
大阪府吹田市発のロックバンド、Messy last girl(メッシーラストガール)。「孤独を打ち消す」をテーマに音楽をかき鳴らす20歳のバンドである。
2026年3月4日(水)に1st Mini Album『本当を知らないまま』のリリースと、大阪府内2か所で初の自主企画ライブを控えている彼ら。いよいよアクセルを踏み込んだかに思えたが、メンバー2人が3月末での脱退を発表。激動の年始となった。
ただし、この変化はネガティブなものではない。バンドに残る藤原司(Vo./Gt.)は、「メンバーはひとりになったが“独り”ではない」と前を向き、4月以降も活動を止めないと宣言している。
現体制の3人から寄せられた最後の言葉たちとともに、Messy last girlの音楽観に迫っていこう。
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自分たちの“すべて”を詰め込んだ1st Mini Album

「Messy last girlを始めてから現在にいたるまでの“すべて”を詰め込んだような作品」と、1st Mini Album『本当を知らないまま』について藤原は語る。
これまでに培ってきた経験や技術、それに付随して出てくるいろんな感情、すべてを詰め込みました。作曲を担当する僕の意思と、ほかのメンバーの意思をすり合わせていくために、3人でたくさん時間をかけてコミュニケーションをとったと思います。(藤原 -Vo./Gt.)
1月に先行配信されたアルバム収録曲「ヒロイン」は、大切な人との別れに揺れる心を描いたミドルナンバー。以前の楽曲と比べて特出していると感じたのは、藤原の歌唱だ。ジェンダーニュートラルな声色のボーカリストが多い昨今のバンド界で、渋みを湛えた藤原の声はもともと目立つものだが、今回のアルバムでは高音も伸びやかになり、表現力に磨きをかけたことが伝わってきた。これから年齢を重ねてなお魅力を増すであろう歌声だ。
別れの只中を描きながらも、映画を観ているかのようにどこか客観性を帯びた歌詞。これは作詞担当のシロモトユウキ(Ba./Cho.)がもつ絶妙なバランス感覚によるものだ。
作詞では、できるだけ誰も書いていないことを題材にしたいと思っていて、聴く人それぞれが違う意味を感じられるように余白をつくることを意識しています。今回のアルバムに収録されているのは、自分が歌詞を書く際にとくにこだわっている部分が詰め込まれた楽曲ばかりです。(シロモト -Ba./Cho.)
作曲をするときは、“歌”が最大限に伝わるような楽曲にすることをいちばん大切にしています。歌うときも、言葉一つひとつにどれだけ感情を込めて歌えるかを重視していて、今回のレコーディングでもすごく意識しました。5曲それぞれの歌詞や歌声から読みとれる感情を、ぜひ聴いてほしいなと思っています。(藤原 -Vo./Gt.)
孤独を抱える“誰か”に向けて曲を作っている
3人は高校時代からの友人だ。藤原とシロモトは同じ高校のバンド仲間で、シゲ(Gt./Cho.)とは音楽の団体を通じて知り合ったという。高校を卒業した2024年春に初ライブ、2025年にはFM802 MINAMI WHEEL(ミナホ)の新人オーディションを勝ち抜き、同サーキットフェスに出演した。
バンドが掲げる「孤独を打ち消す」という言葉は、ともすれば幾ばくかの傲慢さをともなって耳に届くかもしれない。でも、彼らの楽曲と、藤原の想いを知れば、それが単なる気休めの励ましでないことがよくわかる。
彼らの楽曲には、「君はひとりじゃない」とか「寂しいときはそばにいる」とか、そういう類のフレーズはいっさい出てこない。主人公はいつも物語のなかにいて、寂しさや虚しさや言語化できない感情を抱えながら、後ろを振り返ったり前を向こうとしたりする。
近年の楽曲は、アーティスト自身の内面や体験を綴り、それにリスナーが共感する形のものが多いように思います。一方で僕たちは、『世の中にはこんな理由で孤独を感じている人がいるだろう』と想像し、その誰かに向けて曲を作っています。孤独を抱える人の心に、少しでも寄り添える存在でありたい。そういう想いが僕たちの音楽の根底にあります。
ライブの最中、涙を流しながら曲を聴いてくれているお客さんを目にしたり、ライブ後に『Messy last girlの曲に救われている』と声をかけてもらったりすることがあって。そういうとき、自分たちは少しずつでも誰かの心に寄り添える存在になれているのかな、と感じます。(藤原 -Vo./Gt.)
リスナーは最初、彼らの音楽とともに生きること、あるいは彼らの音楽に登場する主人公とともに生きることで、自分のなかの孤独感を和らげていくのだろう。ただし、Messy last girlが本当にめざすのは、きっとそこではない。孤独感が和らぎ、少しずつ立ち上がれるようになり、ふと、ひとりで歩ける気がする。ひとりで歩いてみたいと思う。そうなってはじめて人は「孤独を打ち消す」ことに成功するのだと、彼らは知っている。
Messy last girlの強さは、自分たちの音楽を届けたい“誰か”が明確に存在すること。そして、“誰か”がいずれひとりで歩けるようになるまで、寄り添う覚悟をもっていること。その“誰か”の解像度は、これから彼らが年齢を重ね、酸いも甘いも噛み分けることで、よりいっそう研ぎ澄まされていくだろう。それは彼らの音楽が今後、 “誰か”の心をもっと深く救うものになることを示唆している。
支えてくれる人たちと一緒にすごい景色を見たい

photo by @Ddddaigo2005(X) @d_8825_(Instagram)
アルバムリリースにともない、3月には関大前TH-R HALLと堺Tick-Tuckで初の自主企画ライブを開催するMessy last girl。両日とも、関西発の若手バンドを複数組招いてのイベントとなる。
シロモトとシゲにとっては最初で最後の自主企画。当日への想いを聞いた。
結成から2年近く経ち、最近はバンドからよりよい楽曲が生み出されていくのを常々実感していました。一人ひとりの想いがぶつかり合って、ひとつのものになっている感覚。ライブではそれをみなさんに届けたいです。(シロモト -Ba./Cho.)
ギタリストとしては、自分がギターを楽しく弾かないとお客さんにも気持ちを届けられないと思っているので、当日も思いっきり弾きます。(シゲ -Gt./Cho.)
4月から実質ひとりでの活動となる藤原は、Messy last girlとしての歩みを止めないように体制を整えていく旨をSNSで発表しており、すでに4月以降のライブも解禁されている。Messy last girl 2.0の幕開けとなる2026年を、いま、どのような想いで見据えているのか。
結果にこだわった1年にしたいです。ありがたいことに、僕たちを支えてくれる方がたくさんいるので、その方たちと一緒にすごい景色を見られるように結果を出していきたい。
そのためにも、まずは僕たちの存在を広く知ってもらうことが大切だと思っています。SNSでの発信はもちろん、さらに数多くのライブを重ね、その1本1本を大切にしながら常に全力でステージに立ちたいです。(藤原 -Vo./Gt.)
いずれは、地元の吹田市にあるメイシアターの大ホールをMessy last girlのお客さんでいっぱいにすることを目標にしている藤原。キャパ、全1,382席。そのすべての席が、Messy last girlの音楽とともに生きる“孤独ではない”人たちで埋まる光景を、見てみたいと思う。
Messy last girlにとってはじめての自主企画、素晴らしい夜にして必ずあなたの孤独を打ち消します。大好きなライブハウスと大好きなバンド、そしてご来場いただけるあなたと僕たちで、かけがえのない1日を作りましょう。(藤原 -Vo./Gt.)
(取材/文・三橋温子)
PROFILE

Messy last girl(メッシーラストガール)
平均年齢20歳、大阪吹田発・孤独を打ち消すロックバンド。高校の同級生であった藤原とシロモトを中心に結成。2024年4月8日に京都MUSEにて初ライブ。十代白書2025 京都MUSE予選大会出場、COMING KOBE25 オーディション関西在住10代部門【悪魔の子供2025】にて準グランプリ獲得。FM802 MINAMI WHEEL 2025 -New Age- FINALにて優勝を果たし、FM802 MINAMI WHEEL 2025出演。2026年3月に1st Mini Album『本当を知らないまま』をリリースし、初の自主企画イベント「孤独とともに」を関大前TH-R HALLと堺Tick-Tuckで開催。
メンバー
藤原司(Vocal / Guitar)
シロモトユウキ(Bass / Chorus)
シゲ(Guitar / Chorus)
※シロモトとシゲは2026年3月末で脱退
活動開始
2024年
主な活動拠点
大阪府
HP / SNS
X @LastMessy62203
Instagram @messy_last_girl
YouTube @messy_last_girl
TikTok @messylastgirl
RELEASE

1st Mini Album
『本当を知らないまま』
リリース日:2026.3.4 Wed
形態:配信・CD
収録:5曲
LIVE

1st Mini Album
『本当を知らないまま』Release Event
「孤独とともに」
【Day1】2026.3.12 Thu
関大前TH-R HALL
w/ Liver Shot、Innate Goodness、なよなよボーイズ、オワリモノ
ticket/ 学生無料、一般¥2,000(ともに+1Drink)
【Day2】2026.3.23 Mon
LIVEHOUSE 堺Tick-Tuck
w/ KAKUSEI HYPER、タイガーリー、竹姫、Amazing Barrier Reef
ticket/ 学生無料、一般¥2,000(ともに+1Drink)
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