【cadodeインタビュー】New Single『かたばみ』6/30リリース! 生きることの不完全さと、そこにしかない純粋な美しさ

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cadodeは「誰かの生きづらさを熱量に変える」音楽ユニット。2022年4月27日リリースのメジャーデビューシングル『回夏』はTVアニメ『サマータイムレンダ』の1st EDテーマとして起用され、5月19日には初のワンマンライブ「独演回夏迄」を開催。2022年11月と12月には初の東阪ツアーの開催を予定するなど、めざましい活躍をみせている。

そんな彼らが2022年6月30日にリリースしたのが新曲『かたばみ』だ。リリース当日には渋谷のSpotify O-nestにてトークイベント「出張SOS 会夏」を開催し、そのイベントの中では、映像ディレクターの吉田ハレラマ氏が監督をつとめた『かたばみ』のMVを、会場とYouTube生配信で同時公開した。

映画『味噌カレー牛乳ラーメンってめぇ〜の?』の主題歌にもなっている本楽曲は、フラットでありつつ情感豊かで、生きていくことの不完全さと、純粋な美しさを表現している。

今回は『回夏』後から新曲『かたばみ』のリリースについて、cadodeのメンバーに話を聞いた。


cadodeが『回夏』後に見つめる「これから」
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——まずは最近のお話から伺いたいと思います。TVアニメ『サマータイムレンダ』の1st EDテーマに起用されたメジャーデビューシングル『回夏』ですが、リリース後、リスナーの反響はいかがでしたか?

koshi(Vocal): 多くの方から沢山の反応やメッセージをいただきました。本当にそのひとつひとつがありがたくて嬉しかったですし、『サマータイムレンダ』という作品に関わることができて、心から良かったと感じています。

——イベントやメディア出演の機会もかなり増えていますよね。メディア出演時など、いつもkoshiさんはkoshiさんそのものだなと感じますが、意識していたり大切にしていることはありますか?

koshi: そうですね、ありがたいことにメディア出演などかなり沢山の機会をいただいています。私自身、どんな場所でも苦痛なく何かの話はできるタイプではあるのですが、意識しているのは「自然体でいる」ことです。キャラクターを作ってもいつか剥がれるし、しんどくなるので、無理をしないように自然にやっていけたらと思っています。

——cadodeの活動に対する現在の心情はどのような感じでしょうか。

koshi: 心情としては「これから何をしようか」ですね。良い曲を良い機会にリリースできたので、今はとにかく前を向いています!

作詞の苦労から音のこだわり、高所でのMV撮影まで!
『かたばみ』制作秘話
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——今年4月に公開された映画『味噌カレー牛乳ラーメンってめぇ〜の?』の主題歌となっている楽曲『かたばみ』ですが、どんなところから楽曲の制作が始まっていったのでしょうか。

koshi: この映画は、小説投稿サイト「monogatary.com」のオーディションで選ばれた作品が原作になっていて、最初は「monogatary.com」関係者の方からこのお話をいただきました。cadodeにとって初めての書き下ろしということで「ぜひやらせてください!」とお受けしました。

——作詞でこだわったところや苦労したところなどはありますか?

koshi: 実は『かたばみ』は、今までで一番作詞に苦労した楽曲でした。レコーディング当日まで自分の中で納得がいかなくて、歌いながら完成した感じです。

あの時は、cadodeとしてはもちろんですが、私個人としても、どういう表現に向かっていきたいのか、どういう表現に向かっていくべきなのかを色々考えていた時期でした。その葛藤と初の書き下ろし曲をどうやって落とし込むか、ということになかなか結論が出なかったんです。でも、最終的にはcadodeと『味噌カレー牛乳ラーメンってめぇ〜の?』の世界観の両方を象徴できるような良い楽曲ができたと思いました。

——ebaさんには『かたばみ』の曲作りでこだわった技術的なポイントも教えていただきたいです。

eba(Music Producer): わかりやすいところでいうと、音のパンニング(音の位置)で色々遊んでみたりしています。あとは主となる歌メロ以外のボイスをいかに印象的に聴かせるか、ということにもこだわりました。ボイスの出てき方や、タイミングなどですね。全体的な編曲の方向としては、複雑すぎず、シンプルすぎずというところを目指しました。

——楽曲制作中で印象に残っているエピソードはありますか?

eba: 映画の制作途中の映像を観せていただいたのですが、劇伴などが入っていない編集前の段階だったため、映画に出演されているハリウッドザコシショウさんが無音の中、ひたすらタイガーステップしているという最高の画を見ることができました(笑)。

——それはレアですね…(笑)。映像ディレクター・吉田ハレラマさんが監督をつとめた『かたばみ』のMVでは、ビルの屋上で踊るkoshiさんにある種の神々しさを感じたことと、透き通るような哀しさの気配が印象的でした。MVの制作秘話についてもぜひお聞きしたいです。

koshi: MVでは「世界をどこかから見下ろしている神のような存在」という構図に見えつつ「いかに私であるか」という塩梅にこだわりました。その塩梅は衣装にも通じています。あと屋上のさらに頂上で撮影したシーンで、撮影時に踊っている時は楽しかったのですが、完成した映像を見ると結構ハラハラするのでびっくりしました(笑)。

とにかくロケーションが良くて、ドローンを使用しての撮影もしました。撮影日はかなり風が強くて、映像が揺れてしまうためドローンによる長尺カットは使えませんでしたが、いい画が沢山あったので機会があればどこかで公開したいです!

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この世界で「生きること」とは
——楽曲『かたばみ』には「生きること」が描かれていると感じています。それは人によって様々だと思いますが、koshiさんにとって生きることとはどんなことでしょうか。

koshi: 『かたばみ』の制作を経て、「生きる」とは「明日を迎えること」だと感じました。明日を迎えることを諦めない、その恐れを乗り越えること。生きることのハードルは上げたり下げたりできるけれど、基本的な目標というものは、呼吸をして明日を迎えることだなと思うんです。それにどう価値があるかというのを、曲全体として描けた気がしています。

——cadodeの音楽には一貫して「聴く人がそこにいることができる場所」があると思っています。『かたばみ』にもそんな余白や余地があると感じました。

koshi: cadodeの曲というのは常にどこか小説的だから、そこに解釈の余地があるのだと思います。情景は具体的に浮かぶけれど、対象は自分や誰かに置き換えて共感できる、というような…。僕たちはcadodeを通して自分たちの「居場所」を作っていますし、それに共感してくれる皆さんとその「居場所」を共有したい。そんな気持ちでやっています。特に、『かたばみ』では、そういったことをちゃんと表現できたと感じていますね。

——タイトルにもなっている植物のカタバミは、3枚の葉が合わさってひとつの美しい形になっています。それを見たとき、koshiさん、ebaさん、谷原さんの3人でひとつになっているcadodeのようだと感じました。皆さんが互いに思っていることや、3人で思い描くcadodeのこれからについて教えてください。

koshi: 素敵な視点ですね! cadodeのこれからについては、「楽しいね」って言い合いながらずっと続けていきたいということに尽きます。青春の場なので。太くしながら、ちゃんと続けていきたいと思っています。

eba: それぞれが日々活動、生活していく中で、「ここがあれば大丈夫」というような拠点みたいな場所になるのが理想だなと思っています。

谷原亮(General Manager): 2人と同じくです! 続けていきつつ、大きくしていきたい。基盤はやっぱり「楽しく」ですね!

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(取材/文・望月柚花)


『かたばみ』Music Video
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