お湯を注いでたった3分で至福の世界へと誘ってくれるカップラーメン。その3分を少しでも有意義に待つために、タイマー代わりなる楽曲を曲のイメージに合った味のラーメンも織り交ぜながら5曲ご紹介!
味覚で楽しむついでに、聴覚でも味わう音楽の世界。是非ご堪能ください。
スタイリッシュな塩ラーメン
『能動的三分間』
東京事変
演奏時間3分と聞いてパッと思いつく名曲といえばこちら。東京事変の『能動的三分間』です。
「“ポップスのヒットチューンは3分”という黄金律で東京事変が曲を作ればこんなに格好よくなり、しかも売れる」というコンセプトのもと、「BPM=120というテンポなら1小節2秒×90小節演奏するとちょうど3分間になる」という計算で作られたこの曲はキッチリ3分で演奏が終了します。
3分という短い時間の中でしっかりとした紆余曲折を織り交ぜてスタイリッシュに仕上げられており、東京事変の高いセンスを感じることができる1曲。心地よいリズムで自然と身体が揺れるような感覚は、何度聴いても飽きることがありません。
メンバーがムーンウォークを披露しているミュージックビデオも話題となりました。お湯を注いで、一緒にムーンウォークをしてみてはいかがでしょうか? 味としては、澄んだスープの中にしっかりした塩分を含んだ塩ラーメンのイメージです。
とんこつラーメンのこってりさと切れ味
『絶対的三分間』
そこに鳴る
こちらもキッチリ3分の楽曲。東京事変の『能動的三分間』とは異なり、速いテンポにジャキジャキしたソリッドなギターサウンドが特徴的な、そこに鳴るの『絶対的三分間』です。
ツーバスがボトムを支え、強烈なグルーヴを生み出すうねったベースラインの上でテクニカルなギターが鳴り響きます。男女ふたりによるツインボーカルが聴かせる美しいハーモニーとメロディは一度聴いたらやみつき必至。複雑なリズム打ちや印象的なブレイクなど、メリハリの効いた構成を散りばめられた濃密な3分間はさすが、『そこに鳴る』といったところ。
この曲を聴いていれば、お湯を注いでから食べるまでの間は一瞬で過ぎ去ってしまうこと間違いなしです。どっしりしたボトムのヘヴィーサウンドは、とんこつラーメンとの相性が良いでしょう!
ピリッと刺激の強い激辛ラーメン
『fiction』
04 Limited Sazabys
こちらの演奏時間はやや短い2分55秒ですが、蓋を開けてお箸を用意していればもう3分…ということでピックアップしてみた一曲。テレビアニメ『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ「サザビー」をイメージしてつけられたバンド名を持つ、04 Limited Sazabysの『fiction』です。
4つ打ちに2ビートでまくし立てる、攻撃的で駆け抜けるような04 Limited Sazabysの勢いを詰め込んだこの曲は、ライブでも盛り上がることは必至! あっさり味より、激辛系ラーメンを待つときなどにいかがでしょうか?
癖になるあっさりシーフード
『Telepath Telepath』
PELICAN FANCLUB
この曲はさらに短い2分50秒。とはいえ、ミュージックビデオの再生時間が3分2秒で、ある意味ちょうどいい時間になるのでご紹介します。
透明感のあるスリーピースバンド・PELICAN FANCLUBの『Telepath Telepath』。メジャーデビューミニアルバム『Boys just want to be culture』に収録された1曲です。
軽く歪んだギターバッキングから始まるこの曲は、ボーカル/エンドウアンリの若干しゃがれた声と、重なる不思議なコーラスワークが絡み合いながら曲が展開していきます。聴けば聴くほど癖になる不思議な魅力を持ったこの曲は、シーフード味のラーメンを彷彿とさせます。
変化球のサンラータンラーメン
『アブノーマルが足りない』
アルカラ
この曲の演奏時間も2分55秒。神戸で結成されたロックバンド・アルカラの『アブノーマルが足りない』です。幼稚園で収録されたかなりカオスなミュージックビデオの再生時間は3分8秒ですので、この動画を再生してからお湯を注げばちょうど良い感じの時間となることでしょう。
当たり前に過ぎていく代わり映えしない日常に警鐘を鳴らし、自分の中にあるアブノーマルな部分をさらけ出して自分らしく生きようぜ!という強いメッセージソングになっています。
そんな想いをサイケデリックなギターサウンドと跳ねるようなリズムに乗せて届けてくれるこの曲は、変化球な味のラーメン。例えばサンラータン味のようなラーメンにぴったりです。
カップラーメンの出来上がりを待つちょっとした時間にも、音楽は寄り添える
たかが3分。されど3分。そんな限られた時間の中に様々なメッセージを詰め込んだ楽曲をご紹介してみました。
カップラーメンにお湯を注いで食べるというただそれだけのことですが、その待ち時間を測るためにタイマーではなく音楽を流す。生活の中にあるこんな些細な時間にですら、音楽は寄り添ってくれます。
わざわざCDをコンポに入れて再生するなんてことをしなくてもよくなった昨今。動画でもアプリでも、手元に曲がなくてもCDを持っていなくてもスマホでサクっと探して再生できるのです。あまり難しく考えず、ふと思い立った時に好きな音楽を流してみてはいかがでしょうか?
カップラーメンを待つだけでなく、洗濯を干すとき、洗い物をするとき、コーヒーを飲むときなどなど…。音楽はあなたの生活に花を添え、広がりを与えてくれることでしょう!
(文・倉田航仁郎)