【イネムリだるまインタビュー&ライブレポ】 会場をひとつにする魂の咆哮! 心を揺さぶるメッセージは一見の価値アリ

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2020年1月8日(水)、大阪心斎橋にあるライブハウス『心斎橋FANJ』にて行われた、イネムリだるまの2020年一発目のライブを取材してきた。メンバー3人のインタビューと、熱気と想いのこもったライブのレポートをお届けする。


心の叫びを等身大で届けてくれる、
大阪発のギターロックスリーピースバンド『イネムリだるま』とは?

中嶋晟皓(ナカシマセイコウ/Gt.Vo.)、桒原拓実(クワハラタクミ/Dr.Cho.)、村瀬烈(ムラセレツ/Ba.Cho.)によって2017年に結成され、大阪を拠点に活動するスリーピースギターロックバンド『イネムリだるま』。

レーベルに属さずにフリーでありながら、MVの公開や音源リリースなど精力的に活動を続ける。ストレートな歌詞とキャッチーなメロディを熱く歌い上げる、メロディックなギターロックが特徴だ。

バンド形式だけでなく、中嶋晟皓(Gt.Vo.)のみで弾き語りライブに参加するなど、柔軟な活動で着実に知名度を上げており、今後さまざまなイベントで目にすることが増えてくるであろう注目のバンドである。

INTERVIEW
「この3人だからこそ、言葉や想いをしっかり伝えていけると思う」

左から、桒原拓実(Dr.Cho.)、中嶋晟皓(Gt.Vo.)、村瀬烈(Ba.Cho.)

――よろしくお願いいたします! すごく気になっているのですが…まず最初にバンド名の由来について教えてください。

村瀬烈(Ba.Cho.): 言われるわなぁこれは(笑)

中嶋晟皓(Gt.Vo.): 英語のバンドってすごい多いから、英語にはしたくなくて。だから日本語にしたかったんですよね。

村瀬(Ba.Cho.): で、「だるま」が出てきたんよな(笑)

桒原拓実(Dr.Cho.): そうそう! 日本っぽいし、ちょっとかっこいいし(笑)

中嶋(Gt.Vo.): そう! で、実は俺ら今は熱く熱唱してますけど、最初オリジナルのコミックバンドやろうって言って集まったんですよね。けど、すぐに「俺の声にあってない。俺らのやりたいことはこれじゃないかもしれない」って気づいたんですよ。

村瀬(Ba.Cho.): 一回ライブでやって大スベりしたしな(笑)

中嶋(Gt.Vo.): そうやな(笑)。普通にオモロイことが好き、お笑いが好き、そんな気持ちでコミックバンド始めることになってバンド名決めるとき、さっきの「だるま」に合わせるとしたらって考えたときに「イネムリ」ってなんかオモロイというか、可愛いなってなったんですよ。

桒原(Dr.Cho.): お茶目な感じやしな。

中嶋(Gt.Vo.): そうそう。しかもほら、だるまって倒れても起き上がるじゃないですか。でも俺たちはそんなに何度も倒れては起き上がれるほど屈強じゃないかもしれないから、とりあえず居眠りをさせようってなったんです。だから「イネムリだるま」にしました。

桒原(Dr.Cho.): そんな何度も起きて来ぉへんよってね(笑)

中嶋(Gt.Vo.): 英語で変にカッコつけた感じにするんじゃなくて、まず覚えてもらいやすいし、オモロイしってことでこの名前でコミックバンド始めたわけです。で、すぐに今のジャンルに路線変更したんですけど、バンド名はそのまま引き継ぎました。だから今でも初めて対バンする人とかがリハで聴いてくれて「いや、お前らギターロックなんかい!笑」って言われるし、そういうギャップもなんか気に入ってます。

村瀬(Ba.Cho.): バンド名だけ見た人からは、イロモノで、めっちゃアホみたいなことするバンドやと思ってたって言われるもんなぁ(笑)

中嶋(Gt.Vo.): 日本語日本語言ってるけど、僕が作ってるグッズは、「イネムリだるま」の略称「イネだる」をローマ字にした「INDR」ってロゴを使うこともあります。ほら、今着てるTシャツもグッズなんですけど、こういうところはローマ字でいってるんですけどね(笑)

――グッズは(中嶋)晟皓さんが作ってて、曲も晟皓さんが作ってるんでしたよね? 曲作りってどんな感じでやっているんですか?

中嶋(Gt.Vo.): セッションでゼロから作るというより僕が弾き語りで持ってきて、バンドにイメージを伝えて3人で組み立てる感じです。だからバンドでやったときにガバっと変わった曲たちもいて面白いですね。

桒原(Dr.Cho.): 僕らは全然作れないので丸投げです(笑)

――この3人だからこそのアレンジになってるってことですね。最近4人5人編成のバンドが多い中、あえてのスリーピースっていうのはやっぱりそういう曲作りでも生きているのでしょうか?

中嶋(Gt.Vo.): 僕が一番好きなバンドがMr.Childrenなんですけど、ミスチルにしたって最小人数で再現しようとしたらギター・ベース・ドラムの3人なんですよね。そんな最小人数でやってめっちゃかっこいいバンドができたら、それってやっぱりかっこいいなって思うんですよ。

村瀬(Ba.Cho.): 初耳〜(笑)

中嶋(Gt.Vo.): やっぱかっこいいんですよ、3人って。それにこのメンバー以外が来るってのも考えられないし、この中の誰かが抜けるってなったら、多分このバンドは無くなる気がします。

村瀬(Ba.Cho.): サポートメンバーとかってのも、なんか想像できひんなー。たまに欲しいって思うときあるけど、でももうひとり増えるとかも全然考えられへん。

中嶋(Gt.Vo.): 今はやりたいことが3人でできてるし、僕の作る曲が3人で実現できる曲になってるのもあるし、3人がいいなって思います。それに、4人やとステージでドラムに真ん中の人が被るじゃないですか。あれも嫌なんですよ。写真に写らんし、よく見えないし。ドラムが毎回、ライブ写真見て悲しむっていうね(笑)

桒原(Dr.Cho.): めっちゃわかる(笑)。僕もスリーピースが好きな理由は、一番いい景色を特等席で、しかも視界良好で見られるし、お客さんから見てもドラムが真ん中でドンとしてるところがあるからですね。

村瀬(Ba.Cho.): ベースにしても、広くて動き回れるからパフォーマンスの幅が広がりますしね。

中嶋(Gt.Vo.): それに僕らの曲って、言葉をしっかり届けたいって思いも強くって。そうなると、音数の少ないスリーピースだからこそスッと声が届くんじゃないかって思ってます。いかに歌詞が聴こえるかってことを大切にしてるんですよ。

――ありがとうございます!最後に、告知などありましたらどうぞ!

中嶋(Gt.Vo.): 今、新曲のレコーディングをしているので今年中にお届けできると思います!

村瀬(Ba.Cho.): サブスクの配信もしていこうと思ってるので、これからも応援よろしくお願いします!

桒原(Dr.Cho.): 僕らの企画ライブもありますし、Twitterでの告知をこれからもチェックしておいてください!

LIVE REPORT
「あなたの眠気を覚ましにきました! イネムリだるまです!」

中嶋晟皓(Gt.Vo.)

「あなたたちが今日終わって寝るときに、俺らを思い出したくなるような、忘れたくないような、そんな1日にしよう! 2020年の初ライブ、そんな時間を一緒に作っていきたいと本気で思ってます! いろんなことがある1年だと思うけど、俺たちは希望を、元気をステージから伝えていくから、みんな楽しんでいこうぜ! 今日はよろしく!」

冒頭で中嶋晟皓(Gt.Vo.)の想いが語られてから1曲目、イントロレスでサビから入る『日情』でライブがスタートし、会場のボルテージは一気に加速していく。そのままの勢いで2曲目『セイコウ論』へと続き、「楽しんでいこうぜ! 誰も置いて行きたくないんですよ!」というMCでオーディエンスをまとめあげ、さらに会場をイネだるワールドに染め上げる。

村瀬烈(Ba.Cho.)

「新年一発目ということで、初めましての方もたくさんいると思います。俺たちは、俺たちが楽しいと思える、あなたが見てよかったと思えるライブをするから! ついてきて!」

ライブ中、イントロや間奏などで中嶋晟皓(Gt.Vo.)が語りかける想いはとてもストレートで、自分たちの言葉で伝えよう、届けようとしていることが見るものの心を打ち、心に染み渡って行くようだった。

それは、決して投げやりな言い方ではなく「自分たちが先頭を走るから、あなたたちも一緒に進んでいこう!」という願いのような、優しさに満ちた言葉なのだ。彼らの言葉は、「いろいろな人がいるけど誰もが悪くなくて、だからそれに悲観することなく、自分を信じて前を向いていこう」という希望を私たちに提示してくれる。

桒原拓実(Dr.Cho.)

未来があるから頑張れるのは間違いない。

でも、だからといって輝かしい未来を信じて今をおろそかにするわけじゃない。

来るかどうかわからない未来を考えて今が苦しいのなら考えるのをやめて、今どうしたいかを考えて、それに身を委ねてほしい。今歌いたいから自分たちは歌う。だから、あなたも聴きたいと思うなら今ここにいて欲しい。

ライブ中、曲やMCでオーディエンスに向けて語られる言葉は、常にそういう希望に満ちたものだった。それのどれにも嘘はなくて、すべて自分の言葉で届けてくれる。等身大で寄り添ってくれる彼らのような存在によって、救われる人はたくさんいるのではないだろうか。

自分がどう生きたいのかということに悩む人は多いと思う。そんな、心の弱ったところに彼らの楽曲はスッと入ってきて、励ましてくれるのだ。

「あなたの大切になりたいわけじゃない。あなたの大切なものを気づかせる存在になりたい」

彼らが言ったこの言葉は、きっと多くの人に届くことだろう。これからもたくさんの人たちに等身大の言葉で寄り添い、希望と勇気を届けてくれるバンド、イネムリだるま。今後の活動に注目して欲しい。

(取材/撮影/文・倉田航仁郎)

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TODAY’S SET LIST
  1. 日情
  2. セイコウ論
  3. 灯台下暗し
  4. 約束と夜明け
  5. 人生紀行

LIVE INFORMATION

2020年3月のライブ情報は以下の通り。随時更新・追加されるので、詳細はイネムリだるま公式サイトへ。

3月18日(水) 人間力vol.2
@心斎橋FANJ
時間:開場 18:00 / 開演 18:30
料金:前売 ¥2,000 / 当日 ¥2,500
(入場時に別途ドリンク代¥600必要)
出演:w/ mokuren / THE Bubblicious / A very pafa / 水になれば、
3月23日(月) 心斎橋BRONZE × 岡山CRAZYMAMA 2nd Room pre. PRISIDE
@岡山CRAZYMAMA 2nd Room

時間:開場 18:00 / 開演 18:30
料金:前売 ¥1,500 / 当日 ¥2,000
(入場時に別途ドリンク代¥500必要) 
出演:w/ SherLock / hananashi / アルステイク/ pyro penguin / Siberian Husky
3月24日(火)心斎橋BRONZE × 岡山CRAZYMAMA 2nd Room pre. PRISIDE
@心斎橋BRONZE

時間:開場 17:30 / 開演 18:00
料金:前売 ¥1,500 / 当日 ¥2,000
(入場時に別途ドリンク代¥500必要)
出演:w/ SherLock / hananashi / アルステイク/ pyro penguin / Siberian Husky
3月25日(水)RIOT!RIOT!RIOT!
@北堀江club vijon

時間:開場17:00 / 開演17:30
料金:前売¥2,400 / 当日¥2,900
(入場時に別途ドリンク代¥600必要) 
出演:w/ 尾崎リノ/ otter hangout / anica / Bye-Bye-Handの方程式/ セネカ/ asmi / サワコ(my sister circle)

PROFILE

イネムリだるま

2017年に結成され、大阪を拠点に活動するスリーピースギターロックバンド。レーベルに属さずにフリーでありながら、MVの公開や音源リリースなど精力的な活動から目が離せない。2ndDemoSingle『セイコウ論/明日には』がライブ会場で発売中。