新世代のおすすめコミックバンド|コンセプトが面白すぎる! 聴いてて癖になる4組を発掘

名城 政也

名城 政也

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昨今、人気の出るアーティストは、何かに特化したコンセプトから人気が爆発しやすいです。

有名なアーティストでは、ヤバイTシャツ屋さん、ゴールデンボンバーなど。楽曲はもちろんですが、バンドのコンセプト、ライブの面白さから人気が出ましたね。バンドではありませんが岡崎体育も“アーティストあるある”を歌って一気に人気爆発した一人。

かっこいいアーティストも感動するアーティストももちろん良いですが、ありとあらゆる音楽が溢れるこの世の中、どうしても二番煎じ感は否めません。だからこそ“何か”に特化したコミックバンドは人気が出るのではないでしょうか。

今回紹介するおすすめのコミックバンド4組は、ただ面白いだけではなく“コンセプトが唯一無二!”の新世代バンド。なかには「そのコンセプトは興味ない」と思う人もいるかもしれませんが、反対に「何そのジャンル! すごくハマりそう!」と思う人もいるのではないでしょうか。ぜひ紹介するバンドから心にヒットするバンドを見つけてください。


ボートレース好きが集まったバンド

3点ボックス

皆さん、ギャンブルは好きですか? 昨今のバンドマンには少なくなりましたが、男性バンドマンでギャンブル好きという「ロックな生き方」が好きな人もいるのではないでしょうか。そんなギャンブル好きが集まったのが、3点ボックスです。

3点ボックスはボートレース好きな3人が集まったバンドで、バンド名の3点ボックスも、舟券の買い方の種類からとっています。メンバー名にもこだわるほどのボートレース好きの集まりです。

  •  Vo./Gt.:1号艇
  •  Ba.:2号艇
  •  Dr./Vo.:4号艇
  •  スタッフ:3号艇
  •  デザイン・広報:6号艇

これまでの楽曲もボートレースに関連する曲ばかり。『おはようござい万舟』『多摩川で待ってるぜ』などなど、ボートレース好きからすれば、タイトルを聞くだけでもワクワクするのではないでしょうか。

『なにしてくれとんまんねんお主』
3点ボックス
youtube動画


ボートレースが好きな人ならば「なにしてくれとんまんねんお主」というフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか。本楽曲は、3点ボックスとボートレース予想YouTubeで人気の『チルト50さん』がコラボした楽曲です。

「なにしてくれとんまんねんお主」というセリフはチルト50さんのお決まりセリフ。楽曲の中には「なにしてくれとんまんねんお主!」という声でチルト50さんが参加しています。

楽曲自体はパンクロック調のシンガロングで一緒に歌える明るい楽曲。「大人になったら夢は見ちゃいけないの」といった、ロックな大人に突き刺さる歌詞も盛り込まれているので、ボートレース好き以外の人も、ぜひ一度聴いてみてください。

ライブを運動会に!

アイスクリームネバーグラウンド

「ライブでは暴れて動き回って汗をかきたい」そんな人におすすめなのが、アイスクリームネバーグラウンドです。2017年に結成された男女ツインヴォーカルのバンドで、エンターテイメントではなく「暴レンターテイメントバンド」と称しており、とにかく動きまくる楽しいバンドです。

楽曲からライブまでフィットネス。公式サイトのライブスケジュールも「運動会」と記載されており、自主イベントの名前も「天下一運動会」にするなど、徹底してコンセプトを守っています。メンバーは以下の6名。

  • Vo.:らんご
  • Vo.:じろ~
  • Gt./Vo.:みき
  • Ba.:ぼぶ
  • Dr.:じゃふ
  • スーパーギターサポート:ゆかわ

「聴いて面白い!」のではなく「ライブやフェスで動きまくりたい」という人は、アイスクネバーグラウンドの運動会に参加してみてください。

『2ステ3フン4ローインク』
アイスクリームネバーランド
youtube動画


「家のなかでも運動会を楽しみたい!」という人におすすめなのが『2ステ3フン4ローイング』。約3分半の曲で、歌詞のとおりに身体を動かせば、ほぼフィットネス。曲調自体は激しめのメタルを思わせますが、「基本はケンケン、片足でまず2回ずつ跳べ!」という歌詞など、動くことに特化しています。

MVのなかでもメンバーが激しく踊っているので、ぜひ歌詞を聴きながら一緒に動いてみてください。「最近フェスに行けていない」「まだ外出は抵抗がある」という方でも、家で思いっきり汗をかけます。

正しいラウドロック!?

RED PENCIL TEACHERS

「バンドはやはりラウド系が好き」そんな人におすすめなのがRED PENCIL TEACHERS。ラウドロックやメタルコアを基調とした、王道なバンドに思えるのですが、バンド名を直訳すると「赤ペン先生」になる、一ひねりのあるバンドです。

なぜこのバンド名になったのかと言うと、メンバー全員が過去に赤ペン先生的なものにお世話になったとのこと。さらにRED PENCIL TEACHERSの魅力は、メンバー全員が顔出しNGな点。その理由はメンバー全員が他ジャンルで活動するプロミュージシャンだからだそうです。顔出しNGにしているということは、有名ロックバンドや有名バックバンドで活躍しているのではないでしょうか。しかし、その素性は謎のままです。

そんな経歴もあるため、楽曲のレベルの高さはさすが。楽曲の作り込みからヴォーカルの英語のレベル、歌いあげる楽曲から激しい楽曲まで、すべてレベルが高いです。

『Message』
RED PENCIL TEACHERS
youtube動画


ラウドロックのなかでも、バラードはついつい聴きほれてしまう楽曲の一つ。RED PENCIL TEACHERSの『Message』も、切ないイントロから始まる感動の一曲です。落ち着いたイントロからサビで盛り上がる王道バラードの構成に、流暢な英語詞で、とても心が揺さぶられます。

しかし、ここで一ひねりしてくるのがRED PENCIL TEACHERS。歌詞のほとんどは英語ですが、英語を訳すと、歌の内容は「ダイエットしたいけどダイエットできない人」を歌っています。冒頭の歌詞を和訳すると「私はスウィーツを食べることが止められないの。そして太ってしまったの」。

ふざけた歌詞にもかかわらず、つい最後まで聴いてしまうレベルの高さは、RED PENCIL TEACHERSにしかできない技術でしょう。

堂々とパクり宣言

怪盗戦隊ヌスムンジャー

バンド経験者で「どんなにオリジナルの曲を作っても、必ず過去に似たような曲がある」と悩んだ経験はありませんか? 世の中のバンド人口が多い分、どうしても曲は似たり寄ったりになってしまいます。しかし、そこで堂々とパクるバンドが現れたのです。それが、怪盗戦隊ヌスムンジャー。名前からわかるとおり「パクり」がコンセプトのバンドで、ヴィジュアル系なのです。

メンバーの名前も、ヴィジュアル系専門CDショップの名前をもじるなど、ヴィジュアル系を見事にパロディ化しています。

  • Vo.:怪盗まさと
  • Gt.:Ray alias FAVIAN
  • Gt.:しんやっちょ
  • Dr.:ごりら

公式YouTubeチャンネルでは「V系バンドマンが幼稚園でライブ」など面白企画も行っており、知れば知るほど面白味があります。しかし、楽曲のレベルの高さは見事です。丸々パクるのではなく、アレンジも加えているので、あなたの知っている曲がどのようにアレンジされているか、ぜひチェックしてみてください。

『Cage告訴』
怪盗戦隊ヌスムンジャー
youtube動画


誰もが知るヴィジュアル系バンドと言えば、DIR EN GREYがあがるのではないでしょうか。『Cage告訴』は、DIR EN GREYの『Cage』をパロディアレンジした曲です。オルゴールから始まるイントロは、まさに『Cage』そのまま。MVも似せているので、冒頭だけではそれぞれの違いに気付かない人もいるかもしれません。

さらに、パクっているのは『Cage』だけではありません。DIR EN GREYファンならわかる小さなレベルで『残-ZAN-』『蜜と唾』『-I’ll-』の要素も入れています。一つの楽曲ではなく、さまざまな楽曲を織り交ぜてアレンジする点は、リスペクトすら感じられるので、DIR EN GREYのファンも嫌な気持ちにならないでしょう。なぜか2分50秒あたりでピコ太郎も出てくるという、パロディで振り切っている部分も見事です。


面白いバンドは癖になる!

コンセプトが面白いバンドを4バンド紹介しましたが、それぞれ特化したテーマで、刺さる人には刺さったのではないでしょうか。万人受けするしないは置いておきますが、好きな人にはたまらないバンドです。真面目で熱くてかっこいいバンドも良いですが、今回紹介したような少し偏りがあるバンドも魅力的。

今回紹介したバンドはまだまだこれからのバンドなので、お気に入りのバンドがいたら、ぜひ応援してあげてくださいね!

(文・名城政也)