第2回では、自宅練習に必要な機材について説明した。最終回となる第3回は、ストローク練習について紹介していく。自宅の練習パッドでもスタジオの生ドラムでもできるので、ぜひ参考にして欲しい。
ストロークとは?
ストロークとは、スティックの振りかたのことを指す。
その中でも、叩きかたを意味する『シングルストローク』と『ダブルストローク』。ニュアンスコントロールに必要な『フルストローク』『ダウンストローク』『タップストローク』『アップストローク』が存在する。
これらを使い分け、強弱やニュアンスを表現したり、細かいリズムを刻んだりしていくのだ。それぞれについて説明していく。
もっともベーシックな『シングルストローク』
シングル。つまり、振り上げたスティックで1発だけ叩くことを意味する。わかりやすくいえば、両手に持ったスティックを交互に1発ずつドコドコ叩く感じだ。
これが「叩く」行為の中で、もっともベーシックな『シングルストーク』である。
通称ふたつ打ち『ダブルストローク』
対して『ダブルストローク』は、振り上げたスティックで2発叩くことを意味する。両手で交互に叩けば右手で2発、左手で2発の合計4発叩くことになるわけだ。
コツとしては、シングルストロークで打ったときの跳ね返りを利用して2回目を叩く感覚を覚えるといいだろう。
注意点としては、1発目より2発目の方が小さくなってしまいやすいということ。そこで、2発目にアクセントをつける感覚で叩く練習をすることで、均等な音が出るようになるので、根気強く反復練習してみよう。
ニュアンスコントロールの基本となる4つのストロークとは?
先ほどのふたつが叩きかたのストロークだったのに対し、ここではニュアンスコントロールのためのストロークを紹介する。ここで紹介する4つは、スティックのスタート地点と、叩いた後の静止位置によって分かれているので、それぞれ紹介していく。
1 フルストローク
チップが肩に付くほど高い位置から大きく振り上げたスティックを、肩から指先にかけて全体をしならせるようなイメージで振り下ろして叩き、跳ね返ってきたスティックの反動に従って最初の高い位置まで振り上げて終了するストロークである。
2 ダウンストローク
フルストロークと同じように高い状態から腕全体で振り下ろして叩き、跳ね返ってきた反動を指の握り込みによって抑えることで、スティックを打面から2〜3cmほどの高さで平行に静止させるストロークである。フルストロークとの違いは、静止位置のみ。
3 タップストローク
先ほどのふたつとは異なり、スタート地点は打面の上2~3cmほどのところとなる。ここから手首を軽く動かして叩き、跳ね返ってきた反動を指の握り込みによって抑えることで、スティックを打面から2〜3cmほどの高さで平行に静止させるストロークである。ダウンストロークとの違いは、スタート位置のみ。
4 アップストローク
タップストロークと同じく、スタート地点は打面の上2~3cmほどのところとなる。ここから手首を軽く動かして叩き、跳ね返ってきたスティックの反動に従ってフルストロークと同じく高い位置まで振り上げて終了するストロークである。フルストロークとの違いは、スタート位置のみ。
ここまでできたらドラムセットで8ビートから練習してみよう
ここまでの内容を踏まえることで、スティックを扱うことについて上達してくると思う。あとはドラムセットに座り、同じ要領でハイハットとスネアドラムを叩くことで、8ビートを安定したリズムで刻むことができるようになる。
キックペダルの使い方については割愛してきたが、まずはこの時点まででドラムを楽しんでみて欲しい。やっていくうちに気になるポイントや課題点が出てくると思うので、それらをひとつずつ解決するように練習すれば、さらに上達できる。
第1回でもお伝えしたが、ドラムは楽しむことが基本となるので、その精神を忘れず楽しく練習に励んでもらえると筆者としても嬉しく思う。みなさまのドラムライフに幸あることを願ってやまない。
(文・倉田航仁郎)
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