【狐の嫁入り前】和の趣を纏った物語を紡ぐバンドサウンドに耳を傾けて

曽我美 なつめ

曽我美 なつめ

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文章を書いていて最近、日本語はとても面白いインタレスティングな言語だと思う事が時折ある。

私達が常日頃使う口語や書き言葉の中で、その実感を得られる機会は確かに少ない。けれど昔から名作として語り継がれてきた作品や、川柳、都都逸なんかの言葉遊びのようなもの(140字のTwitterもある意味そうなのかもしれない)。それらの中で粋な表現や、情景の匂い立つような描写に出会った時の感動たるや。

それはもちろん今回ご紹介するバンド『狐の嫁入り前』が表現するような、音楽の歌詞世界の中でも見つけることができるものだと私は思っている。


結成3年目にして精力的な音源制作&ライブ活動
1st mini album『吉兆の知らせ』トレーラー
狐の嫁入り前
youtube動画

愛媛県松山市を拠点として、四国を中心に活動しているバンド、狐の嫁入り前。2018年に活動を開始し、これまで結成から僅か2年で3枚の自主音源を制作、リリース。アマチュアバンドとしては目を見張るほどのアクティブな活動っぷりを見せている、と言っても過言ではないかもしれない。

現在、正規メンバーとしてはギターボーカルのpeco、ドラムのミートソースの2人。活動の際はサポートに様々なベーシストを迎え、ライブ出演等も精力的に行っている。今後は拠点とする愛媛のみに留まらず、他の四国3県や本州での活動も期待ができるバンドではないだろうか。

バンドの、そして愛すべきリスナーの来たる未来を明るく照らせ

彼らのバンドの魅力は、キャッチーさの中に仄かな影を落とすギターサウンドももちろんだが、何よりもその日本語詞の世界観への並々ならぬこだわりにある。「和ロック」なんて言葉が1つのジャンルを表すようになってしばらく経つが、彼らの場合はまたそれとは少し系統の違うニュータイプと言っても差し支えないかもしれない。

ボーカル・pecoの音楽的バックグラウンドとなっているのは、軽やかなポップサウンドの中で日本語の「妙」を色鮮やかに描く邦楽バンドたち。

彼がそんな先人たちから受け継ぎ、その中で自分なりに織り交ぜた日本語。そのオリジナリティのある言葉によって紡がれる、淑やかながらも瑞々しさの残る空気感。彼はその武器を以て自らの創り出す楽曲1曲1曲に、明確な物語性を孕ませている、とも新作のアルバム制作に際して語っていた。

『狐の嫁入り前』というバンド名は、吉兆の知らせとなる古くから伝わる日本語の迷信が由来となっている。

自分達の音楽を愛してくれる人たちの行く末が、好いものとなるように。そして自分たちの音楽が、そんな大勢の好い人達に愛されるものとなるように。細やかな祈りや、慎ましい願いにも似た思いを込めて、彼らの音楽はきっとこれからも鳴らされていくのだろう。

MESSAGE

我々の音楽を聴いて気になった方は是非ライブに遊びに来て下さい、そして生で音楽を体感して下さい。いつでもお待ちしております。

peco(狐の嫁入り前)

(文・曽我美なつめ)


PROFILE

狐の嫁入り前
(きつねのよめいりまえ)

愛媛県松山市で活動するロックバンド。Vo./Gt.のpeco、Dr.のミートソースから構成される。繊細に紡がれた言葉が織りなすリリック、グッと心を掴んで離さない秀逸なメロディセンス、すっと耳に入り込むボーカルpecoの優しくも強く訴えかけてくるピュアな歌声。重くメランコリックな詩をキャッチーなメロディに乗せて、しっとり爽やかに、叙情的に歌い上げる。

メンバー

peco(Vocal / Guitar)
ミートソース(Drums)

活動開始

2018年

主な活動拠点

愛媛県、四国

HP / SNS

公式Twitter @kym_Bewitch
公式Youtubeチャンネル