叩くこだわり! スラム奏法のパーカッション音を綺麗に聴かせるポイント

名城 政也

名城 政也

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MIYAVIや押尾コータローなどをきっかけに、スラム奏法の魅力に取りつかれた人は多いでしょう。筆者もスラム奏法にハマった経験のある一人です。

しかし、スラム奏法を練習していて「叩く音をどのようにアンプから出すべきか!」と悩んだ経験はないでしょうか。

通常のエレアコは弦の音だけが出力されてしまうため、叩く音はアンプから聴こえません。だからと言ってアコギの前にマイクを立てても邪魔になります……。スラム奏法プレイヤーにとって、音の出し方は大きな悩みですよね。

そこで今回は、スラム奏法の音を聴かせるこだわりについて解説します。あわせて、おすすめのアーティストも紹介していくので、スラム奏法プレイヤーはぜひ参考にしてください。


スラム奏法で聴いておきたい代表曲

まずはスラム奏法の奥深さ、魅力を知るために、筆者が選ぶスラム奏法の代表曲を紹介します。

今、多くの人が影響を受けているのは、やはりこの2名ではないでしょうか。

  • 押尾コータロー
  • MIYAVI

それぞれのアーティストのなかから、とくにおすすめの楽曲を紹介するので、まずは一度聴いてみてください。

『Heart Beat!』
押尾コータロー
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アコギのスラム奏法やインストゥルメンタルの日本代表と言えば、やはり押尾コータローです。なかでもとくにスラム奏法を楽しめる楽曲が、『Heart Beat!』。

ギターを叩くイントロから始まり、1分47秒あたりではスラム奏法のソロが入ります。

押尾コータローは全体的に綺麗な楽曲が多いですが、『Heart Beat!』に関しては、スラム奏法を使った遊び心と激しさが詰まっています。

『自己愛、自画自賛、自意識過剰』
MIYAVI
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MIYAVIの楽曲の中で外せないのがこちらの『自己愛、自画自賛、自意識過剰』。この楽曲のカバーからスラム奏法を習得した人も多いのではないでしょうか。

スラップにスラム奏法まで、MIYAVIのテクニックをふんだんに詰め込んだ楽曲になっています。

インストゥルメンタルでありながらもロックな雰囲気を感じさせる『自己愛、自画自賛、自意識過剰』は、アコギの幅を大きく広げました。

スラム奏法の音をこだわり抜いて選んだ演奏方法

スラム奏法プレイヤーとしては、何よりも「叩く音」を目立たせたいですよね。通常のエレアコでは弦の音が目立ってしまい、叩く音が消えてしまいます。

とくにスラム奏法プレイヤーが悩むのは、バスドラムの役割になる音ではないでしょうか。

スネアの役割になる部分は比較的目立つ音であるため、通常のエレアコでも多少聴こえます。しかし、手の付け根部分で叩くバスドラムの音は、なかなか通常のエレアコでは拾ってくれません。

そこで、筆者が実際にスラム奏法をプレイする上でこだわったポイントを紹介します。

弦の音も叩く音も綺麗にするための2つの出力

スラム奏法で「叩く音」を聴かせたいと言っても、当然弦の音も捨てられません。

叩く音だけに集中してしまうと弦の音が聴こえにくくなる、弦の音を拾おうとすれば叩く音が聴こえにくくなる……。このバランスには、とても苦労しました。

そこで筆者は、叩く音と弦の音、2つに分けて出力するようにしたのです。

弦の音は通常のエレアコのピックアップを使い、叩く音は後付けのピックアップで対応しました。後は2つの音をミックスさせてバランスよく出力します。

この方法で、メロディもリズムもしっかり出せるようになりました。

叩く音は貼り付けタイプのピックアップでリアルな音にする

叩く音でのこだわりは、どれだけ「ギターの生音を聴こえるようにするか」でした。ギターを叩いている音を一番リアルに聴こえるようにするには、やはりギターの前にマイクを置いて音を拾う方法が一番です。

しかし、マイクを立てる方法は、ライブ時の邪魔になってしまいます。そこで、リアルな音を拾えるように、貼り付けるタイプのピックアップを装着しました。

具体的には、『SHADOW (シャドウ) / SH712』や『iRig Acoustic Stage アコギ用マイク&プリアンプ』などです。

筆者が実際に使ったなかで一番良かったのは、『iRig Acoustic Stage アコギ用マイク&プリアンプ』でした。『iRig Acoustic Stage アコギ用マイク&プリアンプ』は、貼り付けるというよりも、ギターホール部分にひっかけて使うのですが、ひっかける部分にマイクがあるので、アコギの生音を見事に再現してくれます。

ピックアップで音を拾う部分にこだわり!

貼り付けるタイプのピックアップで物凄くこだわったのは、「ギターのどの位置にピックアップを付けるか」です。

『SHADOW (シャドウ) / SH712』を使っていた時期は、バスドラムの役割になる音を拾うためにホールの中に一つ、スネアの役割になる音を拾うためにギターの表、といった形で分けました。

『iRig Acoustic Stage アコギ用マイク&プリアンプ』においても、ひっかける部分によって低音や高音の聴こえ方が異なるので、色んな位置につけて研究しました。その結果、一番バランス良く叩く音が聴こえるのは、ホールのブリッジに最も近い部分だとわかりました。

お手本にしたいスラム奏法プレイヤー

「叩く音」ならPetteri Sariola
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スラム奏法の「叩く音」作りの上手さなら、Petteri Sariolaを聴いておきましょう! スラム奏法プレイヤーのなかでは知らない人はいないと言っても過言ではない、海外のソロギタリストです。

Petteri Sariolaはギターそのものの技術はもちろんですが、スラム奏法において超絶テクニックを見せてくれる上に、叩く音がとても綺麗でダイナミック! ギターを叩く音はもちろん、弦を叩く音や弦に軽く触れる音まで見事に聴こえます。

スラム奏法プレイヤーであれば、ぜひPetteri Sariolaのような音を目指してほしいですね。

知っておきたいNEXTアーティスト、打田だいご
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スラム奏法を演奏しているアーティストのなかでもぜひ知っておくべき新世代アーティスト、打田だいご。23歳という若さでありながらも、その演奏テクニックは圧巻!

スラム奏法のダイナミックさは、Petteri Sariolaを彷彿させるものがあります。さらに、ソロギターではなく、バックにピアノのアレンジも入れているため、そのサウンドはバンドそのもの。

綺麗な楽曲に力強いスラム奏法、激しさを感じられる感情的な歌声まで、どこをとっても魅力的なアーティストです。

(文・名城政也)

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