【倉田流・初心者向けドラム講座2】自宅練習に必要な機材をそろえよう!

倉田 航仁郎

倉田 航仁郎

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第1回では、ゼロからの初心者が最初にするべきこととスティックの選び方について紹介した。第2回は、自宅で練習するために必要な機材とはどのようなものがあるかを紹介していく。なぜなら、スタジオに行って生ドラムを叩くのも必要だが、自宅でできる練習をすることも基礎力をあげることは必要だからだ。では、解説を始めよう。


必要機材1. ドラムに代わる練習台、練習パッド(トレーニングパッド)

ドラムは叩く楽器なので、叩く対象物が必要になってくる。ドラムセットやスネアドラムを自宅で叩くことは、音の問題で簡単ではないだろう。

そこで活躍するのがゴムでできた「練習パッド(トレーニングパッド)」である。丸い板状のものや、スタンド付きのものなど、さまざまな形や材質のものが発売されているが、筆者としてはスタンド付きの練習パッドをオススメする。

その理由は、高さを調整できるため実際のスネアの高さに合わせやすいということ。スタンドのないパッドだけの場合、机などに置いて叩くことになってしまう。これでは高さが固定されてしまい、正しいフォームで叩くことが難しくなってくるのだ。

また、パッドでの練習をオススメする理由としては、響きにごまかされることなく音のアラが目立ちやすいという点がある。生のスネアドラムを叩くと音が響いてしまって、多少リズムとズレて叩いていてもハマっているように聴こえてしまう。しかし練習パットなら響きもなにもないため、音のツブが鮮明に聴こえる。これによって、嫌というほどリズムとのズレや、音のアラが目立ってくるのだ。

以上の理由から、自宅での基礎練習は練習パッドを使うことがオススメなのである。欲を言えば練習用のバスドラムとハイハットがあったほうがより実践的と言えるものの、それなりに場所を取ることと、キックペダルに対する防音も考えないといけなくなるので今回は割愛した。

必要機材2. リズムトレーニングの要、メトロノーム

次に必要なもの。それがリズム練習に必要不可欠なメトロノームである。バンドにおけるリズムの要とも言えるドラマーにとって、絶対に欠かすことの出来ないものだ。

面倒だという理由でメトロノームを使用せずに練習する人も多いかもしれないが、その状態で長時間練習したとしても効果は薄いと言わざるを得ない。なぜなら、不安定なリズムが身体に染み付いてしまい、クセになってしまう。つまり安定したリズムが刻めない「リズム音痴」になる可能性があるためである。

リズムがズレたり、速くなったり遅くなったり……そんなドラマーのいるバンドがかっこいいと言えるだろうか?

しかも厄介なことにリズム音痴になってしまった場合は、ズレたリズムに対して一切の自覚がない状態となってしまうのだ。こうなってしまうと、メトロノームと一緒に叩いたところで合っているかどうかすら判断できなくなることもある。

そのような状態を避けるためにも、メトロノームに合わせて叩くという意識をしっかりと持って練習するようにしよう。

振り子が左右に振れるタイプ、電子音だけのタイプなど、さまざまなメトロノームが発売されているが、筆者としては手のひらサイズの電子音タイプをオススメする。これらはイヤフォンにつなげられ、叩いていてメトロノームの音が聴こえなくなることが少ないためだ。最近はスマホアプリでもメトロノームがダウンロードできるので、まずはそれらを試してみてもいいだろう。

必要機材3. 全身が映る鏡(姿見)

ここまではなんとなく想像できるアイテムだったかもしれないが、次に紹介するのはなんと「全身が映る鏡(姿見)」。幅が細いものではなく、できればそれなりに幅があり、自立するタイプを選ぼう。

これは自分の叩いているフォームをチェックするために必要となる。

スティックを振り上げる高さや軌道、腕の角度、手首の使いかたなど、自分が叩いている姿をつぶさに観察し、違和感を潰していこう。これによって、実際にドラムを叩いたときに重心がおかしくなったり、スティックを振りかぶりすぎて無駄な動きが多くなったりすることを減らすことができる。


地味ながらも、ドラムの基本を身体に教え込ませるためにしっかり準備を

厳密にいえば、メトロノームとスティックさえあれば練習パッドも姿見もなくていいかもしれない。しかし、これらはそこまで値の張るものでもないだろうから、ここは先行投資と考えて欲しい。

今回紹介したものがあるだけで練習の質はグッと上がるので、その上で基礎練習に励み、ドラムの基本を身体に教え込ませるようにしよう。

(文・倉田航仁郎)