ギタリストが解説! ギター初心者が好きな曲を弾けるようになるまでのポイント

佐合 良太

佐合 良太

「ギタリストが解説! ギター初心者が好きな曲を弾けるようになるまでのポイント」のアイキャッチ画像

「好きなアーティストのあの曲が弾けるようになりたい!」

このように好きなアーティストの曲が弾けるようになりたくてギターを始めた人が多いのではないでしょうか? 私も最初は「B’zの曲が弾けるようになりたい!」と思いギターを始め、弾けるようになったときの感動は今でも覚えています。

ただギターは簡単な楽器ではないので、やみくもに練習していても上手くならないもの。そこで今回は、ギターを始めたばかりの人が好きなアーティストの曲が弾けるようになるまでのポイントを解説したいと思います。


ギターの練習を始める前の準備

❶ チューニングをしっかりしよう

チューニングとは、ギターの各弦の音程を決められた高さに合わせていく作業です。弦を張り替えた後はもちろん、練習する前には必ずチューニングする必要があります。

その理由は、ギターを部屋に置いているだけでも、気温や湿度でチューニングがずれてくるから。そのままチューニングがずれた状態で練習すると、耳が間違ったチューニングの音に慣れてしまい、正確な音が判断できなくなってしまいます。そうならないように、練習の前には必ずチューニングをしましょう!


❷ ギターをアンプに繋げよう

チューニングが終わったらギターをアンプに繋げましょう。まず、ギターとアンプをシールドケーブルを使って接続します。アンプの「Volume」「Gain」が0になっているか確認してから、電源を入れます。

少しずつアンプの「Volume」「Gain」を上げていき、音量を調整。音の明るさも「Treble」「Mid」「Bass」などで自分好みに変えていきます。これで準備が終わりました。早速、練習していきましょう!

効率的に上達するためのポイント

❶ 最初に選ぶべき曲は?

好きなアーティストの曲ならなんでもいいです! と言いたいところですが、初心者はテンポが速い曲は避けたほうが無難。

効率よく上達するためには、正しいフォームが重要。いきなりテンポが速い曲を練習してしまうと、悪い癖がつくやすく、上達の妨げになってしまいます。なので、最初は好きなアーティストの曲で、テンポが速くなくシンプルなものを選ぶようにしましょう!


❷ 左手の指に独立性を持たせる

ギターの演奏の中で左手の役割は、弦を指で押弦し、音程を決めることです。各弦を人差し指から小指の4本を使い、スムーズに押弦することで滑らかに音を鳴らすことができます。

スムーズに押弦できるようになるためには、個々の指に独立性を持たせることが大切。ギターを始めたばかりの人は、小指と薬指が一緒に動いてしまうもの。そこで、不自由な指を解消するために「クロマチック」というエクササイズをしましょう!

クロマチックとは半音階のスケールを押さえていく運指練習のこと。ギターの1~4フレットを人差し指~小指の順番で押さえていき、それぞれでピッキングします。その運指のパターンで、1フレットずつポジションを上げていき、12フレットまでいったら1フレットずつ下げていきます。このクロマチックの練習を繰り返しすることで、左手の指を自由自在に動かすことができ、スムーズに押弦できるようになります。


❸ 右手のピッキングの基本を覚える

ギターの演奏の中で右手の役割は、弦をピックで弾き、音を鳴らすことです。初心者の人は最初は左手が思うように動かないので、右手の方が簡単と思うかもしれませんが、実はそうではありません。ピッキングの細かい強弱やニュアンスなど、右手はとても繊細な技術が必要です。

ただ、いきなりこのような繊細な技術を身につけることは不可能。なので最初は、基本的なピッキングの仕方を覚えていきましょう。

まずピックの持ち方から学んでいきます。人差し指と親指でピックを挟みます。人差し指の延長線上にピックの先が来るようにし、先端が1センチほど出ている状態が理想。力を入れず軽く持つことも大事です。

次は弾き方。基本的にはピックの先で弾くようにします。弾くときは、ピックが弦に対して並行になることも重要。ニュアンスを変えるためにピックのアングルを変える弾き方もありますが、まずは基本的なピッキングの仕方を覚えてください。


❹ 好きなアーティストの曲を練習しよう!

ここまでの練習で好きなアーティストの曲を練習するうえでの土台が身についたと思います。左手がある程度、自由に動かせるようになり、基本的なピッキングの仕方を覚えたら、曲の練習に入っていきます。

まずは譜面を見ながら曲をコピーしていきましょう。難しいと感じる場所は飛ばしてもオッケー。ひととおりコピーしたら譜面だけを見て練習するのではなく、曲をしっかり聴き込んで自分の演奏との違いを見つけていきます。例えば、「音に強弱がついている」や「休符の場所はしっかり音を止めている」など聴き込むほど違いが見えてくるはず。

また、自分の演奏を録音することもおすすめ。客観的に自分の演奏を聴くことができ、曲との違いが明確になります。課題がはっきりしたらそこを意識して練習する。これを繰り返していくことで、どんどん上達していきますよ。


ギターを始めたばかりの人が好きなアーティストの曲を弾けるようになるまでの効率的な練習方法を紹介しました。先に左手と右手の基礎を身につけることで、曲の練習がスムーズにできると思いますよ。

(文・佐合良太)