【AT HOME SOUND】ヒット連発! 人気DJ・RYUHEI THE MAN主宰レーベルの注目作

五辺 宏明

五辺 宏明

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2013年にCDでリリースされたSOIL&“PIMP”SESSIONSとRHYMESTERの共演シングル『ジャズィ・カンヴァセイション』のアナログレコードが、今年(2020年)の6月に発売され、双方のファンやDJ、アナログレコード愛好家の間で大いに話題を呼んだ。

RHYMESTERの宇多丸とMummy-Dのラップ入りバージョンは、SOIL&“PIMP”SESSIONSの『CIRCLES』というアルバムにも収録されているが、インスト(歌なし)バージョンはタワーレコードで限定販売されたCDシングルでしか聴くことができなかった。ジャズバンドであるSOIL&“PIMP”SESSIONSのインストをアナログ盤で聴けるのは嬉しい限り。

『ジャズィ・カンヴァセイション』のアナログ化を実現させたのは、人気DJとして知られるRYUHEI THE MANが主宰するレーベル、AT HOME SOUNDである。


SOIL&“PIMP”SESSIONS feat. RHYMESTER
『Jazzy Conversation』

フォーマット: 7inch
発売日: 2020年6月17日
定価: 1,800円+税
品番: AHS-022
side-A: Jazzy Conversation (Vocal)
side-B: Jazzy Conversation (Instrumental)


AT HOME SOUNDは、首都圏を中心にチェーン展開するディスクユニオンの制作部門であるDIWプロダクツ内にRYUHEI THE MANが立ち上げたレーベル。7インチサイズのアナログ盤を中心に、数々の注目作をリリースしている。

発足は2018年。既に完売している商品もあるので、気になるものがあれば早めに入手することをお勧めする。

この記事を執筆している時点(2020年7月末現在)でまだ入手可能なものの中から、個人的に愛聴している作品をいくつか紹介したい。

RHYMESTER
『人間交差点』

フォーマット: 7inch
発売日: 2019年12月11日
定価: 1,773円+税
品番: AHS-011
side-A: 人間交差点 (Vocal)
side-B: 人間交差点 (Instrumental)

RHYMESTERが2015年に発表した『Bitter, Sweet & Beautiful』の収録曲が、昨年7インチでリリースされた。彼等が主催するフェスのタイトルにもなっているDJ JINプロデュースの人気曲。

モカキリことMountain Mocha Kilimanjaroと根布谷“Nello”光輝の演奏を堪能できるインストも必聴。

画像のサイン入りレコードは筆者の私物。

NAYUTAH
『黒のタートルネック/ 何もかも』

フォーマット: 7inch
発売日: 2019年6月19日
定価: 1,759円+税
品番: AHS-003
side-A: 黒のタートルネック (DJ JINEdit)
side-B: 何もかも (45 Edit)

DJ JIN絡みでもう1枚。沖野修也率いるExtra Freedom所属の女性ヴォーカリスト、NAYUTAHの2ndシングル。

AT HOME SOUNDの第一弾としてリリースされたデビューシングル『GIRL / 見知らぬ街』は、King of Diggin’ことMUROとRYUHEI THE MANがエディットを手掛けたことで発売前から話題を呼び、瞬く間にソールドアウト。新人女性シンガーのアナログ盤がオリコントップ30入りするという快挙を成し遂げた。

今作はDJ JINによるエディットを収録。レアグルーヴやヒップホップのリスナーの間ですっかり定着した「ダチーチーチー」と呼ばれるドラムフィルが炸裂したファンキーな仕上がりに。

なお、前作に続き、作詞は沖野修也、作曲は川﨑薫(DJ KAWASAKI)が担当している。

SHUYA OKINO
『Summer Love』

フォーマット: 7inch
発売日: 2019年8月7日
定価: 1,759円+税
品番: AHS-008
side-A: Summer Love (THE MAN 45 Edit)
side-B: Summer Love (ROOT SOUL Remix THE MAN 45 Edit)

90年代初頭からクロスオーバージャズ・シーンを牽引してきたKYOTO JAZZ MASSIVEの沖野修也が、2006年に発表したソロアルバム『UNITED LEGENDS』から、“Summer Love”が7インチ化。

オリジナルバージョンとROOT SOULこと池田憲一によるリミックスを、RYUHEI THE MANが7インチ用にエディットしたダブルサイダー。

Q.A.S.B.+RYUHEI THE MAN
『Never Did I Stop Loving You(THE MAN 2020 Re-Edit)』

フォーマット: 7inch
発売日: 2020年2月19日
定価: 1,773円+税
品番: AHS-016
side-A: Never Did I Stop Loving You (THE MAN 2020 Re-Edit)
side-B: Never Did I Stop Dubbing You (THE MAN 2020 Re-Edit)

こちらもRYUHEI THE MANのエディットを収録したQ.A.S.B.の7インチ。

2014年にSoulGardenRecordsから発売された『Never Did I Stop Loving You』の2020年版。世界中のレアグルーヴ・ファンから愛されるAlice Clarkの名曲をカバーしたQ.A.S.B.とのコラボ作を、RYUHEI THE MANが再構築して自身のレーベルからリリースしたのだから悪いはずがない。

個人的に針を落とす頻度が高いのは、心地よさが倍増したB面のダブバージョン

PUSHIM×韻シスト
『To The Next』

フォーマット: 7inch
発売日: 2020年3月4日
定価: 1,773円+税
品番: AHS-014
side-A: To The Next (Original Version)
side-B: To The Next (DJ Mitsu the Beats Remix)

生ヒップホップバンドの韻シストと、クイーン・オブ・レゲエことPUSHIMが2018年に発表したミニアルバムから、タイトル曲が7インチでシングルカット。初コラボの『Don’t Stop』(2015年)と同様に、ジャンルを超えて注目を集めた話題曲のアナログ化を待ち望んでいたリスナーも多かったはず。

カップリングはDJ Mitsu the Beatsによるリミックス。海外からの評価も高い彼の作品は、早々に完売するものも多々ある。後悔する前に是非。

TKda黒ぶち
『Get Down feat. ELIONE, Zeebra』

フォーマット: 7inch
発売日: 2020年7月22日
定価: 1,815円+税
品番: AHS-023
side-A: Get Down feat. ELIONE, Zeebra (Vocal)
side-B: Get Down (Instrumental)

最後に、今年7月22日リリースの7インチを紹介。『フリースタイルダンジョン』3代目モンスターとして活躍するTKda黒ぶちが、ZeebraとELIONEをフィーチャーした新曲をドロップ。

プロデュースはMURO。さらに、スクラッチでDJ WATARAIが参加しているのだから、日本語ラップ・フリークは聴き逃し厳禁。

このほか、新進気鋭のジャズファンクバンド、Wa Yo Setが椎名林檎の名曲をカバーした『丸の内サディスティック』(8月5日発売)や、奄美島唄とアフロビートを融合した里アンナ×佐々木俊之『渡しゃ』(9月2日発売)など、気になるアイテムが続々登場している。今後のリリースにも期待したい。

(文・五辺宏明)