『日比谷音楽祭 ON RADIO』ほか、テレビ・ラジオ・オンラインフェスが切り拓く新時代の音楽の楽しみかた

三橋 温子

三橋 温子

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緊急事態宣言は全面解除されたが、従来の形のライブやフェスが日常に戻ってくる日はいつになるのだろうか。いち音楽好きとして、また音楽業界のことを考えると、どうしても悲観的になってしまう。

一方で、この状況下だからこそ生まれた「新しい音楽の楽しみかた」もある。たとえばテレビ・ラジオやオンラインを通じた音楽イベントは「誰でもどこでも楽しめる音楽」であり、もしかしたらこのユニバーサルなライブ・フェスのありかたは今後、従来の形と並行して進化・定着していくかもしれない。

今回は、これから開催予定のテレビ・ラジオ・オンラインフェスをいくつかピックアップしてご紹介する。自宅でビール片手に、寝っころがりながら、子どもと一緒に…自分なりの楽しみかたをぜひ模索してみては?


日比谷音楽祭 ON RADIO

©日比谷音楽祭実行委員会

  • 日時 2020年5月30日(土)17:40〜21:10
  • 視聴方法 ラジオ(ニッポン放送)、radiko(インターネットラジオ)
  • 公式サイト こちらから
  • 司会 吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)
  • メインパーソナリティ 亀田誠治(日比谷音楽祭実行委員長)
  • ゲスト 菅田将暉、武部聡志、たなしん(グッドモーニングアメリカ)、中村正人(DREAMS COME TRUE)、新妻聖子、半﨑美子、一青窈、布袋寅泰、みの(みのミュージック)、米良はるか(READYFOR代表)、山本彩
  • コメント参加  R-指定(Creepy Nuts)、石川さゆり、井上芳雄、大谷ノブ彦(ダイノジ)、GAKU-MC、佐藤オオキ(nendo)、 鹿野淳、田島朗子、長須与佳、ピエール中野(凛として時雨) ほか


5月30日・31日に開催予定だった、音楽プロデューサーの亀田誠治さんが実行委員長を務める無料野外フェス『日比谷音楽祭2020』。開催は中止となってしまったが、出演予定だったアーティストたちがリモート出演する3時間半のラジオ生番組がOA決定!

番組前半は、スタジオの亀田さんとリモート出演のゲストアーティストたちが、日比谷音楽祭や音楽の現在・未来について語り合うプログラム。音楽を愛し、音楽業界の苦難に立ち向かう当事者たちのリアルな声を聴くことができる貴重な機会だ。

日比谷音楽祭では、開催当日に稼働予定だったスタッフを救済するクラウドファンディングを実施しているが(6月22日23:00まで)、プロジェクトをともに進める『READYFOR』代表の米良さんもゲスト出演。コロナショックでますます注目されているクラウドファンディングの現状と今後を語る。

番組後半は、日比谷音楽祭で予定されていた亀田誠治×武部聡志スペシャルセッションのリモート録音版を楽しめる。新妻聖子や一青窈らがボーカリストとして出演するという贅沢なセッションとなる予定。

ゲストとのトークの一部は、日比谷音楽祭公式YouTubeプロデューサーのグッドモーニングアメリカ・たなしんのナビゲートのもと、『日比谷音楽祭 ONLINE』としてYouTubeで生配信される(菅田将暉さんゲストパートの生配信はなし)。

なお5月28日には、バンドマンタイプ診断やクイズ、オリジナル楽曲などをおうちで楽しめる『日比谷音楽祭公式おさんぽアプリ2020』がリリースされたので、そちらもあわせて楽しみたい。


YEBISU BEER BEGINNINGS 〜LIVE FROM TAKANAWA GATEWAY

  • 日時 毎週月曜〜金曜 12:30〜13:00
  • 視聴方法 ラジオ(J-WAVE)、radiko(インターネットラジオ)
  • 公式サイト こちらから
  • パーソナリティ レイチェル・チャン(月・火)、シシド・カフカ(水・木)、J-WAVEナビゲーター(金)
  • ゲスト 日替わり


高輪ゲートウェイ駅前で開催予定のイベント『Takanawa Gateway Fest』(開催延期中)内にオープンする、J-WAVE×中田英寿さんプロデュースのエンターテインメントレストラン『J-WAVE NIHONMONO LOUNGE』。現在はオープンを見送っているが、J-WAVEがスタートした『#音楽を止めるな』プロジェクトの一環として、レストランでの無観客ライブのラジオ放送をオープンまでの期間限定で実施している。

出演アーティストは日替わりで、これまでホリエアツシ(ストレイテナー)、和田唱(TRICERATOPS)、寺中友将(KEYTALK)、下津光史(踊ってばかりの国)、山本彩、矢井田瞳などが無観客ライブを披露。

GW中の5月6日には、『J-WAVE NIHONMONO LOUNGE』からの無観客ライブやアーティストの自宅からのリモートライブなどを通じた、15時間にわたる音楽フェスも開催され話題となった。


MUSIC AID FEST. 〜FOR POST PANDEMIC〜

  • 日時 2020年5月31日(日)18:00〜21:00
  • 視聴方法 CS放送(フジテレビONE スポーツ・バラエティ ※スカパー!無料放送)、FOD
  • 公式サイト こちらから
  • ホスト LUNA SEA
  • ゲスト ELLEGARDEN、9mm Parabellum Bullet、THE ORAL CIGARETTES、Nothing’s Carved In Stone、MIYAVI、打首獄門同好会、大黒摩季、一青窈、辻井伸行 ほか


LUNA SEAが1か月かけて水面下で準備してきたというチャリティー音楽生番組。過去に開催されたLUNATIC FEST.の出演アーティストや本企画に賛同したアーティストらが、リモート収録によるライブを披露する。

番組開始と同時にクラウドファンディングサイト『READYFOR』にて、医療従事者やフロントラインワーカーの支援を目的とした「新型コロナウイルス感染症:拡大防止基金」への寄付の募集もスタートする。

番組はCS放送だが、未加入でもリモコンでチャンネルを合わせれば視聴可能。FODでも無料生配信するほか、再放送や地上波ダイジェスト版放送もあり。自宅で誰でも気軽にフェスを体感でき、楽しんだぶんを寄付という形で還元することのできる、注目の大規模チャリティーフェスだ。


多摩あきがわLIVE@HOME

  • 日時 vol.2/2020年5月30日(土)17:45〜20:20
  • 視聴方法 YouTube
  • 公式サイト こちらから
  • 出演 Michael Kaneko (Trio set)、佐藤タイジ&勝井祐二、Auto (TENT SoundSystem)、南兵衛@鈴木幸一(アースガーデン代表)ほか


『earth garden』主催や『GOOUT CAMP』『ap bank fes』の企画制作などを手がけるアースガーデンによる、「森の中からの新しい野外ライブ配信」にチャレンジするオンラインフェス。アースガーデンの拠点のひとつである自然豊かな多摩秋川流地域から、アーティストのライブやトークプログラムが生配信される。

5月15日に開催されたvol.1に続き、5月30日のvol.2にはシンガーソングライターのMichael Kaneko、ギタリストの佐藤タイジとエレクトリック・ヴァイオリニストの勝井祐二によるユニットなどが出演。実際に日が暮れていく森の中にいるような、穏やかで開放感あふれる気分を味わえる。

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TONOFON(REMOTE)FESTIVAL 2020

  • 日時 2020年6月7日(日)13:00〜21:00
  • 視聴方法 YouTube
  • 公式サイト こちらから
  • 出演 栗コーダーカルテット&ビューティフルハミングバード、んoon、長谷川白紙、折坂悠太、トクマルシューゴ ほか


6月7日に開催予定だったトクマルシューゴ主催の野外フェス『TONOFON FESTIVAL 2020』のリモートフェス。「6月7日というその日、その瞬間を切り取ること、その時を共有すること」「リアルタイムの音楽の力」も大切にしたいと語るトクマルシューゴの思いが、各アーティストのリモート参加によるフェスという形で体現される。

『トノフォン(リモート)フェス 〜外伝〜』と称し、韓国や台湾のアーティストらのリモート出演も予定されている。


ONLINE YATSUI FESTIVAL! 2020

  • 日時 2020年6月20日(土)・21(日)
  • 視聴方法 複数の無料オンラインチャンネルを予定
  • 公式サイト こちらから


お笑い芸人のエレキコミック・やついいちろうが主催する『YATSUI FESTIVAL!』、通称やついフェス。2日間で1万人を動員する、渋谷エリアの大規模サーキットフェスだ。今年は舞台をオンラインに移して開催される。

生配信ライブをはじめ、全国のライブハウスとの連動企画、飲食店とコラボしたオンラインフードコート、キャンペーンガールのオンラインオーディションなど、従来のオンラインイベントの枠を超えたさまざまな企画が実施される予定。CAMPFIREではフェス運営支援のためのクラウドファンディングも行なわれている。

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VIVA LA ROCK 2019 AGAIN!

  • 日時 2020年5月1日(金)〜5月31(日)
  • 視聴方法 GYAO!(無料動画サービス)
  • 公式サイト こちらから


こちらは生配信ライブではないが、毎年GWにさいたまスーパーアリーナで開催されるフェス『VIVA LA ROCK』の2019年のライブ映像が期間限定で再配信されている。一部のアーティストを除き、4days・各ステージの出演アーティストのライブが視聴可能。

昨年のフェスに参加した方はあの熱いステージを思い返しながら、参加できなかった方は新鮮な気持ちで楽しむことができる。実際のタイムテーブルに沿って映像を流し、自宅でフェスを再現するのもおすすめ。

(文・三橋温子)