今世界中で人気のある「BABYMETAL(ベビーメタル)」。今までにない独自な音楽やパフォーマンスで注目を浴びています。超有名な世界的なアーティストとの共演や、イギリスのグラストンベリーフェスに出場したりと飛ぶ鳥を落とす勢いのあるバンド。
日本でも人気があり、出演する単独ライブはソールドアウドが続出。ただこれだけ人気のあるバンドですが、メディアにはあまり出演しません。テレビからの情報が少ないので、BABYMETALを知らない人には「なぜこれだけ人気があるかわからない」という人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、BABYMETALが世界中で人気が出た理由を心理学的な側面も含めて解説したいと思います。
BABYMETALとは?
BABYMETALとは、女性グループによるメタルダンスユニットです。「アイドル×メタル」というテーマのもと、2010年に結成されました。それまでは「アイドル×ロック」の組み合わせは珍しくなかったですが、BABYMETALは激しいメタルサウンドでアイドルが歌い踊るというまったく新しい組み合わせで注目を浴びていきます。
世界同時発売したアルバム『METAL RESISTANCE』は、ビルボードの全米アルバムチャート39位にランクインされ、日本では坂本九以来のトップ40入りを果たします。さらにイギリスの伝統ある音楽フェスティバル「グラストンベリー」に出演したり、レディ・ガガやレッド・ホット・チリペッパーズの前座を務めたりと、世界で実績を残しています。
BABYMETALが世界中で人気が出た理由
なぜここまで海外で人気が出たのでしょうか? その理由を3つに分けて解説したいと思います。
今までにない斬新な音楽が、警戒心を掻き立てる!?
BABYMETALは、それまでどんなに異質な音楽を聴いていた人でも、インパクトを受ける斬新な音楽です。女性ボーカルのきれいなハイトーン。かわいらしく、少し笑ってしまうようなかけ声。それらを支える重厚なメタルサウンド。今までにない組み合わせによる革新性のある音楽が、YouTubeをきっかけに世界中で注目を浴びます。
人間の心理には、訳のわからないものや奇妙なものに興味を持ってしまう性質があります。その奇妙なものが自分にとって害のあるもの(敵)の可能性があるからです。
反対に、自分にとって敵か味方かわかっているものに対しては、脳のリソースを割きません。敵か味方かわかっているので、警戒する必要がないからです。意外性のある組み合わせの少し奇妙な音楽が、このような古くからの人間の性質によって、興味を持たせることに成功しています。
超A級「神バンド」の演奏が、最高のギャップに!
BABYMETALは革新的な音楽性だけでなく、トップレベルの演奏能力も高い評価を受けています。「神バンド」と言われるBABYMETALのサポートメンバーは、日本の凄腕スタジオミュージシャンを集めたバックバンド。音楽評論家のマーティ・フリードマンが「超A級」と評価するほどの、演奏力を持っています。
BABYMETALを最初に聴いたとき、その異質性から拒絶反応を起こした人が多いのではないでしょうか? 私もそうでした。アイドルがMETALを歌って踊り、意外性から注目を浴びたいだけのまがい物。正直、このように思っていました。
ただその後に見たライブ映像で、演奏レベルの高さにびっくりし、まがい物というイメージとのギャップからいっきに好きになっていった記憶があります。このような2つの側面の対比から生まれる効果を、コントラスト効果といいます。
世界的アーティストから熱烈オファー!
BABYMETALはYouTubeの『ギミチョコ!!』というMVをきっかけに、海外から注目されるようになります。そこからレディ・ガガ、メタリカ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズなど有名な世界的なアーティストと共演することで、人気が爆発。日本を含め世界中で熱狂的なファンが増加します。
BABYMETALは、有名な世界的なアーティストと共演することで社会的証明を得ました。社会的証明とは、人間は多数派の意見に従いやすいという心理的な法則。レディ・ガガなどの世界中にファンがいる人気アーティストと共演したことで、「レディ・ガガと共演するということはそれだけすごいバンドなのか?」という気持ちを起こさせ、人気が拡大していきました。
レディ・ガガのほかにも、ガンズ・アンド・ローゼス、ジューダス・プリーストなどの人気アーティストと共演し、ファンを増やしていっています。
BABYMETALが世界中で人気が出た理由を、心理学的な側面を含めて解説してみました。この記事を読んで興味をもった方は、ぜひBABYMETALの独自なサウンドを聴いてみてください!
(文・佐合良太)