2019年も大詰めの12月30日。幕張メッセで4日間にわたり開催されるCOUNTDOWN JAPAN(カウントダウンジャパン)の3日目は、今年再結成し話題となったNUMBER GIRLをはじめ、世代もジャンルもさまざまなアーティストが出演する。
好きなアーティストのライブ納めとして楽しむことはもちろん、気になっていたアーティストを観てみる…なんてお試しができるのも大型フェスの魅力。ここでは10組をピックアップして定番曲などを紹介していくので、ぜひ予習に活用いただけたらと思う。
ウルフルズ
1988年結成の4ピースバンド。1996年の9thシングル『ガッツだぜ!!』で大ブレイクし、ミリオンセラーや紅白歌合戦出場も果たした日本を代表するロックバンドだ。ロック・ファンク・ポップなど多彩なジャンルを織り交ぜたキャッチーな楽曲が人気。2009〜2014年に一度活動休止しており、2018年からはGt.ウルフルケイスケがソロ活動に専念するため活動休止している。
- 『ガッツだぜ!!』
ブレイクのきっかけとなった9thシングル。小室哲哉からのアドバイスを機に、Vo./Gt.トータス松本がディスコサウンドをイメージしてつくったという曲。
- 『バンザイ 〜好きでよかった〜』
フェスでは1曲目に演奏されることが多い10thシングル。20年以上前に生まれたとは思えない、時代を超えて愛される珠玉のラブソング。
- 『笑えれば』
夢を追い続ける大人が抱える焦燥感や虚無感を描く24thシングル。ライブでは涙する人も多い。
- 『ええねん』
関西弁のストレートなメッセージが背中を押してくれる25thシングル。
- 『リズムをとめるな』
2019年リリースの5th配信シングル。ミドルテンポのメロから力強いサビへと向かっていく、ウルフルズらしい人生の応援歌。
KEYTALK(キートーク)
2007年結成の4ピースバンド。少し掠れ気味の声がセクシーなVo./Gt.寺中友将と、少年のようなハイトーンボイスのVo./Ba.首藤義勝という、声質の異なるツインボーカルの掛け合いが魅力。コミカルでダンサブルな曲のイメージが強いが、鋭いロックナンバーや切ないバラードも得意。オーディエンスがダンスやクラップをする曲も多いので、まわりの動きを盗み見ながら一緒に楽しもう。
- 『MONSTER DANCE』
フェスではラストを飾ることが多い、メジャー3rdシングルであり代表曲。サビのダンスは恥ずかしがらず思いきり踊るのがおすすめ。突然の変調やホイッスルなど、曲自体もかなりパンチがきいていて「すごい」の一言。
<MVでダンスをCHECK>
- 『MATSURI BAYASHI』
こちらもオーディエンスみんなで踊る、今年を締めくくるフェスにふさわしい8thシングル。
<MVでダンスをCHECK>
- 『FLAVOR FLAVOR』
大切な人との別れを甘酸っぱい詞と曲で描いた4thシングル。Bメロでクラップが入る。Cメロの「♪ああ 眠りの海に潜って」からのメロディが伸びやかで美しい。
- 『桜花爛漫』
テレビアニメ『境界のRINNE』オープニングテーマに起用された、どことなく哀愁が漂う5 thシングル。サビでクラップが入る。
- 『BUBBLE-GUM MAGIC』
2019年リリースの15thシングル。ファンクなムードに体が自然と動き出す、KEYTALKの新たな一面が垣間見える1曲。
Cocco(コッコ)
1996年より活動するシンガーソングライター。絵本作家、エッセイスト、映画・舞台などの女優といったさまざまな顔をもつ。歌手活動休止を宣言した2001年、『ミュージックステーション』出演後に突然スタジオから走り去った姿が話題に。2004年に活動を再開し、今年10月には3年ぶりのオリジナルアルバム『スターシャンク』をリリース。『ミュージックステーション』3時間スペシャルにも出演し、Twitterでトレンド入りを果たした。
- 『強く儚い者たち』
Mステスペシャルでも歌われた2 ndシングル。人間の弱さと強さ、真実の愛とはなにかを考えさせられる代表曲。
- 『Raining』
澄み渡る青空を彷彿とさせるメロディと、胸を打つ詞とのコントラストが秀逸な3rdシングル。
- 『樹海の糸』
発売から17年後の2016年にテレビドラマ『運命に、似た恋』の主題歌に起用された5 thシングル。イントロが流れるだけで鳥肌が立ってしまう名曲。
- 『海辺に咲くばらのお話』
Coccoの切なくも伸びやかな歌声が映える、最新アルバム『スターシャンク』収録曲。
- 『願い叶えば』
明るくポップな世界観の、同じく『スターシャンク』収録曲。息子Kotoさんと共演したMVにも注目!
<『願い叶えば』MV>
サカナクション
2005年結成の5ピースバンド。ロックやエレクトロなどさまざまなジャンルを融合した独自の音楽が人気。映画『バクマン。』劇伴の日本アカデミー賞最優秀音楽賞受賞、コミカミノルタプラネタリウムとの『サカナクション グッドナイト・プラネタリウム』タイアップ、野外レイヴイベント『SAKANATRIBE NF CAMP in JOIN ALIVE』主催など、従来の枠にとらわれない精力的な活動で注目を集めている。
- 『アルクアラウンド』
バンドの存在を広く知らしめた2ndシングル。Bメロでクラップが入る。映像ディレクター・関和亮が監督を務めたMVは、数々の賞を受賞している。
<『アルクアラウンド』MV>
- 『アイデンティティ』
フェスのラスト、もしくはアンコール前の本編ラストに演奏されることの多い3rdシングル。オーディエンスみんなが手を左右に振るサビでの光景はライブならでは。
- 『新宝島』
映画『バクマン。』の主題歌となった11 thシングル。ポップでどこかレトロなダンスチューン。
- 『忘れられないの』
2019年リリースの13thシングル。80年代を彷彿とさせるナンバーで、当時出始めていた縦型の8cmシングルとしてリリースされた。
- 『モス』
『忘れられないの』収録曲。テレビドラマ『ルパンの娘』主題歌に起用された。
四星球(スーシンチュウ)
2002年結成の4ピースバンド。「日本一泣けるコミックバンド」をテーマに、白ブリーフにハッピ姿(ときには全身タイツや仮装)でライブを行なう。コミカルな楽曲はもちろんだが、抱腹絶倒の軽快なMC、会場全体で盛り上がるコール&レスポンスや振り付けなど、とにかく楽しいライブが特徴。CDJ1819ではMOON STAGEのカウントダウンを務め、他バンドのメンバーらを交えた賑やかなステージを披露した。
- 『クラーク博士と僕』
バンド初期から演奏されていた、大人として生きることへの不安や理想とのギャップをエモーショナルに描いた代表曲。サビはみんなで一緒に歌おう。
- 『Mr.Cosmo』
憎めない「おっさん」が主人公の2ndシングル。曲中にはUFOを呼ぶ茶番劇が盛り込まれる。
- 『運動会やりたい』
5thアルバム『出世作』収録曲。オーディエンスを紅白に分けて「もも上げ対決」をさせるなど、歌というよりもはや運動会?な曲。
- 『鋼鉄の段ボーラーまさゆき』
四星球のライブに欠かせない段ボール作品を手がける、Gt.まさやんにスポットライトを当てた8thシングル。「まさゆき!」「竹田!」の合いの手をお忘れなく。
- 『言うてますけども』
7thアルバム『SWEAT 17 BLUES』収録曲で、9thシングル。サビの「♪言うてますけども」のパートでは「カッコイイ!」と連呼するのが定番。
NUMBER GIRL(ナンバーガール)
1995年結成の4ピースバンド。オルタナティブやハードコアをミックスした独特のサウンドと、ZAZEN BOYS としても活動するVo./Gt.向井秀徳のシャウト混じりの歌が、観る者の心を激しく掻き立てる。2002年に解散するも、2019年2月に再結成を発表。17年ぶりのステージとなるはずだったRISING SUN ROCK FESTIVAL 2019の初日が台風で中止となってしまったため、今回のCDJでのリベンジを待ちわびているかたも多いのでは。
- 『Omoide In My Head』
1996年にカセットテープでリリースされた曲。今年、みずほフィナンシャルグループのCMソングにもなった。
- 『透明少女』
メジャーデビュー曲となった2ndシングル。向井の歌詞センスが光る爽快なナンバー。
- 『DESTRUCTION BABY』
音楽プロデューサーのデイヴ・フリッドマンとタッグを組んだ3rdシングル。今年11月にアナログシングルとして再リリースされた。
- 『鉄風 鋭くなって』
5thシングル。冷静な中に秘めた狂気を感じさせる、20年近く経ったいまでも最高にかっこいい1曲。
- 『タッチ』
2ndアルバム『SCHOOL GIRL DISTORTIONAL ADDICT』の1曲目を飾るナンバー。
ネクライトーキー
2017年結成の5ピースバンド。2020年にメジャーデビュー予定。Vo./Gt.もっさのキュートな歌声とメンバーらの演奏技術、そして一度聴くと忘れられないキャッチーな楽曲で、若いファンを中心に人気を集めている。2019年はARABAKI ROCK FEST.やROCK IN JAPAN、WILD BUNCH FEST.などの大型フェスにも多数出演、来年ブレイク間違いなしの注目ルーキー。
- 『だけじゃないBABY』
テーマパークのようにコミカルなリズムにのせて、「ちょっとは現実を見な」と歌う2ndデモシングル。歌詞にNUMBER GIRLが登場する。
- 『オシャレ大作戦』
3rdデモシングル。曲中のKey.中村郁香のキーボードソロは必聴。
- 『許せ!服部』
1stフルアルバム『ONE!』収録曲。「許せ!服部」と連呼するサビが頭から離れなくなる。
- 『ジャックポットなら踊らにゃソンソン』
- 『きらいな人』
Gt.朝日のボカロP名義「石風呂」の曲をバンドアレンジした1stミニアルバム『MEMORIES』収録曲。
HUSKING BEE(ハスキングビー)
1994年結成の3ピースバンド。通称ハスキン。2005年に解散したのち、2012年に新メンバーを迎えて再結成、現在はDr.を除いてオリジナルメンバー3人で活動している。初期は全英語詞のパンクサウンドが中心だったが、Vo./Gt.磯部正文のハイトーンボイスが光るバラード、全日本語詞のアルバム、ホーン隊を入れた楽曲のリリースなど、キャリアを重ねるごとに曲の幅が広がっている。現在は結成25周年イヤーを記念したツアーの真っ最中。
- 『WALK』
Hi-STANDARDのGt.横山健がプロデュースした1stアルバム『GRIP』収録曲。Ken Yokoyama(Ken Band)がカバーすることでも知られる名曲。
- 『#4』
3rdアルバム『FOUR COLOR PROBLEM』の1曲目。やや落ち着いたイントロから始まり、磯部の「Music begin!」で会場のテンションが爆発、(ダイブOKの会場の場合)ダイバーが続出する。
- 『欠けボタンの浜』
同じく『FOUR COLOR PROBLEM』収録曲。磯部の優しい歌とギターのみから始まる、少し切ないミドルテンポのナンバー。
- 『新利の風』
3rdシングル『AUTUMNAL TINTS』収録曲。軽快なイントロが印象的な日本語詞のナンバー。
- 『Enjoy』
2018年リリースの9thオリジナルアルバム『Lacrima』収録曲。ホーン隊を交えたピースフルな1曲。
HEY-SMITH(ヘイスミス)
2006年結成の6ピースバンド。通称ヘイスミ。スカコア・スカパンクと呼ばれるジャンルで、毎年精力的にライブ活動を行なう。2015年よりメンバーを新たにし、テナーサックス・トランペット・トロンボーンのホーン編成となりパワーアップ。自主企画フェス『OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL』(ハジマザ)も開催しており、10周年を迎える2020年にはライブハウスサーキットツアーや野外2daysを予定している。
- 『Come back my dog』
疾走感あふれる1stアルバム『Proud and Loud』収録曲。
- 『Download Me If You Can』
スカダンスしたくなる高速の裏打ちが心地いい1stシングル。
<『Download Me If You Can』MV>
- 『Endless Sorrow』
2ndアルバム『Free Your Mind』収録曲。ビゼーの組曲『アルルの女』の『ファランドール』をオマージュしたイントロと、会場が一体となるサビのシャウトが聴きどころ。
<『Endless Sorrow』MV>
- 『2nd Youth』
メンバーチェンジ後初のCD、5thアルバム『STOP THE WAR』収録曲。サビの「Try Try Try」「Cry Cry Cry」はぜひ一緒にシャウトを。
- 『Let It Punk』
メンバーチェンジ後にリリースされた2ndシングルで、6thアルバム『Life In The Sun』収録曲。
ROTTENGRAFFTY(ロットングラフティー)
1999年結成の5ピースバンド。通称ロットン。ヴィジュアル系にルーツをもつVo.NOBUYAと、ヒップホップやミクスチャーに影響を受けたVo.N∀OKIの異色のツインボーカルが唯一無二の世界観をつくり出す。毎年クリスマス付近に豪華アーティストを招いたフェス『ポルノ超特急』を開催。結成20周年を迎えた2019年には全国ツアー開催やトリビュートアルバムのリリース、2020年春にはファン投票によるベストアルバムをリリース予定。
- 『金色グラフティー』
2011年リリースのベストアルバム『GOLD』からシングルカット(配信限定)された代表曲。フェスではラストを飾ることが多い。冒頭にサビを大合唱するので歌詞を覚えておくと◎。
- 『THIS WORLD』
3rdアルバム『This World』のリード曲。サビでは独自の振りがあるのでまわりの人をチェック。
- 『D.A.N.C.E.』
いちだんと盛り上がるダンサブルな4thシングル。2012年に急逝したDragon Ashの馬場育三に向けて書かれた曲で、歌詞にも「IKÜZÖNE」が出てくる。
- 『「70cm四方の窓辺」』
テレビアニメ『ドラゴンボール超』のエンディングテーマになった7thシングル。エモーショナルな詞とメロディに心を揺さぶられる。
- 『ハレルヤ』
2019年12月にリリースされたばかりの8thシングル。ライブの新たな定番曲になるであろう爆発力のある新曲。
キャリア20〜30年のベテランから話題の若手、ロック・パンク・スカ・ポップまでバラエティに富んだラインナップのCDJ1920。今年1年のライブ納めとしてはこの上ない贅沢なフェスだ。タイムテーブルとにらめっこしながら開催を楽しみに待ちたい。
(文・三橋温子)