※ARABAKI ROCK FEST.20は新型コロナウイルスの影響で来年に延期となりました。「ARABAKI ROCK FEST.20-21」と題して、2021年4月29日(木・祝)・30日(金)・5月1日(土)・2日(日)に4days開催されます。
東北が誇るロックフェスといえば『ARABAKI ROCK FEST.(通称:アラバキ、荒吐)』。2019年の来場者は5万8千人と言われており、その勢いはとどまるところを知らない。
20周年を迎えた今年2020年は4月25日(土)、26日(日)の2日間の日程で開催される。今回は、この歴史あるロックフェスに出演するアーティスを10組抜粋し、ご紹介していく。
20周年を迎えた歴史あるロックフェスティバル
2001年の第1回を皮切りに毎年開催されているアラバキの今年の会場は、2007年以降恒例となっている宮城県仙台市郊外の『みちのく公園北地区・エコキャンプみちのく』。会場の説明や出演アーティストラインナップ、フェスの詳細、注意事項などは、本マガジンでも以前紹介しているので参考にしてみて欲しい。
ではここから、出演アーティストの中でも筆者が注目する10組と、それぞれのライブ定番曲を紹介をしていく。
- KEMURI
- The Birthday
- ヒトリエ
- ASIAN KUNG-FU GENERATION
- レルエ
- H ZETTRIO
- Nothing’s Carved In Stone
- MONOEYES
- 忘れらんねえよ
- noodles
KEMURI(ケムリ)
「P・M・A(Positive Mental Attitude – 「肯定的精神姿勢」)」を自らのバンドスタイルにして活動する、日本が誇るスカパンクバンド『KEMURI』。1995年の結成以降、2007年に一度解散するも2012年に再結成して見事音楽シーンに返り咲いた。
ライブの定番曲は以下の5曲が挙げられる。激しいスカビートに身を委ねて思うがままに暴れるのがオススメだ。
The Birthday(ザ バースデイ)
2005年に、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTやROSSOのチバユウスケを中心に結成された『The Birthday』。結成10周年には日本武道館ライブを成功させた。
貫禄のある正統派ロックに特徴的でセクシーなチバユウスケのボーカルが合わさって、一度聴いたら耳から離れないことは間違いない。「彼らのロックに抱かれる」という感覚で世界観に陶酔することで、The Birthdayワールドにどっぷり浸かることができる。
ヒトリエ
2011年に結成され、2014年にメジャーデビューを果たした『ヒトリエ』。インターネット上の活動からメジャーシーンへと活動の場を移した彼らの音楽は、ボーカロイドと人間の融合のような新進気鋭の雰囲気をまとっている。
会場を独特の空気感で包み込み、彼らにしかできない一体感でまとめあげてしまうパフォーマンスは唯一無二といえるだろう。楽曲の特徴的に踊れる曲が多いが、彼らの歌詞の中でも語られる「我を忘れて踊れ」を体現する形で自由に弾けて欲しい。
ASIAN KUNG-FU GENERATION(アジアン カンフー ジェネレーション)
1996年に関東学院大学軽音楽部内で結成された『ASIAN KUNG-FU GENERATION』(アジカン)。ストレートなロックにどこか日本的な要素を含んだキャッチーでノリのいい楽曲に、ボーカル後藤の哲学的な歌詞の世界観が融合して、人々の心の深くに突き刺さる。
5曲の中には入れていないが、『君という花』の演奏前にドラムに合わせて手拍子やジャンプをして、後藤の「ラッセー!」という掛け声とともにイントロへと入って行くという定番があるので、もし演奏される際は注目しておこう。
レルエ
2013年に結成された『レルエ』。澄み渡ったハイトーンボイスに、特徴的なエレクトロニックサウンドとバイオリンが絡み合う個性的なロックバンドだ。ギター・ベース・バイオリンという、他に類を見ない構成が決して飛び道具のようなものではなく、しっかりと地に足のついた安定感と独特の世界観を作り上げる。
近年、大型フェスへの出演も増えてきているので、必ずどこかで目にする機会があると思う。その時は、ぜひ彼らの未来に思いを馳せながらその勇姿を目に焼き付けて欲しい。
以下はライブの定番曲ではないが、レルエの中でも人気の5曲である。
H ZETTRIO(エイチゼットリオ)
「大人も子供も歌って踊れる」をテーマに活動する、青、赤、銀の鼻が特徴的な、ピアノを主体としたインストゥルメンタルバンド『H ZETTRIO』。
2012年、ピアノのH ZETT Mがクリスマスソングのために声をかけたメンバーで構成され、各国のジャズフェスティバルへの参戦などで世界を飛びまわる。インストバンドに馴染みがなくても、とてもキャッチーで親しみやすい雰囲気があるので、ぜひ一度聴いてみて欲しい。
テーマどおり、広い年齢層が参加するH ZETTRIOのライブ。決め事ではないにしても、ファンの間では、ドラムからの指示があったときを除いて手拍子をしない方が良いという認識が広がっているようだ。変拍子でテンポの揺れも大きく、セッションに近いスタイルの彼らなので、その気持ちもわかる気がするのではないだろうか。
Nothing’s Carved In Stone(ナッシングス カーブド イン ストーン)
ELLEGARDENのギタリスト生形が中心となって、ストレイテナーのベーシスト日向、FULLARMORのドラマー大喜多、ABSTRACT MASHのボーカル村松という面々が集って結成された『Nothing’s Carved In Stone』。
全編英語歌詞で切れ味の鋭いギターサウンドが魅力の彼ら。ライブパフォーマンスも見るものを引きつけてやまない。ボーカル村松のコールアンドレスポンスに身を委ねてみよう!
MONOEYES(モノアイズ)
ELLEGARDENやthe HIATUSのフロントマン細美武士のソロプロジェクトとして始まった『MONOEYES』。ボーカル細美を中心に集まったサポートメンバーだったが、活動の過程でバンドとしての活動に軸を移した。
『When I Was A King』『RUN RUN』など激しい曲になればモッシュやダイブが巻き起こり、フェスであってもライブハウスさながらの盛り上がりを見せる。もし初めて見るのであれば、前の方に行かず、少し後ろから様子を見る方が良いだろう。
忘れらんねえよ
2008年に結成された『忘れらんねえよ』。サラリーマンをしていた柴田がメンバーを集めて結成に至ったのち、魂の叫びとも呼べる熱いライブで観客の心を揺さぶり続ける。
有名人からの支持も多い彼らは、ライブを重ねることでさまざまなタイアップを受けながら露出を増やしている。ライブ中に卑猥な発言も多いが、それもこのバンドの持ち味である。
noodles(ヌードルス)
1995年にインディーズデビューした横浜出身のガールズバンド『noodles』。メンバーの脱退などを経験しながらも海外レコーディングやライブを精力的に行う彼女たちは、the pillowsの山中さわおの目に留まるほどの実力を持っている。
音楽性もthe pillowsに近いものがあり、確かな技術と少し気だるげなボーカルで奏でるオルタナティブロックを中心とした楽曲が特徴だ。
■ 『She, Her』
■ 『We Are noodles From Sentimental』
■ 『Ingrid said』
■ 『Oh Yeah』
■ 『Grease』
新旧問わず、さまざまなテイストのバンドが集う『ARABAKI ROCK FEST.20』。数十年のキャリアをもつ大御所から新進気鋭の若手まで、これだけ幅広い音楽を一度に聴くことができるのが、やはりフェスの魅力と言えるだろう。参戦する際は、ぜひ今回ご紹介したバンドたちにも注目してみて欲しい。
(文・倉田航仁郎)