スラム奏法を行うときに、ギター選びはとても重要なポイントになります。なぜなら、ギターによって叩く音が大きく異なるからです。
そこで今回は、元スラム奏法ギタリストの筆者が、スラム奏法に適したギターの選び方から、おすすめのギターまで解説します。
「スラム奏法用のギターを買いたい」「今のアコギでは理想の音が出せない」と悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
スラム奏法に向いているギターのポイント
スラム奏法に適しているギターを選ぶ上で重要なポイントは、以下の3つです。
- 頑丈な木材を使用している
- 高価ではない
- ボディに厚みがある
アコギを長く使うためにも、良い音で叩くためにも、これら3つを意識してギターを選びましょう。筆者がなぜ、それぞれのポイントを重要視したのか、以下で解説します。
頑丈な木材を使用している
スラム奏法は、ギターを叩くため、使用されている木材が重要です。柔らかい木材だと、すぐに壊れてしまいます。
主に使われている木材で丈夫なものは、以下のとおりです。
- ブンヤ
- シトカ・スプルース
- イングルマン・スプルース
最も丈夫なのは「ブンヤ」と呼ばれる木材ですが、「シトカ・スプルース」の方が安価な上に丈夫です。そのため、シトカ・スプルースを使用している木材を選ぶと良いでしょう。
高価ではない
木材の丈夫さについて上記で解説しましたが、ハッキリ言ってしまえば、スラム奏法を続けているといつかギターは壊れます。どれほど丈夫な木材でも、叩くためにギターは作られていないからです。
そのため、あまりにも高価なギターをスラム奏法用に購入するのは、おすすめしません。筆者も、当時は「叩く用」と「弾く用」でギターを分けていたほどです。
とくに、初めてギターを買う人や、スラム奏法に慣れていない人は、できるだけ安いギターから始めると良いでしょう。
ボディに厚みがある
スラム奏法で、叩く音をハッキリ聴かせたいなら、ボディに厚みのあるギターを選びましょう。
エレアコのようなボディの薄いギターでは、叩く音が綺麗に響いてくれません。真ん中にホールがないようなエレアコも、スラム奏法には不向きです。
とにかく「叩く音」を意識して、音の響きやすいアコギを選んでください。
スラム奏法におすすめのギター
スラム奏法におすすめのギターを2つ紹介します。
- Taylor / 110ce ES2
- Cole Clark / CCAN1E-BM Angel 1
それぞれのギターの特徴を解説するので、ぜひ購入を検討してみてください。
ちなみに、昨今ではスラム奏法自体の知名度があがってきたので、楽器屋によっては「叩いてみて良いですか?」と言えば、試弾の時点で軽く叩かせてくれます(もちろん強く叩いてはダメです!)。
少しでも気になるようであれば、楽器屋で叩かせてもらってくださいね!
Taylor / 110ce ES2
スラム奏法ギタリストであれば、スラム奏法におすすめのギターとしてTaylorの名前を挙げる人は多いのではないでしょうか。Taylorのギターは、ボディヒットの音を自然に拾ってくれるので、スラム奏法にピッタリです。
なかでもおすすめなのが『110ce ES2』。トップ材にはスプルースが使われており、丈夫さもまったく問題ありません。
また、HIGH・LOWのツマミもついているので、自分の理想通りの音に近づけられます。操作自体は簡単なので、スラム奏法初心者にもおすすめです。
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Cole Clark / CCAN1E-BM Angel 1
スラム奏法ギタリストから、Taylorと同等の人気を誇るのが『Cole Clark』です。
サドル下、ボディ内部、コンデンサーマイクの3wayピックアップシステムを導入しているので、自然な音を出力できます。
比較的小ぶりな『Angel』シリーズと、大きめの『Fat Lady』シリーズがありますが、イチオシは『CCAN1E-BM Angel 1』。指先でボディをこする音まで綺麗に拾ってくれるので、様々な表現方法を試したい人におすすめです。
比較的高価なギターなので、スラム奏法中級~上級者におすすめ。
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【番外編】クラシックギター
スラム奏法をするなら、クラシックギターもおすすめです。スラム奏法ギタリストで有名な押尾コータロー、メキシコの男女ユニット・Rodrigo y Gabrielaなど、クラシックギターを使用しているアーティストも実際にいます。
クラシックギターに触れた経験のある人はわかると思いますが、クラシックギターはアコギに比べて大きく作られています。そのため、音が響きやすい特徴があるのです。
筆者も一時期はあえてクラシックギターを使っていた頃がありました。ただ、アコギと弦が違うので、人によっては弾きにくさを感じるかもしれません。
弦の違いにこだわらないのであれば、クラシックギターも試してみてください。
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スラム奏法はギターからこだわるべし
スラム奏法において、最も大事なのはギターと言っても過言ではありません。
どれだけ音作りが上手でも、スラム奏法のテクニックが上手でも、ギター自体が音の響きにくいものであれば、スラム奏法の良さは表現できません。理想通りの叩く音が表現できないと悩んでいるのであれば、今使っているアコギが、スラム奏法に合っていない可能性もあります。
スラム奏法を極めたい人は、ぜひ今回の記事を参考に、ギター選びをしてみてください。
とは言え、スラム奏法はギターを壊す可能性が高いので、無理して高いものは選ばないようにしましょう。
(文・名城政也)