【ライブレポート】GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25th “HOTEL GLAY” THE SUITE ROOM 〜2019.11.16 大阪城ホール Day1〜

倉田 航仁郎

倉田 航仁郎

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2019年11月8日(金)の福井ドームを皮切りにスタートした、GLAYデビュー25周年を飾る大型アリーナツアーの2日目、大阪城ホール2Daysの初日の様子をレポートする。GLAY結成から数えると30年を超える歴史と、歩んできた紆余曲折の重みを感じることができた。感謝と今後の意気込みや熱量の詰まった、とても素敵なライブだった。


GLAYというバンド

GLAYは、筆者にとって「生まれて初めてバンドという存在を認識させてくれた存在」である。ジュエリーショップのCMで『Yes,Summerdays』を耳にし、聴き始めたラジオから『グロリアス』が流れ始めていたそんな時期。

リリースされたシングル『BELOVED』に衝撃を受け、GLAYという存在を初めて認識したと同時に生まれて初めて「かっこいい! もっとこの人たちの色々な曲が聴きたい!」と、3rdアルバム『BELOVED』を手に取ったのが13歳のころ。そこから現在に至るまで23年間、GLAYは筆者にとって音楽の原点であり、音楽人生において外すことができない大きな存在である。

そして今もなお、音楽を楽しみながら、見るものに安心感と夢を与え続ける彼らは、音楽業界にとどまらず多くの人に愛され、進化し続けている。これほどまでに敵を作らず、自分たちの音楽を追求し続けて来たバンドも珍しいのではないだろうか。

今回は、そんなGLAYの25周年記念ライブの様子をレポートする。

挑戦的なGLAYの姿勢が表れたライブ

最初に、2019年12月現在、このツアーの真っ最中であることから、この日のセットリスト以外のネタバレを防ぐため雰囲気のみを伝えていくことをご了承願いたい。

この日のライブは「GLAY ARENA TOUR 2019-2020 DEMOCRACY 25TH HOTEL GLAY THE SUITE ROOM」というツアータイトル通り、アルバム『NO DEMOCRACY』からの選曲が多いセットリストとなっている。

遊び心溢れる映像によるイントロダクションから流れるように『My name is DATURA』で幕を開けた大阪城ホール初日。

続くロックチューン『黒く塗れ!』『Flowers Gone』で会場のテンションを一気にヒートアップさせ、『愁いのPrisoner』で爽やかにクールダウンさせたかと思えば『everKrack』でオーディエンスを再び沸かせるという、緩急をつけたセットリストで様々な表情を魅せてくれる。

ここから『COLORS』をはじめとするバラードやミディアムナンバーが続き、聴かせるGLAYが会場を包み込んでいく。

筆者はこれまで何度もGLAYのライブに参戦しているのだが、今回のライブは演出でも様々な趣向が凝らされていたのが印象的だった。

例えば、SUBARUのCMにも起用され、サンプリングされたボーカルなど、楽曲的にこれまでのGLAYとは一線を画す『Into The Wild』では、近未来的なレーザー光線が多用され、楽曲の世界観を存分に表現していた。

また、HISASHI(Gt.)とJIRO(Ba.)のツインボーカルと、サポートドラムで5人目のGLAYと名高いTOSHI(Dr.)の3人だけで演奏されたロックナンバー『BLACK MONEY』。一方、TERU(Vo.)とTAKURO(Gt.)、このツアーから参加しているサポートキーボディストのハジメタル(Key.)の3人でアコーススティックアレンジされた『LET ME BE』。

このように、GLAYをスリーピースに分割して舞台に上がり、演奏することは稀である。その他様々な演出で、新しいGLAYの一面を存分に見せつけたライブとなった。

ミディアムナンバーで飾る優雅な夜

TAKURO(Gt.)がソロプロジェクトでJAZZのインストゥルメンタルの活動をしていることもあってか、随所にJAZZのエッセンスが散りばめられ、ムーディーなギターがアクセントなっていたことも印象的だった。

アンコール前のラストナンバー『反省ノ色ナシ』に続くブリッジ的なインスト曲『REIWADEMOCRACY』も、その影響を受けていると言える。

ライブ中のMCでJIRO(Ba.)が「今日は優雅な夜だね」と言っていた通り、ミディアムナンバーを中心に選定されたセットリストだったことから聴かせる曲が多く、『誘惑』のようなロックナンバーで暴れたかった人にとっては、暴れる曲が少なかったという点で少し物足りなかったのではないだろうか。

しかし、激しいロック一辺倒にならないのがGLAYの魅力のひとつであり、今回はGLAYが得意とするミディアムナンバーを中心に構成されていたことで、音楽的な振り幅の広さを存分に感じることができた。冬の夜によく合うGLAYの優しい楽曲は非常に心地よく、会場にいた全員を優雅な夜へと誘ってくれたのだった。

彼らはこのツアーを通してまたさらなる進化を遂げ、新しい音楽の楽しみ方を見つけることだろう。ファンとともに作り上げると公言し、7つの公約を掲げるGLAYの25周年。まだまだ続く記念Yearから、目が離せない。

(文・倉田航仁郎)


TODAY’S SET LIST

1.My name is DATURA
2.黒く塗れ!
3.Flowers Gone
4.愁いのPrisoner
5.everKrack
6.あゝ、無常
7.COLORS
8.元号
9.生きてく強さ
10.はじまりのうた
11.氷の翼
12.Into The Wild
13.AMERICAN INNOVATION
14.BLACK MONEY
15.LET ME BE
16.あなたといきてゆく
17.逢いたい気持ち
18.誘惑
19.Runaway Runaway
20.Bible
21.REIWADEMOCRACY
22.反省ノ色ナシ

<ENCORE>
23.HOWEVER
24.BEAUTIFUL DREAMER25.VERB


『NO DEMOCRACY』
GLAY

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