「バンドマンとは付き合うな」の真相は? 付き合ってはいけないバンドマンの見極め方&パートナーの心得

倉田 航仁郎

倉田 航仁郎

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付き合ってはいけない職業の3Bはご存知でしょうか。

今回ご紹介するのはそんな3Bのうち美容師・バーテンダーと並んで不動の地位を確立している、バンドマン。しかし何がそんなにいけないのか。羨望を集める職業なのに付き合うとなると一気に印象が悪くなるその理由に、元バンドマンの立場から迫ります!


音楽に対する優先順位が高い、夢追いバンドマン

一言でバンドマンといってもピンからキリまであります。例を挙げると…

  1. 社会人など本業が明確な人がやっているアフターファイブバンドマン
  2. 学業の合間にやっている学生バンドマン
  3. デビューを目指して本気で取り組んでいる夢追いバンドマン

アフターファイブバンドマンは自分自身の本業で、学生バンドマンはアルバイトや仕送りなどで自立した生活をしていることが多いのが特徴です。つまり優先順位の上位には仕事やアルバイト、学業がランクインしています。

対して夢追いバンドマンの優先順位堂々の第1位はバンド活動であることが多いのです。つまり、バンド活動に全ベクトルを向けている状態にあるため生活費を稼いだり定職につくなんてことは全くもって二の次の話。

そりゃそうです。メジャーデビューという大きな目標に向かって修行している状態なので、言い換えれば見習いの職人といった感じですね。

それが夢追いバンドマンにとっての定職なのですから。まずこの事実が許容できるかどうかが「付き合ってはいけない」になるかならないかの大きな分岐点になっていることを覚えておきましょう。

フリーターの夢追いバンドマンは生活に余裕がないことが多い

ここ最近働き方も多様化しているため、一概には言えませんが、収入が不安定なことが多いのも夢追いバンドマンの特徴です。

その理由は、突然ブッキングされたライブやイベント、オーディションに参加したり、スタジオの空き状況に臨機応変に対応するためです。いつ何が起こるかわからないのがバンドというもの。そこに全精力を注ぐ夢追いバンドマンは決まった時間に出勤することが難しいことから時間に融通のきくアルバイトをしていることが多く、高額な収入を得られていません。

そこにライブ、レコーディング、スタジオ、機材などなどの出費が重なり、さらには打ち上げやミーティングと称した飲み会まである始末。お金なんて貯まるはずもないため、生活は常に逼迫しています。(重ねて言いますが、ちゃんと働きながら夢を追うバンドマンも存在しています)

バンドマンはモテるからこそ自制心を持って目的を見失わないことが重要

これらの事情を加味してもなお、惹かれ合うのが恋愛というもの。ではバンドマンの恋愛事情はどうなっているのでしょうか。これには3パターンあります。

  1. 恋愛はそっちのけで音楽に没頭するタイプ
  2. 長くひとりの人と愛を育むタイプ
  3. 芸の肥やしと言わんばかりに数多の恋愛を繰り返すタイプ

私の知り合いにも、1のパターンように音楽に没頭してメジャーデビューを果たしたバンドがいます。やはり、なんらかの犠牲を払いながらひとつのことに集中するのは強いのかもしれません。

2のパターンは、パートナーの理解を得られていることがとても重要であり、ふたり協力し合いながら夢を一緒に追いかけている状態です。

3については論外ですが、実際バンドマンはモテます。それをいいことに取っ替え引っ替え付き合っていく人もいるわけです。つまりファンに手を出しているわけですから、この辺りがバンドマンに対するイメージを悪くしているのかもしれません。

夢追いバンドマンと実際に付き合ったときのデメリット

ではこれらのことを理解した上で付き合った場合、どのようなデメリットがあるのかご紹介しましょう。

  1. 休みが合わない
  2. お金がない
  3. 飲み会が多い
  4. 夢の中に生きて現実を見ていない

まず1はライブなどバンド活動が最優先なので休みがなかなか合いません。

2は先ほど説明した通りですので、まるでヒモのような生活になってしまうことも珍しくないでしょう。

3も説明した通りですが、お金の問題と浮気の問題が大きいです。悪気がなくても酔った勢いや気の迷いで流されることもあり、その可能性が高い状況は続きます。

そして最後の4ですが、常に自己中心的な思考で夢の中に生きていて夢を語り続けます。あなたがもし現実的な思考の持ち主なら、我慢できないかもしれません。

夢追いバンドマンと実際に付き合ったときのメリット

かといって悪いことばかりでもありません。メリットの一例を挙げると下記の通り。

  1. ライブのリハや裏側を一緒に体感できる
  2. 最新の音源をいち早く聴くことができる
  3. 一緒に夢を追いかけることができる

これらは普通に生活していたらなかなか味わうことができないことです。もしあなたもパートナーの音楽が好きだった場合、これほど幸せなことはないでしょう。人とは違う、一歩深い位置からパートナーの音楽に触れ、支えることができている充足感は大きいと思います。

そして全てが上手く噛み合い、メジャーデビューでもしようものなら、あなたは芸能人のパートナーとなるわけです。とても夢のある話だと思いませんか?

夢追いバンドマンと付き合う上での判断材料は4つ

バンドマンと付き合うこと。それには良いことも悪いこともあることがおわかりいただけたかと思います。

あとはあなたの見る目が確かかどうか。もしパートナーであるバンドマンが下記のどれかに当てはまっている場合、別れたほうがいいかも? そのポイントをざっと挙げると下記のようになります。

  1. ファンに手を出す
  2. 無職
  3. コピーバンド
  4. 売れる気がしない

1と2に関しては、言うまでもなく、通常の恋愛でもなかなか幸せになれないパターン。この中で特に重要なのは3と4です。

コピーバンドとは、人の曲をカバーして演奏することをメインにしているバンドのこと。要するにオリジナル曲を持っていないのです。この状態でメジャーデビューしようなんて恐ろしく狭き門ですので一生趣味で終わる可能性が相当高いです。

そして4。あなたの感覚を信じてみましょう。パートナーの音楽が発売されたとして、初めて聴いた人が買ってくれると思いますか? 全く売れる予感がしないバンドなのであれば早々に見切ってしまう方が後々のためかもしれません。

売れるまで収入ないものと思うべし。
それでも一緒に夢を見るのは悪いことですか?

色々と言いましたが、デメリットばかりを強調すれば確かに、バンドマンと付き合うべきではないでしょう。しかし、一生をかけて何かを成し遂げようとしている人を応援し、一緒に夢を見ることは必ずしも悪いことではないと私は思います。

もしデビューして大成したら、何千何万の人たちに新たな夢を提供する存在になるのです。こんな素晴らしいことは他にないでしょうし、普通はできない経験です。

その場合、必ず守るべきこと。それは結婚を焦らないことです。むしろ諦めることをオススメします。本人が挫折して辞めると言わない限りは応援し続ける忍耐力を持つことで、人とは違う世界を垣間見ることができると思います。

これを守れる人こそが、バンドマンのパートナーとして新しい扉を開くことができる人と言えるかもしれません。

(文・倉田航仁郎)