大切な人とこれから一緒に同じ風景の中を歩いていく。その門出である結婚式で、大切にしたいのがBGM選びだと思う。二人だけではなく、両親やお世話になった人すべてにあたたかな気持ちになってもらえる結婚式は、きっと一生みんなの心に美しく残り続けるだろう。
今回は人とあまりかぶらなそうな曲を中心に、入場曲としておすすめの曲を5曲、退場曲としておすすめの曲を4曲紹介する。
あたたかな気持ちになる、おすすめの入場曲
『今を生きて』 ASIAN KUNG-FU GENERATION
青春のきらめきをそのまま閉じ込めたような爽やかで明るい曲。「美しくきらきらしている今をずっと忘れないでいよう」というメッセージを感じる。
普段音楽を聴かないという人にも親しみやすい曲調・テンポなので、入場曲にぴったり。
『かぞえうた』 ヒグチアイ
節約のためにお弁当を作ったり、暑くてもエアコンをつけなかったり、テレビのつけっぱなしをやめたり…。時々空を眺めて不安になり、そしてお母さんに背中を押される。大好きな人にプロポーズするまでの物語を、優しく紡ぐかぞえ歌。
日常の中に感じる愛がある。この曲は入場曲としてはもちろん、退場曲として使用しても素敵だと思う。
『式日』 ACIDMAN
ハレの日に相応しい、初夏の日差しのようなあたたかな曲。ここから始まっていく新しく美しく優しい出来事を、一生忘れないでいたいと思える。
この曲を知らない人にも馴染みやすいメロディー。タイトルの通り『式日』にふさわしい曲だ。
『愛のうた』 小林太郎
「あなたとならば一人より二人がいい」そんな気持ちを爽やかにやわらかく歌い上げたのがこの曲だ。
誰かを愛して一緒にいることは良いことばかりではない。一人でいたら味わうことのなかった苛立ちや悲しみ、困難も沢山あるだろう。二人は育った環境も価値観も違う、言ってしまえば「他人」だからだ。
でも、それぞれが今まで見てきた違う景色を持ち寄って、そこから同じ景色の中を歩き出すことはとても素敵なことだと思う。一人から二人になることで、そこから新しい風景が始まっていく、門出にぴったりの曲。
『ラストデイ』 きのこ帝国
ありふれた日々を大切に守っていくことを考えさせられる曲。少し落ち着いた曲調なので、おおげさに派手にしたくない、やわらかくしっとりした結婚式の入場曲におすすめ。
「いつまでもこの日々が続きますように」という祈りが、この先の二人を支えてくれるだろう。
美しい思い出になる、おすすめの退場曲
『フィルム』 星野源
いろいろあるけど、明るい未来がある、そんな予感がする。そんなことを穏やかに歌う曲。
相手を大切に想うこと、誰かを愛すること、愛されること…。そういったことは当たり前ではない。だからこそ、互いを尊重して同じ歩幅で歩いていくことを結婚式で誓うのだと思う。これはそんな結婚式の退場曲に相応しい曲である。
『Flowerwall』 米津玄師
大事な人と二人で生きていくことは、嬉しく愛しい反面、大変なことでもあると思う。結婚式では沢山の花が使用され、お祝いの形として二人を祝福するだろう。その花が二人の道を阻む壁になる時もあるし、その花が二人を守る壁になることもある。
でも、どんな時でも笑いあっていてほしい。これはそんな祈りのような歌であると感じる。
『怪獣の腕のなか』 きのこ帝国
少しだけ切なさを感じる歌詞とやわらかくあたたかみのあるメロディーは、退場曲を落ち着いた雰囲気の選曲にしたい二人にぴったり。
相手にだけは弱さをさらけ出せる。そして、お互いの足りない部分を補いあって生きていく。そうやって支えあって生きていくことが「結婚」なのだとしたら、それはとてもやさしく美しいものだと思う。
『Blue Bird』 Schroeder-Headz
綺麗で落ち着いたピアノの旋律。
二人の明るく美しい日々が、これから先もずっと続きますように。ここから全てが始まっていって、なにも終わることがありませんように。そういった感情をもって、この曲をおすすめの退場曲として選んだ。
音楽は時に花束になり、時に言葉になり、時に祈りとなる。
これから歩き出す二人が、自分たちの道が明るくあるようにという祈りと、支えてくれた周りの人たちへの感謝を込めて曲を選ぶ。それはとても美しく優しく、思わず泣いてしまいそうになる素晴らしいことのように感じる。
結婚式の準備というものは大変なことだと思うが、その過程も含めてきらきらした思い出になったらいいと思っている。この記事が何かの手助けになれば幸いだ。
(文・望月柚花)