愛媛県松山市を拠点として活動し、懐かしくもモダンでポップなギターサウンドを大きな武器とするバンド・ヘビーメロウ。
昨年2023年より、2～3ヶ月に一度の定期的な配信シングルリリースを重ねてきた彼らだが、2024年4月21日には直近の配信楽曲をフィジカルにまとめた1stシングル『ふわっと』をリリース。現在それに伴う各地でのライブを初夏にかけて敢行中だ。
これまでにも地元愛媛を中心として、TENDOUJIや台風クラブなど様々なツアーバンドとの共演を果たし、彼らのアクトに華を添えてきた。
今回のツアーの中には、バンド初上陸となる地も。数年に及ぶ地元での活動で着実に力をつけ、今まさに四国愛媛を飛び出しその名を広めんとする彼ら。本稿ではその魅力に迫る。
ありふれた平凡な日々に寄り添う、優しくメロウなバンドサウンド
「結成のきっかけは大学の軽音サークルです。偶然音楽の趣味が合った4人が集まり、スピッツやMr.Childrenなどのコピーバンドを何度か演奏していたところ、徐々にVo.高橋がオリジナル楽曲でのバンド演奏に興味を持つようになりました。大学3年生頃に同メンバーでバンドとしての結成を果たし、今に至ります」
バンドのルーツとなるのは、我々音楽リスナーにとっても耳馴染みの良いポップロックサウンドを主軸とする邦楽アーティストとのこと。
Vo.高橋傑の描く詞やバンドが生み出すサウンドには、確かにルーツ由来の軽やかなキャッチーさや、どこか懐かしさ／温かみを感じさせるメロディが色濃く反映される。
しかしそれと同時に、まだ若く瑞々しい感性や現代カルチャーの中で育まれた、ヘビーメロウならではの響きも曲中の随所に散りばめられる。
のどかでスロウな時間の流れる、愛媛という地の風景をどこか彷彿とさせる楽曲も多い。
「楽曲の多くは優しさや愛を主題としています。優しさや愛は、人に対してだけではなくいろんな形があると思います。大切な人、物などに当てはめてリスナーそれぞれの解釈で聴いていただきたいですね。
また、作品制作の際は生活に寄り添える曲を意識しています。疲れている時や落ち込んでいる時、元気な時という特定のタイミングだけではなく、普段のなんでもない時にこそ聴きたくなるような優しい音を目指しています」
Vo.高橋の言葉通り、彼らの楽曲の最大の魅力は「特別な音楽ではない」点なのだろう。
我々の暮らす毎日で、特別な瞬間というのは本当にごくわずか。音楽というものは得てしてそんな「特別な瞬間」を形成するものになりがちであり、ひいてはそれを生きがいとして、代わり映えのしない退屈な毎日をなんとかやり過ごす人が世の中の大多数であるに違いない。
しかしヘビーメロウは、そんな代わり映えのしない毎日にこそ寄り添う音を鳴らす。
普遍的で面白味のない日常こそが、何よりも尊く当たり前に訪れるものではないと知っているから。
今回リリースとなった初フィジカル作品、1stシングル『ふわっと』には、そんな平凡な日々に気づけば溶け込んでいるような、優しさと穏やかさ、そして軽やかさに満ちた楽曲が揃っている。
初フィジカル作品・1stシングル『ふわっと』リリース！
「ふわっと」
ヘビーメロウ
「今回のシングルは2日間で4曲を大阪でレコーディングしたので、移動などもあり体力面で苦労しました。深夜バスで移動して早朝からのレコーディングで力を出し切ったあと食べた、ホテルの前にあったたこ焼きが美味しかったなぁ。
収録曲すべてが自信作ですが、タイトル曲の『ふわっと』が特におすすめです。結成当初のライブからずっと演奏している定番曲で、サビでテンポが落ちる所はVo.高橋のこだわりのポイント。サビ終わりからはギターソロで再び盛り上がっていく構成になっており、ライブの時はいつもお客さんの反応も良い楽曲です」
邦楽ポップロックをルーツとしながらも、彼らのライブには良い意味で海外のオーセンティックなライブバーのような雰囲気が漂う。
彼らのライブは目の眩むような強烈で特別なステージではなく、楽しいお酒と音楽の場を構成する一要因としてそこに鳴るもの。メンバーによるMCの緩い語り口やムード、そして彼らが語る何気ないエピソードも、音楽に向き合うリスナーの肩の力を抜いてくれる。
その地で暮らす人々の文化に音楽が溶け込み、すっかり馴染んでいるような感覚。それは日常性をコンセプトとするバンドとして、これ以上ない理想的な姿でもあるのだろう。
「目標は、今までよりも多くの人にヘビーメロウを知ってもらうことです。普段は県内でライブをすることがほとんどで、いつも同じようなお客さんに見てもらうことが多かったですが、今回のツアーをきっかけに県外で初めて僕たちの演奏を見る方たちに、何か少しでも響くものがあればいいなと思っています。あとなんかフェス出たい」
これまでにも当然県外でのライブ経験はあるが、大分や兵庫といったこれまで縁のやや薄かった地にも、リリースを機に音楽を届けにいくヘビーメロウ。
だがきっとどんな場所へ訪れても、彼らが鳴らす音楽の本質が変わることはない。場所や時代が変われど、人間の営みが変わらないままそこにある限り。
変わらない退屈な毎日に、特別な彩りを加えるわけではない。平凡な日々を平凡なまま愛し、それこそが大切なことなのだと気付かせてくれる。
ヘビーメロウというバンドが鳴らす音楽は、特別でないからこそ特別なのだ。
「こだまする」
ヘビーメロウ
MESSAGE ヂラフマガジンをご覧の皆さん、こんにちは！ 松山を中心に活動しているヘビーメロウです。 この度1st single『ふわっと』リリース、併せて本作に収録されている「こだまする」のMVをアップしました。聴いていただけると嬉しいです。 県内外各所、お近くのライブハウスにて是非ヘビーメロウを体感してください！
（文・曽我美なつめ）
PROFILE
ヘビーメロウ
大学で出会い結成。多様なジャンルから影響を受け、なかでも日本の歌謡曲・ポップスに大きく影響を受ける。現在は愛媛のライブハウスを中心に大阪・高知・香川でもライブを敢行。
2021年11月、ライブ開場限定で2曲入りCD(賛美歌, デモ音源)を販売即完売！ 2022年5月、自主企画「SOUVENIR」を初開催。2023年9月、FRIENDSHIP.より「ふわっと/泡」、12月に「賛美歌/こだまする」デジタル配信開始。FM愛媛「Groovy Radio Caravan」10月のパワープッシュに「ふわっと」が選出され、反響多数で再度2024年1月に”賛美歌”が選ばれる。また2月には「こだまする」が南海放送ラジオ「Tips」1週間パワープッシュにピックアップ。
2024年4月21日、ファーストシングル「ふわっと」CDリリース＆リリースパーティー開催。併せて作品と共に県外でのライブハウスを巡回。ライブではこれまでSEVENTEEN AGAiN、Chapman、TENDOUJI、鶴岡龍、Shin Sugawara(SAMOEDO)、古墳シスターズ、Offo tokyo、台風クラブなどとの共演・ツアーサポートを務めている。
メンバー
L→R
祖母井詩音（Bass）
関家悠作（Guitar）
高橋傑（Vocal / Guitar）
坂本龍太（Drums）
活動開始
2019年
主な活動拠点
四国、愛媛県
HP / SNS
X @heavymell0w
Instagram @heavy__mellow
YouTube @heavy_mellow
LIVE
SALONKITTY×Pangea pre. Cross Over vol.1
2024.6.21(金) 松山SALONKITTY
1st Single「ふわっと」Relesase TOUR
2024.6.9(日) 尾道B×B
2024.6.26(水) 兵庫 PADOMA
2024.6.27(木) 大阪 Pangea
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