【mouse on the keys】困難を乗り越えて発表された新作EP『Arche』

五辺 宏明

五辺 宏明

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5月20日に配信が開始されたmouse on the keysの4th EP『Arche』のフィジカルリリースとなるCDが6月3日に発売された。

本来ならば配信と同時にリリースされるはずであったCDの発売日が延びたのは、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けた緊急事態宣言が延長されたことによる影響であることは言うまでもない。様々な業種でこういったケースが増えていることはご存じの通り。

配信で聴くことができるとはいえ、CDが無事にリリースされてほっと胸をなでおろした熱心なファンも多いことだろう。実際にCDを手に取り、ジャケットに記載されたクレジットやライナーノーツを眺めながら音楽を楽しんでいるリスナーも根強く残っているのだから。

9月にはアナログレコードの発売も決定。A面に『Arche』、B面には3rd EP『Out of Body』の楽曲を収録した豪華スプリット盤として限定販売される。

cover photo by Yasuhiro Ohara


CD、アナログレコードで堪能したい4th EP『Arche』

[CD]
mouse on the keys 『Arche』

2020年6月3日発売
定価:1,500円+税
品番:PCD-4554
レーベル:fractrec / felicity
1. Praxis / 2. Room / 3. Emergence / 4. Anchor

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[LP]
mouse on the keys
『Arche LP』
初回完全限定盤
2020年9月16日発売
定価:3,500円+税
品番:PLP-6987
レーベル:fractrec / felicity
side-A : 1. Praxis / 2. Room / 3. Emergence / 4. Anchor
side-B : 1. Intro / 2. Earache / 3. Dark Lights / 4. Afterglow / 5. Elegie / 6. Out of Body

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“Praxis”

youtube動画
「Japan Tour 2020」振替公演が決定

photo by Yoshiaki Miura

新型コロナウイルスによる被害は作品の流通のみならず、他のアーティスト同様にライブにも影響を及ぼしている。国内外のジャンルを超えた音楽愛好家から支持を受けるmouse on the keysは積極的に海外でライブを行っており、今年の4月には13カ所に及ぶカナダ・ツアーが予定されていたが、新型コロナの世界的な蔓延により中止を余儀なくされ、大きな損害が生じたという。

カナダ・ツアーに続いて開催される予定だった5都市を回る国内ツアーも延期されたが、先ごろ振替日程が発表された。

mouse on the keys「Japan Tour 2020」振替公演

2020年10月2日(金)宮城:仙台LIVE HOUSE enn 2nd
2020年10月12日(月)大阪:Shangri-La
2020年10月14日(水)福岡:graf
2020年10月16日(金)名古屋:池下CLUB UPSET
2020年10月22日(木)東京:渋谷duo MUSIC EXCHANGE

一瞬で心を奪われた美しい楽曲、“Dark Lights (tres version)”
youtube動画

2018年2月にenvyを脱退した飛田雅弘氏がサポートメンバーとしてギターを弾いていること以外の予備知識がなく、音源も聴いたことがなかったmouse on the keysというバンドの鍵盤奏者、清田敦氏と知り合ったのは、奇しくも飛田氏脱退後に初めて観に行ったenvyのライブ終了後。BRAHMANとDischarming manが出演したenvy主催イベント「LAST WISH Tour」(2018年12月4日@LIQUIDROOM)の打ち上げ会場で、友人が清田氏を紹介してくれた。

明け方、清田氏と始発列車に乗り込み、最寄り駅で下車。帰宅してすぐにパソコンを開き、mouse on the keysを検索して最初に出てきた“Dark Lights (tres version)”のミュージックビデオをクリックすると、画面には飛田氏の姿が。

ゲストに飛田氏(ギター)、本澤賢士氏(サックス)、佐々木大輔氏(トランペット)を迎えた美しい楽曲に心奪われ、何度も再生しながら“Dark Lights (tres version)”を収録した『tres』のアナログレコードを注文。知り合ったばかりの清田氏に別れを告げてから1時間も経たないうちに、mouse on the keysの音楽に魅了されていた。

狂ったように『tres』を聴き込んだ後に、初めてライブを体感したのは2019年3月19日。同年2月にデジタルシングルとして発表された『Circle』のリリースツアー。満員のduo MUSIC EXCHANGEのステージで繰り広げられたmouse on the keysとゲストミュージシャンによる熱量の高いパフォーマンスに酔いしれた。

その後、幾度か彼等のライブに伺い、素晴らしい演奏を堪能させていただいた。残念ながら今年に入ってから一度も観ることができていないので、10月22日に開催される国内ツアーの東京公演には是が非でも足を運びたい。その頃にはコロナ禍が収束していることを切に願う。

MESSAGE

様々な困難を乗り越えて新作『Arche』を皆さんにお届け出来る事をとても嬉しく思います。本作では、ピアノサウンドを全面に打ち出し原点回帰を図り、タイトルをArche(アルケー)としました。ぜひお聴きください。この作品が皆さんの生活に彩りを与えられれば幸いです。

川﨑昭(mouse on the keys)

photo by Yoshiaki Miura

(文・五辺宏明)


PROFILE

mouse on the keys(マウスオンザキーズ)

東京発のエクスペリメンタル/ハードコア・バンド。メンバーはAkira Kawasaki(川﨑昭/ds)、Atsushi Kiyota(清田敦/p,key)、Daisuke Niitome(新留大介/p,key)の3名。2006年に結成。2008年より現編成へ移行。2009年の1stフル・アルバム『an anxious object』は欧州圏でも発表し、欧州ツアーでのパフォーマンスを含めて国内外で反響を呼ぶ。2013年にはカナダツアー、翌年にはブラジル公演を開催。2015年の『the flowers of romance』を経て、2018年に3rdフル・アルバム『tres』をリリース。(TOWER RECORDS ONLINEより抜粋)

メンバー

川﨑昭(Drums)
清田敦(Piano / Keyboard)
新留大介(Piano / Keyboard)

活動開始

2006年

主な活動拠点

日本、海外

HP / SNS

公式サイト