudulent Gameなど、数々のアーティスト・バンドを生んだ群馬県は、山人音楽祭やI ROCKS、New Acoustic Campなどのフェスや音楽イベントも多く開催されている。
今回はそんな群馬の市町村や群馬の音楽イベントなどを、「音楽を楽しむ」という視点からナビゲートしたい。
音楽のある街、群馬県高崎市
「音楽のある街」のキャッチコピーを掲げ、音楽活動を推進しているのが群馬県高崎市だ。
街中ではいたるところで誰かが歌ったり演奏したりしていて、JR高崎駅の連絡通路には「station stage」という名前のスペースがあり、誰でも路上ライブができる場所として提供されている。
筆者も高崎市出身だが、やはり地元の友人には音楽が好きで自分も演奏したり歌ったりできる人が多い。彼・彼女たちは、日常的に路上ライブをしたり、音楽イベントを企画したり、音楽イベントに参加したりしていて、ライブハウスも当たり前に行く。生活に音楽が根付いているのだと思う。
高崎市の音楽界隈は「誰だって音を鳴らしていいし、誰だって歌っていい」という空気が流れていて、年齢や音楽活動に対するスタンスに関係なく音楽を愛している人たちはみんな音楽を楽しんでいる。
群馬県出身のアーティスト・バンド
布袋寅泰
(ほていともやす)
「群馬県高崎市出身のアーティスト」でまず最初に挙げられる、高崎市の誇る有名アーティスト。2016年に高崎のもてなし広場で行われた布袋寅泰のフリーライブには、会場に入りきらないほど観客が押し寄せ、その数なんと2万5千人ほど。
同年には、布袋寅泰のアーティスト活動35周年を記念してJR高崎駅西口のローソンの店内の装飾が布袋寅泰仕様になり、そちらにも多くのファンが訪れた。
back number
(バックナンバー)
2004年結成のスリーピースバンド。現在のメンバー全員が群馬県出身。
FMぐんま主催「ROCKERS2007」では、100組以上のバンドの中から準BestROCKERSを受賞。2011年にメジャーデビューし、その後はドラマ・映画・CMソングに引っ張りだこ。
Ivy to Fraudulent Game
(アイヴィー・トゥ・フロウジュレント・ ゲーム)
FMぐんま主催「ROCKERS2012」にてBestROCKERS受賞をした群馬出身の4人組バンド。2013年、閃光ライオットのファイナルに出場。
2017年にメジャーデビュー・ワンマンツアーを行い、2018年には「COUNTDOWN JAPAN」への初出場を果たす。
群馬県出身アーティストの聖地巡礼
伊勢崎市にある製菓店・柏屋製菓ではLACCO TOWERにちなんだお菓子が販売されている。柏屋製菓は群馬県出身のメンバーを含む人気バンドLACCO TOWERのキーボード・真一ジェットの両親が経営しており、ファンが多く訪れる聖地となっている。
一度LACCO TOWERの焼印が入ったどら焼きを目当てに訪れたことがあるが、ご主人と奥様はとても気さくで優しく、店内にはLACCO TOWERのポスターがたくさん貼ってあったり、ファンが自由にメッセージを書けるスケッチブックがあったりと、あたたかく穏やかな聖地だった。
群馬県で開催のおすすめのフェス・音楽イベント
県内でのフェスや音楽イベントは意外と多い。特に有名なのは山人音楽祭、I ROCKS、New Acoustic Campだ。
山人音楽祭
2016年に改名するまでは「GUNMA ROCK FESTIVAL」として開催されていた、G-FREAK FACTORY主催の群馬の一大フェス・山人音楽祭。
ヤマダグリーンドーム前橋にて行われ、2018年からは2日間開催になった。群馬で行われる音楽イベントとしては一番規模が大きく、出演するアーティストも多い。
I ROCKS
「僕らはロックでできている」をテーマとして掲げるLACCO TOWER主催のフェス。
2019年のI ROCKS初日は主催のLACCO TOWERとSUPER BEAVERのツーマンライブ、2日目はゆったり楽しめるアコースティックセット、3日目は総勢13組によるライブ、最終日は豪華な出演アーティストたちがフィナーレを飾り、合計4日間群馬音楽センターにて開催された。
New Acoustic Camp
2019年で開催10周年のNew Acoustic Campは、「わらう、うたう、たべる、ねっころがる。~New Acoustic Campの山と音の遊び方~」というキャッチコピーを掲げるキャンプイベント。BARHMANメンバーらが参加するアコースティックバンド・OAUがオーガナイザー。
2019年は群馬県利根郡みなかみ町にて、前夜祭・day1・day2と3日間にわたって開催された。ライブの他にワークショップやレクリエーションなども行われている。
番外:おすすめのスポット「メロディーライン」
音楽に関係があるのか微妙な、でも面白い群馬県のスポットをひとつ紹介する。それが「メロディーライン」だ。
メロディーラインとは道路を一定の速度で走ると走行音がメロディーを奏でるように作られた道路のことで、中之条町の国道353号では「いつも何度でも」、高崎市の主要地方道渋川松井田線を榛名湖方面に向かうと「静かな湖畔」など、場所によってメロディーが違う。
群馬県内に10箇所あるので、車で訪れる人にはぜひ通ることをおすすめしたい。
群馬県は華やかな観光地などはない土地だが、これを読んで興味を持ってもらえたら幸いである。
(文・望月柚花)