
「フジロックは憧れるけどハードル高すぎ…」
そう感じているフェス初心者のみなさんに、初めてでも気軽に参加できるフェスを紹介したい。
各地で邦楽ロック系のフェスが乱立した2000年代、いわゆるフェス戦国時代を経て、近年は都市型フェスや音楽以外の要素を組み合わせたフェスが人気となっている。これらの「とっつきやすい」フェスを足がかりに、老舗大型フェスや地方フェスへ参戦する人も多いだろう。
今回紹介するのは、「車がなくてもアクセスしやすい」「規模が大きすぎない」「普段着でも行ける(行こうと思えばフジも行けるけど…)」の3点をクリアする、関東中心のおすすめフェス。すべてわたしが実際にリピート参戦してきたフェスなので、楽しむためのポイントや注意点もあわせてお伝えする。
GWにいち早く夏フェス気分を味わうなら
JAPAN JAM(千葉)

| 日程 | 2026年5月2日(土)・3日(日)・4日(月・祝)・5日(火・祝) |
| 会場 | 千葉県千葉市 蘇我スポーツ公園 |
| アクセス | JR京葉線・外房線・内房線 蘇我駅より徒歩8分 |
| チケット先行発売 | 1月頃〜 |
| 出演アーティスト | 邦楽ロックの新人〜若手が中心 |
| ステージ数 | 4(2026年) |
| 公式サイト | https://japanjam.jp |
rockin’onが主催する野外フェス。2010年のスタートから何度か場所を変え、2017年より蘇我スポーツ公園で開催されるようになった。
2015〜2016年の幕張海浜公園での開催(名称はJAPAN JAM BEACH)もよかったが、個人的には現在のロケーションが好きだ。初年度の2017年は、周囲がまったく見えなくなるほどの砂ぼこりが発生して心が折れかけたが、翌年すぐに芝生が整備されて非常に快適に。

2025年の総動員数は15万7,000人。年々人気が高まっている印象だが、敷地の広さのせいか混雑しすぎている印象はなく、むしろ開放感がある。4つあるステージはそれぞれ距離が近く行き来しやすい。また、フェス中は敷地内のフクダ電子アリーナが開放されており、休憩時や雨天時に困らない点も嬉しい。
2024年からは、若手・新人アーティストをピックアップするステージが2つ設けられた。同じくrockin’onが主催する大型夏フェス・ROCK IN JAPANもこの会場で開催されるようになり、2つのフェスの差別化が気になっていたところだったので、JAPAN JAMが次世代アーティストによりフィーチャーするようになったのは嬉しい進化。
以前はフェス名の“JAM”のとおり、出演アーティストらによるその日限りのセッションが見どころのひとつだったが、近年はあまり実施されない。その再開にもぜひ期待したいところ。

帰りの東京方面の京葉線が混雑するのはつらいが、GWの小旅行を兼ねるなら、蘇我駅や千葉駅のビジネスホテルに宿泊するのもおすすめ。
わたしは蘇我駅から内房線をくだって君津駅に泊まり、翌日に内房線で浜金谷駅まで行って、金谷港→久里浜港の東京湾フェリーで帰路についたことがある。大人片道800円で40分のクルージングが楽しめるので、旅行気分を盛り上げたいかたはぜひお試しあれ。
ライブハウスバンドが好きなら
MURO FESTIVAL(神奈川)

| 日程 | 2026年7月25日(土)・26日(日) |
| 会場 | 神奈川県横浜市 横浜赤レンガ倉庫 |
| アクセス | 横浜高速鉄道 みなとみらい線 馬車道駅・日本大通り駅より徒歩6分 |
| チケット先行発売 | 2月頃〜 |
| 出演アーティスト | 邦楽ロックの新人〜ベテランが中心 |
| ステージ数 | 7(2025年) |
| 公式サイト | https://murofes.com |
2012年にスタートした、渋谷のライブハウス・Spotify O-Crest主催のフェス。キャッチーなフェス名は、同店の店長である室清登氏が由来。
晴海客船ターミナルや幕張海浜公園などを経て、2023年から横浜赤レンガ倉庫の特設ステージでの開催に。真夏の野外フェスではあるが、2025年は来場者に冷却タオルを配るなど熱中症対策に力を入れていた。当日は赤レンガ倉庫も営業中のため、しんどくなったらエアコンの風に当たって休憩することもできる(一般のお客さんのご迷惑にならないように注意)。

テーマは「野外のライブハウス」。ライブハウスを主戦場として活動している各世代のロックバンドが野外に集結するため、普段ライブハウスによく行く人は新鮮な気分を味わえる。ライブハウスに行ってみたいけど勇気が出なくて…という人は、まずは青空の下でバンドのライブというものを体験してみて、ライブハウスデビューの足がかりにするのもいいと思う。
熱量の高いステージが持ち味のバンドが多くラインナップされているだけあって、オーディエンスのノリもライブハウスに近い。慣れているなら最前線で楽しむもよし、ライブビギナーであれば無理せず様子を見ながら参加するのがおすすめ。

ちなみに、ステージ数は多いが会場はコンパクトなので、短時間でステージを行き来することが可能。観たいアーティストはとことん観よう。
海も近いし、みなとみらいの商業施設も歩いてすぐ。フェス後に周辺で遊んで帰る、なんてことができるのは、都市型フェスならではの魅力。
自然も音楽も満喫したいなら
LuckyFes(茨城)

| 日程 | 2026年8月8日(土)・9日(日)・10日(月)・11日(火・祝) |
| 場所 | 茨城県ひたちなか市 国営ひたち海浜公園 |
| アクセス | JR常磐線 勝田駅よりシャトルバス |
| チケット先行発売 | 3月頃〜 |
| 出演アーティスト | 邦楽ロック・ポップ・アイドル |
| ステージ数 | 4(2025年) |
| 公式サイト | https://luckyfes.com |
もう少しアウトドアっぽい雰囲気のフェスをお探しなら、LuckyFM茨城放送が主催するLuckyFesがおすすめ。
2022年1月、ROCK IN JAPAN FESTIVALが千葉へ移転するという発表があった直後、「茨城のフェス文化の灯を消すな!」を合言葉に急遽開催が発表されたフェス。長年にわたりロッキンの会場だったひたち海浜公園の新たなフェスとして、2026年に5年目を迎える。

アクセスがいい立地とはいえないものの、最寄駅のJR勝田駅からはもちろん、首都圏の主要駅からもシャトルバスが出ていて便利。キャンプ泊はできないが、テント券を購入すれば休憩用のテントを張れるので、プチキャンプフェス気分を味わうことができる。
アーティストラインナップは、ロックバンドだけでなくポップアーティストやアイドルグループも多数。そのためか、一般的なロックフェスとくらべて雰囲気ものんびりしている。幅広いジャンルの音楽をゆったり満喫したいかたに最適。

キャッチコピーは「音楽と食とアートの祭典」。緑豊かな会場内には、ご当地グルメも味わえるフードエリアをはじめ、フォトスポットやアーティスティックなオブジェが満載。会場をぐるっと散歩するだけでも楽しい。
初めての遠征フェスなら
RUSH BALL(大阪)

| 日程 | 2026年8月29日(土)・30日(日) |
| 場所 | 大阪府泉大津市 泉大津フェニックス |
| アクセス | 南海本線 泉大津駅よりシャトルバス |
| チケット先行発売 | 3月頃〜 |
| 出演アーティスト | 邦楽ロックの新人〜若手が中心 |
| ステージ数 | 2(2025年) |
| 公式サイト | https://www.rushball.com |
関東以外のフェスに行くなら、RUSH BALLはいかがだろうか。1999年にスタートし、2005年から現在の会場で開催されている。
おすすめする最大の理由は、関西国際空港から近いこと。南海本線急行に乗って20分ほどで最寄駅まで着いてしまう。関空はLCC路線が充実しているので、LCCを使えば旅費も意外とかからない。

会場の泉大津フェニックスは広大な埋立地で、フェス時には多目的緑地に野外ステージや各種設備が設置される。メインステージともうひとつのステージは同じ緑地内にあり、交互にライブが始まるため多くのアーティストを楽しむことができる。人気邦楽ロックバンドに加え、ヒップホップや若手など幅広いアーティストが出演する点も特徴。
会場内には日陰がほとんどなく、海風も強いので、熱中症や防風対策はくれぐれも忘れずに。

なお、泉大津駅周辺のホテルは限られていて価格も高め。予約がとれなければ関空周辺や、南海本線沿線にある岸和田駅や堺駅で探してみるといいと思う。大阪駅・梅田駅までも約40分で行けるので、ついでに大阪市内を観光するのも◎。
思いっきりモッシュ・ダイブするなら
AIR JAM(千葉)

| 日程 | 2026年11月7日(土) |
| 場所 | 千葉県千葉市 ZOZOマリンスタジアム |
| アクセス | JR京葉線 海浜幕張駅より徒歩16分 |
| チケット先行発売 | 未定 |
| 出演アーティスト | 邦楽パンク・ラウドのベテランが中心 |
| ステージ数 | 1(2018年) |
| 公式サイト | https://airjam.jp |
Hi-STANDARDが主催するフェス。1997年・1998年・2000年の開催を経て、ハイスタの活動休止とともにフェスも休止。2011年の東日本大震災をきっかけに、ハイスタの活動再開と同時に11年ぶりに復活した。その後も不定期に開催されてはファンを沸かせてきたが、2026年11月に通算8回目となる開催が決まったことが発表された。
近年、モッシュやダイブを禁止するフェスが増加しているが、AIR JAMは出演アーティストのジャンルの特性上、これらが禁止されていない。90年代からのファンはもちろん、10〜20代の若者たちも一緒になって汗だくで音楽に熱狂する様子は、ライブハウスで育った身としてはとても感慨深い。
2026年のハイスタは新体制で全国ツアーを実施するなど精力的に活動しており、11月のAIR JAMはその集大成ともいえる一大イベントになるだろう。次回いつ開催されるかわからないフェスなので、気になるかたはぜひチェックを。
天候に左右されず楽しむなら
山人音楽祭(群馬)
※2026年は開催なし

| 日程 | 毎年9月(2026年は開催なし、次回は2027年) |
| 場所 | 群馬県前橋市 ヤマダグリーンドーム前橋 |
| アクセス | JR各線・上越新幹線・北陸新幹線 高崎駅、JR各線 新前橋駅よりシャトルバス |
| チケット先行発売 | 2月頃〜 |
| 出演アーティスト | 邦楽ロックの若手〜ベテランが中心 |
| ステージ数 | 3(2025年) |
| 公式サイト | https://yamabito-ongakusai.com |
新幹線の高崎駅からシャトルバスで行ける山人音楽祭は、群馬出身のG-FREAK FACTORYが主催するロックフェス。前身は2012年スタートのGUNMA ROCK FESTIVALで、2016年に現在の名称に改名した。
改名から11年目となる2026年の山人音楽祭は、開催を見送ることが発表されている。ただし、これはネガティブな判断ではなく、2027年に「第2章」として新たなスタートを切るための準備期間とのこと。発表コメントに「新たな聖地で」という言葉があるため、会場も変わることが予想される。
ヤマダグリーンドーム前橋で開催されていた2025年までは、天候に左右されない屋内がメインでありながら、ドーム周辺にフードエリアやステージが設けられることもあり、屋内外のハイブリッド型フェスだった。2027年からはどんな形で開催されるのか、いまから楽しみに待ちたい。


※以下は2025年までの情報です。
メインステージはヤマダグリーンドーム前橋のアリーナ内。スタンディングエリアで楽しむのもいいし、お酒やフードを片手にスタンド席から大人見するのもいい。地下1階のサブイベントエリアには別ステージがあり、この2ステージは完全屋内。
コロナ禍を経てステージ数が毎年変化しているが、ドーム外の芝生エリアに3つ目のステージができることも。フードエリアも屋外にあり、ちょっとした野外フェス感を味わえる。
以前はステージ間の動線があまりよくなく、かなり余裕を持って移動しなければ見たいアーティストに間に合わない点がネックだったが、現在では大幅に改善されており快適。ただ、サブイベントエリアのステージに行くには狭い階段を通らなければならず、ステージエリア自体も小さめなので、入場規制がかかる場合も。アーティストによっては早めの移動を心がけたい。
行ってみたいフェスを見つけたら、あとはチケットをゲットするのみ。例年11月頃から先行販売がスタートするフェスもあるので、公式サイトをこまめにチェックして情報公開を待ちたい。
開放感抜群のロケーションで音楽に身をゆだねる心地よさ、多くのかたに味わっていただけますように!
(文・三橋温子)




