音楽は年齢を超える。子どもの心をガッチリ掴んで、大人も楽しめる楽曲5選

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小さな子どものいる家庭では、自分の好きな音楽を流すことがなかなか難しかったりします。「子ども向けの音楽はもう飽きちゃったな…」なんて思っている方もいるのでは?

でも、音楽は大人だけのものではなく、子どもだからといって童謡以外聴かない訳ではありません。小学校と幼稚園に通う筆者の子どもたちが、ステレオから流れ出した途端にいつも踊り出す音楽があるのでご紹介します。振り付けはもちろん自由奔放。大人である筆者が聴いても飽きず、なおかつそんな小さな子どもたちの身体を踊らせてしまう音楽とは、どのような曲なのでしょうか?


定番中の定番! 米津玄師作詞作曲、Foorin『パプリカ』

「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」によって認証された「東京2020公認プログラム」として製作された応援ソング、Foorinの『パプリカ』です。

子どもたちが歌って踊るミュージックビデオで話題となっているので、ご存知の方も多いでしょう。我が家の子どもたちも例外ではなく、どこで覚えたのか正しい振り付けをマスターしていつも歌いながら踊っています。

メロディーに乗る言葉数も多く複雑な譜割という実に米津玄師らしい楽曲であるにもかかわらず、歌詞もメロディーもしっかり覚えている子どもたち。これほどまでにしっかりと子どもの心を捉えて離さない『パプリカ』は、小学生以下のキッズたちの中で不動の人気を誇っている楽曲です。

ダンサブルでハイトーンボイスが魅力の、Dr.FOOL『WA・DO・WA』

大阪で活動するインディーズバンドDr.FOOLの1st Single『WA・DO・WA』です。以前、筆者が下記の記事で取材を行なったDr.FOOL。

Dr.FOOLライブレポ【前編】ライブへの意気込みを語る!メンバー全員へインタビュー

取材のあと、この曲を聴きながらライブレポートの執筆していたのですが、そのときにたまたま近くに来た子どもが「この曲楽しくて好き! もっと聴きたい!」と、突然言い出したのです。

そこからは2時間ほど1曲リピートで聴き続けたのはいい思い出。

それ以降定期的にリクエストされるので、再生しては、毎回異なる自由な振り付けで踊り狂っています。子どもたち曰く「今一番好きな曲」とのことでした。

疾走感溢れるアニメの主題歌、GLAY『空が青空であるために』

少年野球を題材にしたTVアニメ『ダイヤのA -SECOND SEASON-』のオープニングテーマとして書き下ろされた、GLAYの『空が青空であるために』。

このアニメを一緒に見ていたとき、この曲がとても気に入ったらしく何度もオープニングを再生していました。歌詞を振り付けに変えながら踊っていたのですが、いまでもステレオから流れるとリピート再生を懇願される1曲です。

ダンスナンバーというより、ストレートなロックナンバーであるこの曲。踊るという感覚とは少し遠いようですが「青空」「走り出す」「汗」など、子どもでも理解できる歌詞が並んでいることから、それらをヒントに意味を噛み砕いてダンスのヒントにしているようです。当然のように、振り付けは毎回異なるわけなのですが、それでも見ていてほっこりします。

1作目『アナと雪の女王』の主題歌、松たか子『Let It Go』

2013年に公開されたディズニーの大ヒットアニメ『アナと雪の女王』1作目の日本語翻訳版主題歌、松たか子の『Let It Go』です。

DVDが擦り切れるほどに何度も観ていた作品だから、ということもあるとは思いますが、映画を観るたびにこの曲が流れるシーンはアナとエルサになりきって歌って踊っています。

日本語版の歌詞は、耳コピで完全に覚えているらしくほぼ完璧。これほどまでに子どもの心つかむあたり、さすがディズニーですね。

余談ですが、我が家にはこの映画にちなんだグッズや服が数多く揃っています。それだけ、当時から我が子たちのお気に入りの映画であり、お気に入りの楽曲だったことがうかがえます。

望郷の思いを紡ぐ珠玉のバラード、槇原敬之『遠く遠く』

1992年に発売されたアルバム『君は僕の宝物』に収録されたアルバム曲、槇原敬之の『遠く遠く』です。

ご存知、槇原敬之が贈る珠玉のバラードで「楽しい」「踊れる」というイメージからは程遠く、むしろしっとりと聴きたい雰囲気を持ったこの楽曲。この記事のテーマからすると、おそらくもっともかけ離れたイメージを持つ曲ではないでしょうか。

しかし、我が家の子どもたちはそうではないようです。「この声と曲が好き! 歌ってることもなんとなくわかる!」と好評で、流れるたびに寸劇のような振り付けで歌いながら踊っています。


楽しく踊る音楽は必ずしも、ダンスナンバーである必要はない

子どもたちの感覚はとても素直で敏感です。大人だと「踊れる=ダンスナンバー」という固定観念のもとで動いてしまうところでも、子どもなりの発想と自由な感覚で自分なりに取り込んでいきます。

バラードだってロックだって、好きな曲なら自由に振り付けを考えて踊って楽しむ。このような姿を間近で見ていると、音楽の本質とはきっとこういうことなのだろうなと思わされます。

「これは踊れるだろう」と思ってノリノリのダンスナンバーを流しても反応しないこともあり、やはり何かしら自分たちの中で琴線に触れない曲に対して身体は動かないのでしょう。

そういった意味でも、今回ピックアップした5曲は小学生と幼稚園児である我が子の心をガッチリ掴んで離さない楽曲たちで、未だに我が家の再生回数上位を占めています。

音楽に国境や年齢は関係なく、心に響くかどうか。この記事を書きながら、そのような思いを再確認することができました。みなさんも、子どもたちにたくさんの音楽を聴かせてあげてください。子どもなりの澄んだ感性で心に止め、糧にしていってくれると思いますよ。

(文・倉田航仁郎)