関ジャニ∞の冠番組「関ジャム 完全燃SHOW」は、様々なアーティストをゲストとして迎え、ジャム・セッションやトークをするテレビ朝日系の音楽番組で、ツウから初心者までの幅広い音楽ファンが注目している。
2020年1月の放送では音楽プロデューサーのいしわたり淳治、蔦谷好位置、mabanuaそれぞれの選ぶ2019年の楽曲ベスト10が発表された。今回は各プロデューサーのベスト10と、それぞれの中から個人的に気になる3組のアーティストをピックアップして紹介する。
いしわたり淳治の選ぶベスト10
1. milet 『us』
忘れらんねえよは2008年に結成されたロックバンド。『だっせー恋ばっかしやがって』は、2019年発売のフルアルバム『週刊青春』に収録されている楽曲だ。
誰かに恋することの楽しさや不安な気持ち、好きな人の前ではどうしたってダサくなってしまうことが真っ直ぐに歌われており、特に青春真っ只中の10代後半のリスナーから共感をよんでいる。
3. 菅田将暉 『キスだけで feat.あいみょん』
幅広い世代から絶大な人気を集めているRADWIMPS。『愛にできることはまだあるかい』は2019年のアニメ映画『天気の子』の主題歌として話題になり、多くの人の耳に届いた。
愛という感情は普遍的だが、その感情や対象・形式は人によって全く違うものでもある。誰もがそれぞれ全く違うかたちで持っている愛を否定することなく、すべて丁寧につつみこみ壮大なスケールで優しく歌い上げたのがこの曲だ。
美しい映像のMVも見応えがあるので、楽曲だけではなくそちらも併せて楽しむのがおすすめ。
Mrs. GREEN APPLEは2013年結成の5人組ロックバンド。『ロマンチシズム』は人が人を好きになるということの喜びをドラマチックに表現している楽曲だ。
片想いソングにありがちな切ない気持ちをあえて主題にせず、誰かを好きになることの素晴らしさをポジティブに歌っている。
6. =LOVE 『ズルいよ ズルいね』
7. B’z 『兵、走る』
8. amazarashi 『未来になれなかったあの夜に』
9. back number 『HAPPY BIRTHDAY』
10. 槇原敬之 『だらん』
蔦谷好位置の選ぶベスト10
1. Official髭男dism 『Pretender』
1998年生まれの若き才能あふれるアーティスト・長谷川白紙。2016年の活動開始からわずか数年でその独特な音楽性が高く評価され、注目を浴びている。
長谷川白紙の楽曲は音楽についての深い知識がない人間には理解することが難しいと感じていたが、今回の楽曲『あなただけ』は違った。
少しの違和感・先への興味を持たせること。そして予測不可能な曲展開。次の瞬間どんな音が鳴るのかわくわくして聴いていると、あっという間に曲が終わる不思議な作品。
君島大空は1995年生まれの音楽家。『遠視のコントラルト』はひとくせあるアンニュイな歌メロ、退廃的な美しさのある楽曲。
4. milet 『inside you』
5. 宇多田ヒカル & Skrillex 『Face My Fears』
6. 宮本浩次 『Do you remember?』
7. Omoinotake 『Blanco』
2012年から活動を始めたバンド・緑黄色社会。個性的でキャッチーなメロディーとボーカル・長屋晴子のエネルギッシュでパワフルな歌声は、多くのリスナーの心を掴んで離さない。
『sabotage』は2019年放送のテレビドラマ『G線上のあなたと私』の主題歌で、疾走感のある爽やかな楽曲である。
9. iri 『東へ西へ』
10. YOSHI 『RIDING ON TIME』
mabanuaの選ぶベスト10
1. RADWIMPS 『愛にできることはまだあるかい』
2. Billie Eilish 『bad guy』
3. Official髭男dism 『宿命』
4. 長谷川白紙 『あなただけ』
いま日本でサカナクションの名前を知らない人はあまりいないだろう。
圧倒的な個性を爆発させながらトップを走り続けているサカナクション。『忘れられないの』は、歌謡曲のような懐かしく親しみやすい楽曲で、幅広い世代のリスナーにヒットしている。
6. Maroon 5 『Memories』
BLACKPINKは2016年結成の韓国の女性4人組アーティスト。2019年と2020年をまたいでワールドツアーを行い、世界から注目されている。
『Kill This Love』は打音的な発音の韓国語の良さを最大限に活かした楽曲で、可愛らしい甘さを一切出さず、クールで格好いい強さを前面に押し出している。
8. DYGL 『A Paper Dream』
ヒップホップやR&Bをベースにしているが、枠におさまらない新しい音楽を作るアーティスト。『Pool』はお酒を飲んでゆっくりチルアウトしたくなるような、それでいて踊りたくなるような不思議な構成の楽曲だ。
10. Samm Henshaw 『Church feat.EARTHGANG』
プロデューサー3人がそれぞれピックアップしたベスト10の楽曲は、結構な確率で被るのではと思ったが案外そうではなく、非常に興味深かった。
その年に良かった音楽を10曲選ぶというのはそれ自体がなんだか面白い。
これを読んでくれているあなたも個人的に2020年のベスト10を作成して、敏腕音楽プロデューサーたちのベスト10と照らしあわせてみてほしい。きっと楽しいし、まだ見ぬ新たな音楽との出会いがあるかもしれない。
(文・望月柚花)