古都・京都。このエリアに対してどのようなイメージをお持ちだろうか。
「はんなり」という言葉に代表されるように、柔らかい雰囲気で優雅な音楽が満ちていると思っている人も多いかもしれない。しかし実際はそうではなく、大阪とも違う独自の世界観を展開するバンドが多く活動しているのだ。
そこで今回は、そんな京都を拠点に活動しているインディーズバンドをピックアップしてご紹介しようと思う。
The Rodelia(ザ ロデリア)
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTを彷彿とさせる正統派ガレージロックバンド
2013年にボーカル平野準を中心に結成された、The Rodelia。ガレージロックというジャンルの正統派な継承者と言える、ハスキーなボーカルと攻撃的な楽曲で攻め立てる。
それでいて、ただなぞるだけではなく自分たちが自分たちの個性で取り込んださまざまな音楽性や感情を消化し、解放する姿はカリスマ性すら感じることだろう。今後、多くのフェスで彼らの姿を目にする日も遠くない。
Lucia(ルチア)
圧倒的な歌唱力と優しさを包含した力強いロック
2016年に結成された、Lucia。女性がリズム隊を固める編成でいて、その力強さとグルーヴは一見の価値アリ!
自身で企画ライブを開催するなど、その実力は折り紙つきだ。安定したリズム隊に引けを取らないロックなギターや、ボーカルの歌唱力は他のバンドとは一線を画す。MCでも胸に響くメッセージを届けてくれる彼らの優しさを是非一度ライブ会場で体感してみてほしい。
LoG(ログ)
日本語を生かしたハイトーンボイスが響き渡るニュータイプ!
バンドがしたくてもなかなかできないという苦悩を乗り越えて集まったメンバーで結成された、LoG。年齢層はバラバラであれど、バンドがしたいという思いによる結束は強く、そうしたフラストレーションを爆発させるかのように感情が乗った演奏は見るものを引き込むパワーに溢れている。
GENNARI(ゲンナリ)
ギターサウンドと自由な発想で活動の幅を広げるロックバンド
2009年に結成された、GENNARI。ストレートなロックでありつつも、卓越したギターテクニックや歌唱力、そしてライブでのパフォーマンスなどを武器に、東京での活動や楽曲提供など、型にとらわれずに自由な発想で精力的に活動を展開している。
Noazami(ノアザミ)
「もっと私を知ってください。」という花言葉を持つバンド名
正統派なギターロックバンド、Noazami。歌詞に乗せた思いを大切に歌い上げ、丁寧に届けてくれる彼らの持ち味は、メッセージ性の強さだ。そんな歌詞とキャッチーなメロディ、耳障りのいいギターサウンドは、是非一度体感してもらいたい。
かゑる(カエル)
陸にも水中にも適応する両生類のごとく、柔軟で可変的な魅力
2018年に結成された、かゑる。メンバーそれぞれの多様な音楽性を織り交ぜながら、現状に満足せずに進化を続けるバンドだ。耳に残る歌声のボーカルは叙情的な歌詞と楽曲を見事に歌い上げ、多くの人の心に直接語りかけてくれる。
speel plaats(スピール プラッツ)
憂いを持った現代風歌謡曲で夢を紡ぐ
2018年に活動を開始した、speel plaats。ノスタルジックな雰囲気を現代風のサウンドでパッケージした、新しい歌謡曲のスタイルを持ち味としたバンドだ。日本語を大切にした純和風ロックとして、新風を巻き起こす予感を感じさせてくれる。
橙々(ダイダイ)
ツインボーカルが織りなす文学的オルタナティブロック
2011年に結成された、橙々。スリーピースというシンプルな編成ながら、日常を切り取ったかのような共感性の高い歌詞をキャッチーなメロディに乗せた力強いロックが魅力的だ。コーラスワークも心地よく、休日などにゆったりと聴いていたいバンドである。
痛快ぶっちぎりバブーン
楽曲を聴くだけでライブの楽しさが伝わる!
歌詞と楽曲の楽しさとノリの良さから、ライブを見てみたいと思わずにはいられない、痛快ぶっちぎりバブーン。キュウソネコカミや打首獄門同好会のようなコミックさやノリを持ち合わせたバンドである。
the McFaddin(ザ マクファーディン)
Suchmosのようなオシャレ感に、音と映像で魅せる魅惑的なライブショー
DJを有した編成で、ヒップホップやニューウェーブといった多種多様な音楽性を融合させた新時代のロックバンド、the McFaddin。映像を投影しながら演奏するという演出で、ライブ会場を沸かす。2019年には海外フェス公演を開催するなど、その目線はすでに世界へと向いている。
関西エンタメの中心地は間違いなく大阪である。しかし、今回ご紹介した京都をはじめとした周辺都市にも、それぞれの独自文化で育まれた個性的なバンドがたくさん活動していることをおわかりいただけただろうか。
今後、さまざまなフェスやライブイベントなどで目にする機会が増えるであろう彼らの音楽にいち早く触れ、チェックしておいてほしい。あなたの琴線に少しでも触れるバンドに出会ってもらえたなら、幸いである。
(文・倉田航仁郎)
(カバー撮影・望月柚花)