〈あの頃の青を探して〉という、筆者の好きなキャッチコピーがある。青春18きっぷのポスターの中にあるステキなコピーのひとつで、ある本を読んでこのコピーと出会った。ポスターの美しいビジュアルはもちろんだが、それ以上にこの言葉が心の奥にじっと残っていた。
BEAKSの音楽を聴くと、なんだかこのコピーをふと思い出してしまう。歌詞ってわけじゃないのにな、なんて思うけれど、青春を叫びたくなるほどの広い海と、甘酸っぱいさわやかな色味が、BEAKSにはとても似合うからだろうか。青春18きっぷでゆっくりと遠くへ向かうように、BEAKSの音楽を紹介したい。
青春を過ぎた今こそ、もう一度青春を聴く
2016年に結成し、愛知県名古屋市を拠点に精力的に活動しているBEAKS。Vo./Ba.加藤柊介の清々しい声量と、疾走感のあるグッドメロディ、そしてどこまでも拳を突き上げたくなるシンガロング。これらが重なったBEAKSの音楽は胸にストレートに響き、背景にはさわやかな青い情景が映る。まるで青春18きっぷのポスターのようだ。
大切なものを失っても、また必ず手に入る
『ブルーアワー』
BEAKS
『ブルーアワー』を聴くと、辛かったけれどとても大事だった日々を思い出させてくれる。そして、あの頃の自分は何も間違っていなかったと、自信と勇気を与えてくれる。気分を爽快にさせたいとき、あるいは一歩前に進みたいときに、必ず力になってくれる曲だ。
冒頭の、好きなキャッチコピーの話に戻る。好きな言葉だと言っておきながら、あの頃の〈青〉が一体何を指しているのかはピンときていなかった。語呂の響きがとにかく好きだったから、意味については深く追求しなかった。
でも、気がついた。あの頃の〈青〉とは、青かった頃の日々の時間を指すのかもしれないな、と、『ブルーアワー』を聴いて思ったのだ。楽しかった日々も、悔しかった日々も、がむしゃらに打ち込むことがとても大切だった。それらが全て今の自分の糧になっていると気がつくきっかけをくれた『ブルーアワー』は、筆者のみならず多くのリスナーを救ってくれることだろう。
最近は、おしゃれに酔わせるシティポップや、アンニュイな雰囲気で歌うアーティストが流行る傾向にある。そんな中でも、青春を思い出させてくれる真っ直ぐな音楽には、どうかずっと出会い続けていたい。
BEAKSの音楽を聴くと、全力であの頃の〈青〉を探したくなる。探して前に進みたくなる。辛い日々も「もう一歩頑張ろう」と乗り越えたくなる。青春を過ぎた今こそ、そうした音楽が私たちには必要なのではないだろうか。
MESSAGE
お疲れ様です。BEAKSです。
コロナ禍でなかなか思うようにライブ活動が出来ない状況ではありますが、辞めるつもりは更々ありません。純粋にもっとたくさんの人に僕らの音楽を聴いてもらいたいし、まだまだ色々な所にライブをしに行きたいと思ってます。
結成5年目、今後のBEAKSに期待してください。
(文・きゆか)
PROFILE
BEAKS(ビークス)
メンバー
L→R
加藤柊介(Voval / Bass)
ドリル(Drums / Chorus)
ちくchang(Guitar / Chorus)
活動開始
2016年
主な活動拠点
愛知県名古屋市
HP / SNS
公式Twitter @beaks_official
公式Instagram @beaks.nagoya1996